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ANAジュニアパイロット

今年も迎えた8月12日。

私にとって、忘れられない日。

1985年(昭和63年)8月12日。

日航機墜落事故。犠牲者520名。生存者4名。

私が1人旅に行くと知り、母方の祖母が、機内で食べるようにと、大きなあんパンを私にくれた。

戦争経験者だった祖母は、旅の途中、お腹が空いた時のためにと、気をつかってくれたのだ。

ジュニアパイロットとは、子どもの一人旅のお手伝いをしてくれるANA(全日空)のサービス。(国際線もあるらしい。)

行き先にもよるが、出発から到着までの数時間、1人で過ごす子どもを、航空会社が保護者代わりとなって責任を持つため、大人料金となっている。

そして迎えた出発の8月12日。

下記は、この日に起きた大惨事について、2年前に書いた記事です。

後に、私と同じように、ジュニアパイロット(JALでは『キッズおでかけサポート』)を利用して1人旅に出て事故に遭い亡くなった、同じ年頃の子どもたちがいたことを知った。

ほんの少しの運命の掛け違い。

帰り支度をしている時、水色のリュックサックの中から、母方の祖母に貰ったあんパンを見つけた。

入れっぱなしですっかり忘れていた。

南九州の暑さでカビが生え、父方の祖母に見せると「これはもうダメだ。」と言って持って行ってしまった。

祖母(母方)から祖母(父方)へ渡ったあんパン。

毎年少しずつ遠ざかっていくあの日。

そして、あの日のことを考える度、思い出す、あのあんパン。

あの日亡くなった大勢の人たちへの追悼と、衝撃だったあの夏の思い出。

風化させてはいけない記憶。

今年もまた、8月12日が過ぎていく。



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