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関東の奥地で起こる小さな革命

お久しぶりです。やっと私にも春休みがきました。
が、毎日勉強しています。そうです、TOEICです。
そんな華のない大学生が息抜きにこのブログを書いています。

その水族館へは、2018年9月の東京旅行中に行きました。
最近行ったところを紹介しようかとも思いましたがどうしてもここは紹介しなければならない気がしました。
半年近く経った今でも紹介したくなるくらい、鮮明に記憶しているからです。
東京から遠くアタリかハズレかも分からない水族館だったので(失礼)、友達を誘えず1人で行きました。しかし想像していなかった体験に衝撃を受けたのを覚えています。


京急油壺マリンパークです。
関東の方でも知らない方は多いのではないでしょうか。神奈川の端にある水族館です。
存在感の小ささに反して、行く価値は無限大です。ここでしか味わえない体験が油壺マリンパークにはあります。特に、色々な水族館に訪れたことがある人にオススメです。
そんな個人的に大好きなこの水族館の特徴・魅力・個人的に感じたことなどをこれから説明していきたいと思います。


目次          
①基本情報
②〇〇〇と一緒に!
③コツメカワウソの魅力を引き出す工夫
④圧巻の大回遊水槽
⑤クセが強すぎるイルカアシカショー
⑥気になる点について
⑦まとめ



①基本情報

京急油壺マリンパーク(京急グループ出資)は神奈川県三浦市三崎町にあります。
昭和43年4月27日に開館し2018年で50周年を迎えました。もうすぐ平成も終わりますが、平成を生き延びた歴史ある水族館と考えると感慨深いですね。

京浜急行の終点三崎口から「京急油壺マリンパーク」行きバスに乗ると、15分ほどで到着します。私は東京から2時間近くかけて行きました。田舎を走る京急の電車は人が少なくてまるで、1人旅をしているかのような気分になりました。(写真は電車からの風景です。)


三崎口は神奈川の端で、海に面しています。
水族館を分棟型にし、屋外空間を多く設けた理由はここにあるのでしょう。屋外にいる間は海の景色を楽しんだり海風に当たったりすることができるのです。展望台もあり、そこからの景色がとても綺麗でした。

天候次第で富士山が見えることもあるそうです。(私の視力では見つけられませんでした。)
同じ臨海型水族館として過去に紹介した須磨水族館がありますが、須磨水族館は出口から海にアクセスできるのに対し、こちらはそうではありません。海水面とのレベル差があるので景色を楽しむというかたちで海と関わっています。また、須磨水族館は周辺に高層ホテルやレストランなどがあり少し都会的な雰囲気ですが、油壺マリンパークはのどかな島のような雰囲気でした。同じ海の近くの分棟型水族館でも全く異なる特徴を持っています。面白いですね。


入場料は大人1700円ですが、ホームページから電子チケットを購入すると安くなります。私は1人なので200円割引でしたが、ペアで購入すると2枚で2700円となり、かなりお得です。(期間限定との表記があるため、購入される際はホームページのご確認をお願いします。)

ホームページでは営業時間は基本的に9時から17時とありますが、平日は閉館が早くなるようです。


こちらは館内マップです。
コンセプトは自然の中のアミューズメントパークという感じでしょうか。そういえばマリンパークという名前からも察することができますね。
広場、学校、劇場、レストラン、森など、水族館内全体がひとつのまち(国)のようになっています。緑の多さから、自然豊かな周辺環境への配慮も感じます。
都会の生活に疲れたら行きたい、のどかな場所だなあと思いました。

設計は大阪建築事務所というところのようですが、あまり詳しいことは分かりませんでした。



②〇〇〇と一緒に!

続いては、この水族館の素晴らしい特徴についてです。
鋭い方は館内マップの写真で気づいているかもしれませんが、実は油壺マリンパーク、ペットと一緒に入場することができるのです。
そもそもペット可の水族館自体少ないですが、その中でもトップクラスでペットと楽しめる水族館だと思います。ペットをゲージの中にいれておかなくてもよかったり(犬・猫・フェレット・ウサギはリードでOK)、ドッグランのコーナーがあったり、イルカショーのところにもペットシートがあったりするのです。ペット用のシャワーや水飲み場などもあるようです。ペットとお出かけしたいという方にはとても嬉しい情報ではないでしょうか。
私はペットを飼っていませんが、ペットがイルカやペンギンなどを初めて見たときにどのような反応をするのかということはとても気になります。イルカやペンギンの反応も気になりますね。ちなみに犬のことが大好きなイルカが油壺マリンパークにいるそうです。

