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管理会計って「冷徹」な技術だけど「美しい」って話。

僕は、管理会計を主に担当する部署に配属された労働者です。

そして、「資本主義的なもの」への興味が最近すごくて、その延長線上で会計にはまっているわけです。そんなこんなで最近思ったのは、会計ってまじで「美しいテクノロジー」だと思う一方で、結構、非人間的だなと思うわけです。

1 会計とは

 基本的に資本主義の行動主体には、企業家・資本家(株主)・労働者・銀行家がいるわけです。
 そうした人たちが「株式会社」と言うものに関わることで、色々なものを生産し、世の中を「豊か」にしているわけです。

そうした、株式会社と言う組織を数値と勘定科目だけで端的に可視化させ、人々に説明することに特化した技術が「会計」と言う技術な訳です。

そして、会計には財務会計管理会計と言うのがあるわけです。

財務会計は、会社の所有者である資本家や、お金を貸してくれる銀行家などの外部の人に、会社の経営状況を「説明」することに主な目的があります。

一方、僕が担当しているのは管理会計と言うのは、会社内部の人たち、つまり労働者や経営者、に経営状況を説明することに重点が置かれた会計技術です。そして、企業組織をマネジメントするための指標ともなりうるわけです。

 そのうち、僕が関わっているのが管理会計と言う領域なのですが、まあ凄いですね。財務会計は15世紀とかに生まれた技術で基本的に、どんくらいお金を稼いだか、そして、経営状況がどんな物かが分かるようにすることにフォーカスされたものなのです。

2 労働者を管理する技術

だが、管理会計というのは、売上や利益、費用という点だけでなく、労働者をいかにマネジメントすると言う点にも使えるということなのです。。

 管理会計が出てきたのは1920年代のことで、マーケティングとかと同い年くらいのビジネスの技術な訳です。ちょうどこの頃は労働運動とかで賃上げ要求とかが起こり、経営者も労働者にそれなりに賃金を払わなければいけなくなったわけです。

そうした中で、労働組合と妥協しながらも、いかに利益を出すために、労働者の賃金をギリギリまで抑えられるかという点で、管理会計というのはとても役に立つ技術な訳です。

感想

そうした背景をもつ管理会計な訳ですが、教科書を読むと、労働者の数が1.2人とか0.7人という答えが出てきたりするわけです。そして、設備投資したから0.8人の労働者を解雇する、という内容が書かれていたりします。

割と、僕は心優しい人間なので、人間が小数点単位で切り刻まれて、なおかつ代替可能な資源として扱われているのをみて、若干悲しい気持ちになりました。

みんな、お母さんに大切に育てられたり、愛する人や大切な子供がいたり、それぞれの人生を送っている人たちな訳です。それが、0.7人とかでカウントされるとるわけです。

しかし、こうした会計という技術からは何か徹底した合理性が垣間見え、「美しさ」もまた感じるわけです。

赤いバラには棘があるというのはこのことなのかなと思った次第です。



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