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ブゥ家の三兄弟

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【災い】に命を狙われるブタの三兄弟の物語。(1話あたり1,300文字) まちがいさがしがあったりなかったり。
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#オオカミ

のほほん双六 #056 おはなし ブゥ家の三兄弟 09

のほほん双六 #056 おはなし ブゥ家の三兄弟 09

一話から八話までのあらすじ

穏やかに暮らしていたブゥ家の三兄弟。
ある日【災い】という魔物に襲われたところを5人の妖精に助けられ、自分たちが【災い】が不老不死になるために必要なシルシをもっていることを知らされる。

【災い】から逃れるため安全な場所、妖精の村へ行く事に決めた三兄弟は旅の途中で魔女に肉を食べることができない呪いをかけられたオオカミのツキカゲと連れの藍色の鳥ヨツユと出会う。
彼らは願

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のほほん双六 #039 おはなし ブゥ家の三兄弟 08

のほほん双六 #039 おはなし ブゥ家の三兄弟 08

第八話「鈴の音といっしょにやって来たのは」

遠くに聞こえていたはずの鈴の音が僕のそばからも聞こえると気が付いた時、焚き火の炎の明かりに映るそのヒトは微笑みを浮かべて僕を見ていた。

ボロボロの服は土と砂にまみれ汚れている。手には杖。杖に鈴が付いているや。どう見たって怪しいし、胡散くさいはずなのにそのヒトはうららかな日和を感じさせた。
さっきまでの焦りや恐怖がスーッとどこかへいってしまい、僕は不思

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のほほん双六 #009 おはなし ブゥ家の三兄弟 05

のほほん双六 #009 おはなし ブゥ家の三兄弟 05

第五話 オオカミの願い事

お昼もだいぶ過ぎた頃、少し風が出てきた。

「アタシが卵の時にツキカゲに食べられるところだったの。」
「えぇ?そうなの?」
「あとで食べるつもりが、忘れてて…。」
「気がついた時にはアタシが卵から孵化していたわけ。」
「で、ずっと一緒にいるんだ。」
「そうよ、アタシがヒナの時からずっとね。」

あのオオカミのヤツ、うっすら笑顔になっていやがる。
ブゥブブブめ、すっかり仲

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のほほん双六 #005 おはなし ブゥ家の三兄弟_04

のほほん双六 #005 おはなし ブゥ家の三兄弟_04

第四話 そして、出会う

僕たちの背後の茂みがガサガサ揺れだした。リスたちは一斉に木の影へ隠れる。

「来たっ!」とリスたちの声。なにを連れてきたのかわからないままだけど、どうやらヤバそうだ。僕たちは木に登れないし逃げられない、この気配はもしかして…。

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーッ」ブゥブブの悲鳴とオオカミの悲鳴が同時に森の中に響き渡る、ってオオカミの悲鳴?

僕らの前に現れた一匹のオ

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