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ミライのキャリア#8広告代理店の働き方

【えりな】
 今回も「集団としての大企業」編です。ホリデーさんが務めていた企業を例にしながら、大企業はどんな集団なのか見ていきます。

業界最大手の企業


【Caol】
 まず、会社の規模だけど全体で何人くらい?そしてホリデーさんと一緒のオフィスの人は何人くらいでした?
【ホリデー】
 そうですね。何人くらいだったな。僕がいた時で、東京大阪名古屋の全社で8000人くらいだったかなあ、って感じですね。
で、僕はほとんどが関西支社勤務だったんですが、それが大体1500人くらい?もう少し少なかったかな?
【えりな】
 これは広告代理店では相当大規模な大手ということでいいんですかね?
【ホリデー】
 あのですね。それで言うと最大手ですw

広告代理店のオフィスでは何が行われていたか?

【Caol】
 それはダンパー数でいうと、250人を超える大集団ですね。
 広告代理店、と聞いてもイメージのわかない人に、オフィスではだいたいどんなことをしていました?
【ホリデー】
 僕は当時、広告のクリエイティブの部署に所属していまして、いろんな企業の広告の企画や制作を行っていました。例えば、CMプランを考えたり、屋外のポスター広告や新聞広告をどんな企画やデザインにするか、ってことを日夜考え続ける、そんなお仕事です。

ホリデーさんの過去の仕事


【えりな】
 ミスタードーナツの広告を考えてポンデライオンを作ったりした、広告企画屋さんですね!
【ホリデー】
 えへへ。そうですw
 あと、みなさんがご存知なやつだとスシローのロゴ、とかも僕の仕事です。【Caol】
 1日のスケジュールはこういうふうでした、というモデルがあれば。
【ホリデー】
 え、それ聞きますか?wすごいですよw
 あの頃はまだまだ広告業界がイケイケだった時代なので、言ってみたらですね、毎日が文化祭の前日、みたいなノリですw
【Caol】
 以前取り上げた刑務所だと8:30には朝礼が終わって執務が始まっていて、17:00定時で上がるのが普通。学校だと8:00勤務開始。こういうところとはだいぶ違いますよね?

社内モンハン部

【ホリデー】
 そうですね〜〜。全然違いますね。正確に言うと、あの頃は、違っていましたね、って感じですね。深夜残業三昧で明るくなってからタクシーで帰る、とかザラでしたからね。
 思い出深いのはですね、一時期社内の若手でモンスターハンターがめっちゃ流行ったことがありまして、みんなそれをやりたさに、仕事を夜の12時までに気合いで終わらせ、その後「集会所」と称した会議室にみんなで篭って朝までモンハンをやる、みたいなことが数ヶ月続き、そのメンバーみんなが日に日にボロボロになっていくんです。挙句のはてに社内に「ゲームは大人の節度を持ってやりましょう」みたいな張り紙がはられる、みたいなことがありましたね。
 でも、今はそんな働き方は世の中的に許されなくなったので、なくなりましたけどね。
【えりな】
 なにそれ!部活みたい!
【Caol】
 仕事の中身も毎日とは言わなくても、毎週、毎月変わったりしません?
【ホリデー】
 広告やデザインの企画を考える、ってところでは変わらないんですが、担当するクライアントやプロジェクトがどんどん変わるので、内容としては全然違うことをやっている感じですね。
【えりな】
 なんだか、フリーランスのクリエイター集団が案件をこなしていくような、会社っぽくなさを感じますね。


組織文化と風土

【Caol】
 組織文化いかがでした?何か明文化されていたルールとかってありました?創業者やボスはどんなことを言っていました?
【ホリデー】
 明文化されたものって、そういえばなんかあったっけな。思い出せない。【Caol】
 組織文化が見てわかるオフィスの形というものはどうだったでしょう。
【ホリデー】
 それは多分みんなが想像する普通のオフィスですかね。結構古いビルだったので、デスクとかもめっちゃ事務机でしたし。クリエイター感のあまりない空間でしたね。ただ、制作物がそこかしこに散乱しているので、そういうところは普通の会社からすると面白いのかもしれません。
【えりな】
 え〜ジャングルジムとか秘密基地作って中で打ち合わせとかしているんじゃないんですか?ポンデライオンが100体いるとか。
【ホリデー】
 僕も入社するときにそんな空間を期待していたんですよ。で、会社入ったら「え、普通」って思ったw
【Caol】
 組織風土はいかがでしょう?
【ホリデー】
 組織の風土は最高に良かったですね!下っぱだろうがなんだろうが、かなり自分の好きなようにさせてもらった、というか。今にして思えば相当生意気な若手だったと思うんですが、それで特に叩かれることもなく伸び伸びと仕事させてもらっていたので、今でも上司達には感謝しています。
【えりな】
 それはすごい!ラインとスタッフで言うと、スタッフ?軍隊みたいに上下関係がある、の逆ですね。
【ホリデー】
 そうそう、ほんと全然逆。僕の思いつきや暴走をいっつもフォローしてくれていた、って感じ。
 そういえば、組織の風土を規定するものとして「鬼十則」ってのがありまして、これ、昨今の働き方改革でめっちゃバッシングを受けてなくなっちゃったんですけど、僕はビジネスパーソンとしての迫力があってすごい好きだったんですよね〜。言葉自体がかなり過激で、例えば、
「周囲を引きずり回せ、引きずると引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。」
 とかって、いやこれ、今絶対だめだわ!w
【えりな】
 ええ、こわ!「引きずりまわす」って表現はちょっと強いかも。
【ホリデー】
 ねw久しぶりに僕も見てみたけど、ドン引きだわw
 でもね、自発性や積極性ある人にはいくらでも仕事させてくれてやりたい放題の、いい会社でしたよ。
【Caol】
 財閥系の企業、三井もそのようですが、歴代トップの行動と発言が、風土を作って、そのうちに明文化される、というところですかね。こういうのは、社員の価値観を規定するものなので、風土への影響は大きいですよね。
【ホリデー】
 そうして醸成し続けてきた風土も、昨今急速に変わってきた感じがありますけどね。個人的にはちょっと寂しい感じがあるけど、ちゃんと時代に合わせて変化していくことも大事だなあ、とも思います。

