見出し画像

【詩】確認

「あの道は行き止まりで、歩いて向こう側には行けないよ」
と、君は言った。
「そうか、それなら確認してこよう」
と、私は言った。

私達はその場所まで歩いた。
特に楽しくも悲しくもなく、ニュートラルな心持ちだった。
長い道中たわいもない話をしていた。

道は行き止まりではなかった。
トンネルのように高架下を歩いて向こう側に行けた。
私はほんの少し驚いたが、またニュートラルに戻った。まあ当然の流れか、と俯瞰した私が思ったようだ。
君は私よりもう少し驚いていた。

今日は確認だけで戻ることにした。
本番はもう少し後だし、君とは違う別の人と来る予定だ。
今日確認しに来てよかった。
これでいつ本番の日が訪れても大丈夫。


↓詩はこのマガジンにまとめています。


あなたの気持ちが、巡り巡ってやがてあなたの元へと還りますように。