ペット可にすることで、新しい水族館の楽しみ方ができそうですね。
ちなみに鳥類や爬虫類、豚、山羊まで入園できるそう(ゲージは必要)です。心広すぎませんか。
車で大好きなペットとドライブしながら水族館に向かうなんていうのもとっても楽しそうですね。



③コツメカワウソの魅力を引き出す工夫

油壺マリンパークの目玉はコツメカワウソです。
その愛くるしいコツメカワウソを十分に観察するための装置がとても豪華なのです。

このコツメカワウソの遊び場は2014年に作られたようです。コツメカワウソがいる水族館はありますが、ここまでコツメカワウソの展示空間を広くとっている水族館はなかなかないと思います。

そのおかげで泳いだり走り回ったりしている様子だけでなく、寝ている様子も観察することができました。

癒されますね。また、コツメカワウソにタッチできるという幸せなイベントもやっています。

しかし、かわいい、だけで終わるのではなく絶滅危惧種のカワウソをなんとしてでも守らなければいけないなと思います。
コツメカワウソはワシントン条約で輸出許可が必要な動物に指定されていますが、今、密輸が日本で急増しています。先日もニュースになっていました。心無い人たちのお金稼ぎに利用されているのです。コツメカワウソの繁殖は、動物園でないと難しいと言われています。闇ルートで入手されたコツメカワウソは、無理やり繁殖させられ、命を落とすこともあるのです。胸が痛くなる問題です。
少し逸れてしまいましたが、守りたいと思うくらいコツメカワウソの魅力が引き出されていたのです。



④圧巻の大回遊水槽

さて、場所は室内に移動して、衝撃を受けた水槽の紹介です。
油壺マリンパークには、360度水槽に囲まれた夢の空間があります。

階段をのぼると、この空間にたどり着きます。お客さんが少ないのもあって、静かで、暗くて、美しくて、気持ちの良い空間でした。

葛西臨海水族園にも360度水槽がありますが、個人的にはこちらの方が好きです。なんと言っても人が少ないので何回でも自分のペースで自由にぐるぐる回れるのが最高でした。

さらに、ショーではノコギリエイが餌を食べる様子を見ることができました。

これも人が少ないため、良いポジションで見ることができました。
確かに裏側はエイに似ていますね。なんだか強そうです。
ノコギリエイも珍しいと思いますが、もっと珍しい生き物が展示されていました。


三大人食いサメのひとつ、オオメジロザメです。
食べられそう!
ちょっと怖い!
でもかっこいい!

本州唯一のサメで、日本ではここと沖縄の美ら海水族館にしかいないそうです。

こんな幻想的で美しい回遊水槽で珍しい生き物を見ることができるなんていうのも素晴らしい体験だと思います。

私が感銘を受けたのは、この素晴らしい回遊水槽が、なんと50年前から存在していたという事実です。日本の技術力の高さを物語っています。考えてみてください二階部分にこれだけの生き物を展示し、その生き物が泳ぐための海水を何トンも入れなければならない。しかも360度円形に。構造上すごく難しいことだと思います。

というマニアックな観点は置いておいて、とにかく回遊水槽は本当にオススメです!ショーの解説もとても面白かったので、その時間に合わせて回遊水槽に行くのが良いと思います。


⑤クセが強すぎるイルカアシカショー

さあやってきました。
このイルカアシカショーがこの油壺マリンパークの最大の魅力です。
こんな個性豊かなショー、ここでしか見ることができません。
革命が起こっていました。

まず面白いのが劇場型であることです。
基本的に臨海型の、そして分棟の水族館は、屋外(半屋外)にスタジアムがあり、そこでイルカショーやアシカショーを行います。ところが、油壺マリンパークではイルカショーを見るには地下に行かなければならないのです。

なぜ地下なのでしょうか。
雨の日でも楽しめるように屋内にしたのは分かりますが、地下に行くのは不自然です。
考えられる理由としては、
・イルカたちが泳ぐ海水を引き上げるのが難しかった
・劇場というコンセプトのため、アプローチを設けることでお客さんを異空間に連れていこうとした
・1Fに建物を建てると海などの景色を阻害したり圧迫感を与えてしまう
この3点でしょうか。
個人的には海水を引き上げるのがコスト的にも技術的にも難しかったというのが1番大きいような気がしますが、真相はわかりません。他にも理由があると思った方はぜひ教えてください。


さあ扉を開けるとそこにはまさに、劇場があります。
水族館に劇場があるなんて、聞いたことありません。

木が使われていてあたたかい空間で居心地が良かったです。伝統的な劇場のような印象を受けました。
しばらくすると幕が下りてきて、開演するとブーっという音とともに幕があがるのです。そんな演出まで、まさに劇場です。