8つのキャリアアンカーからみる広告代理店


【Caol】
 8つのキャリアアンカーでみると、大手広告代理店とはどんなキャリアを得られるところでしょう?
【えりな】
 専門分野を生かせる、専門家としてやりがいを感じる、というのはどうでしょう?
【ホリデー】
 広告のクリエイティブという専門性は確実にありましたし、僕自身はアートディレクターと言う特殊職で、自分のデザインの力を活かせるってやりがいは常に感じていましたね。
【えりな】
 管理者、マネージャーとしてやりがいはどうでしょう?
【ホリデー】
 広告代理店時代にはラインマネージャーとしての経験はできなかったので、これに関してはなんともいえないです。もうあと数年勤めていたら管理者の立場になっていたので、それはそれのやりがいがあったのかなあ、と想像はできます。
【えりな】
 人の指示を受けずに自立・独立して仕事ができるところでしょうか。
【ホリデー】
 それはもう!
 もちろんこれはその人の性格や指向性によるとは思いますが、自律的にガンガン仕事ができるし、それが賞賛される組織だったことは間違い無いです。
【えりな】
 雇用や収入など安定していて保障されていることはおおいですか?
【ホリデー】
 いやあ、ほんと、いいお給料、もらっていたなあ。めっちゃ楽しかった上に給料もいいんだから最高だよなあ。
【えりな】
 起業家的な創造性は発揮される場所でしょうか?
【ホリデー】
 在職中は常に「この会社を離れても仕事ができるか」ってことを意識しながら仕事していたし、新しいアイデアを考えることが求められる職場だったので、むしろ創造性無い人は辛い場所と言えるかもしれません。
【えりな】
 純粋な挑戦ができるところでしょうか。
【ホリデー】
 ですね。日々挑戦!挑戦する人には良い環境だったと思います。
【えりな】
 人に奉仕している実感や、社会献身ができる実感があるところでしょうか。
【ホリデー】
 広告代理店の仕事って、クライアントも予算も大きい仕事が多くって、世の中に影響を及ぼしていることを実感しやすい仕事なんですよね。だからこそ、世の中にどう良い影響を及ぼせるか、ってことを考えている人も多くて。ダークサイドに堕ちなければ社会献身の実感は得られる環境だったと思いますよ。
【えりな】
 ワークライフバランスや自分のプライベートとのバランスを取りやすいところでしょうか。
【ホリデー】
 当時はね、ワークライフバランスは、かんっっっっっっぜんに崩壊していましたねwとにかく働くのが楽しすぎてwで、自分が崩壊しているの勝手にしろってことなんですけど、実は自分のワークライフバランス崩壊が、同僚や協力会社の人たちのワークライフバランスを著しく損なうんだ、ってことに気がついた時があって。それですごく反省した記憶があります。
 でも、それも、自分の裁量でワークライフバランスを取ろうと思えば取れるところはまだあったかな、って思います。
【えりな】
 聞いていると大変ながらもめちゃめちゃいい職場だったみたいですけど、日々プレッシャーで大変、みたいなことはなかったんですか?
【ホリデー】
 やっぱりね。同僚間での競争意識みたいなのは結構あったし、成果を出すことを求められるのでプレッシャーは無いとは言えないですけど、ただ、僕の場合は、僕自身が仕事大好きだったので、ギリギリまで追い詰められるほどプレッシャーに苛まれる、ってことはあんまりなかったなあ。
【えりな】
 それは前回までの色々な基準で、ホリデーさんに合った会社だったのかもしれませんね。大変かじゃなくて、自分が大変でも楽しく頑張れる環境かどうかが大事だよなーと思いました!
【Caol】
 今のホリデーさんが、学生を見て
「 この人は広告代理店クリエイティブ職に向いている」というのはどんな人?
【ホリデー】
 そうですね。
 とにかく「とことん考えるのが好きな人」と「圧倒的に行動量が多い人」ですかね。でも、そんな人、どこでも欲しがると思いますねw


第1第3月曜日にPodcastを配信

https://podcasts.apple.com/us/podcast/ミライのキャリア/id1614164466

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