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韓国留学|北朝鮮まで170m。重たい話。色々思った事。

ノート更新1週間滞ってしまった。毎日どこかしらに出掛けて夜遅く帰ってくるもんで、書く余力が無い…。記憶が新鮮なうちに書き留めておきたい!

今週末、北朝鮮との境界線まで170mの所に行ってきた。DMZ(非武装地帯)という区域。入る時には兵士がパスポートチェックをする。民間人出入統制区域も越え、このゲートも超えた先は、もう韓国でも北朝鮮でも無いエリアなんだと思った。道を逸れれば一面地雷が埋まっている。道をゆくのは軍人のみ。あちこちに迷彩柄の戦車のようなもの。望遠鏡を覗けば北朝鮮の街並みと国旗が見渡せた。



人生で最も「戦争」を肌で感じた瞬間だった。

私は延世大学で今、北朝鮮の外交についてのクラスを取ってる。今学んでいる歴史、政治、人物が全て実際に見れる、って本当、不思議だと感じた。上手く言い表せないけど…

「韓国と北朝鮮は停戦状態にある」ていう授業ノートの無機質な文を、実際に目で見て肌で感じた。

本当に分裂してるんだ。あの教科書にあった朝鮮戦争が、実際に今日この瞬間目の前にいる兵士を兵士にさせていて、彼の人生に影響を与えてるんだ。教科書の歴史が、今歩いてる歩道のすぐ横に埋まってる地雷を作り出したんだ。って。

つまり歴史は本当にあった事で、第二次世界大戦も本当にあったことなんだ。想像もつかないような数の人生が影響を受けて、それが今日まで続いてるんだ。

歴史が本当にあった事というのは勿論知っていた。でも今はその意味の重みを、ずっっっと重く感じる。

そしてもう1つ感じた事がある。

このツアー中2回ほどツアーガイドが私の所へ来て、「歴史説明する時日本の支配について触れなきゃいけないんだけど、ごめんね、私は日本人の素敵な友達沢山いるからね」みたいな事を言った。そして「韓国の歴史を学びに来てくれてありがとう」と言った。そして、慰安婦問題について説明した。

大学の授業中、教授が日本列島と朝鮮半島の間に小さな点を書いて、日本人だからと私を当て「これを何と呼ぶ?」と聞いた。竹島と言いかけて、クラス数人が独島と呟くのを聞いて「竹島…独島」と答えた。先生はニコッとした。ドキドキし過ぎて先生がその後なんと言ったか覚えていない。

露店で買い物してたとき、お店のおじさんに何処から来たのか聞かれたので、日本だと答えた。するとどこからか別のおじさんが現れ、私と友達を睨みながら凄く怒った口調で何かを言ってきた。「日本」「アメリカ」「謝れ」と言った単語を聞き取れた。

この2週間韓国にいて、こんな短い期間だけど政治的な面で色々考えさせられる事を経験した。
今私が何を感じているのか、言語化出来ない。
でも、祖国について、世界政治について、自分のアイデンティティについて、外国人というレッテルについて、視野が物凄く変わった。

カナダという多民族国家に住んでる私は、面白いことに、逆に自分が当事者になって人種や国籍の違いを痛感する事があまり無い。多様性が当たり前だから。相手がどの国出身であろうとも、あまり関係ない。大抵初対面から中身を見る。


でも韓国という場所に来て、自分は「外国人」で、その中でも特に「日本人」なんだと、痛感した。そして日本と他の国との外交は、他人事では無いんだと。日本は私の所属する国だから、その国が何をした/するかによって、国際的に「私」という人物がどう見られるのか変わってくる。どんな国で育っても、どんな教育を受けていても、日本人であるからには「日本人」と捉えられる。人種差別とかでは無く、それは事実。
政治を学ぶ上で大切な気づきだった。

思ってることが上手く言語化出来ないのが悔しい。もっとよく考えてから書き残したい。

でもこれだけは言える。
本当に、今、本当に、価値観を変える貴重な経験をしてる。

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