このショー、内容まで本当に面白いんです。突っ込みどころ満載です。
動画を載せられないのが残念です。
インスタグラムに載せるのでぜひ、みてみてほしいです。

まず、この着ぐるみのペンギンが、なかなか裏に引いていかないのです。
よく喋る。いつまで喋るの?本当にイルカショー?と思うくらいずっとセリフを言い続けるのです。
イルカが出てきても階段に登って動きまわったり、とにかく自己主張が激しい。
アシカが出てくるとアシカが算数の問題を解くのですが(これはすごい)、アシカの失敗をペンギンがもみ消そうとします笑。
クセが強いですよね。本当に面白かったです。

さらに後半は音楽に合わせてオタリアやアシカがDJをしたりピアノを弾いたりするのです。

すごくないですか!

もちろんイルカも素敵でした。

ホームページによると2018年10月からショーの内容が変わっているらしいのですが、面白いことには変わりないと思います。
レーザーなどの最新の技術を使ってパワーアップしているようです。
これは気になる。またみに行きたい。

技術以外の、コンセプトやストーリー、演出の工夫がこのショーの特徴です。
うまく説明しようとしても難しいので、実際に見に行ってほしいです。
動画を見てほしいです。
こんなクセの強いショーは見たことがなく、初めての体験だったので大満足でした。このイルカショーのためだけにもう1度足を運びたいとも思います。
1人でしたが面白すぎて声を出して笑いました。ショーが終わって幕が下りていくときには、笑顔でキャストの方達に手を振り返してしまっていました。
私がおかしいのではなくて(多分)、それくらいショーが楽しかったということです。
元気が出ました。動物だけでなく、キャストの方からも元気をもらいました。なんかすごいパワーがあの空間にはありました。
私が今まで見たイルカショーの中で1・2を争う楽しいショーでした。

イルカショーで「すごい!」と思うことはあってもこんなに楽しい、面白い、クセになる、と思うことは少ないです。京都水族館のイルカショーのハプニング的な楽しさ、面白さともまた違う、努力や工夫を感じる楽しさ、面白さがあります。
忘れられない思い出になりました。





⑥気になる点

そんな楽しい京急油壺マリンパークですが、長く使われていたということもあり、個人的に気になる点もいくつかありました。その中で今回は他の水族館にも共通する2点について話そうと思います。

まずは教育的な側面が強いことです。

このような資料や解説が少し多いことが気になりました。学校教育でくる学生団体や専門的な知識を学びたいという方々には適しているかもしれませんが、海の世界に触れ合いたい一般客からすると少しつまらない空間になってしまっていると思います。文字ではなく映像や生き物の化石など、そういう視覚的に楽しめるものが多い方がその空間にいる利用者にとって良いのではないでしょうか。
もちろん、絶滅危惧種や周辺の海の生き物への理解を深めてもらいたいという気持ちは分かります。私はマニアックなのでそういうコーナーも行きます。しかし私でさえ全ての文章に目を通せませんでした。文章量が多いのです。きっと一般の人は素通りしてしまうでしょう。その空間に利用者がいなければ、水族館側の気持ちを訴えかけることもできません。
だから私はこのような教育的な資料のコーナーを減らしたり、有名な人に文章を書いてもらうなどしたり、動線を工夫したり、展示空間を大きくとったりすることが大切だと考えています。


もうひとつは使われていない空間についてです。
私が行ったのが平日だったというのもありますが、とても良い空間なのに使われていない、適切なスケールではないのではないかと感じるところがいくつかありました。これは長く使われている水族館に多いことです。

その1つがここです。展望台の下です。海に夕日が沈むのも見えます。
とても素敵な空間ではないでしょうか。土日に行われる体験でしか使われていないようでしたが、もったいないなあと感じました。
水槽に限らずカフェやレストラン、休憩スペースなど、人が寄るきっかけを作ることができたらもっと良くなるはずです。

外観はこちらです。
屋上展望台の部分だけが利用されているようでした。


もちろんこれらは個性にも強みにも変えることができると思います。
そういう意味では、京急油壺マリンパークは無限の可能性を秘めていると言えるでしょう。





⑦まとめ

気になる点はありますがそれでも良かったと言えるくらい面白い水族館でした。
良い点が飛び抜けていました。悪い点をも凌駕する素晴らしい魅力が油壺マリンパークにはあるのです。
私はこの水族館に起こっている小さな革命に希望を感じています。
これからもっとパワーアップしていき、面白い水族館に進化し続けていってほしいと思いました。
それができるくらいのパワーは京急油壺マリンパークにあると、イルカアシカショーを見て感じました。

気になられた方はぜひ、足を運んでみてください。神奈川の奥地で起こっている革命を感じることがきっとできます。







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