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岡山にあるカフェadlercoffeeです コラム『読者クラブ』をはじめ喫茶のお供にと思い書いた記事を公開中 哲学とアニメ関連が多めです 映画の感想などもたまに書きます

最近の記事

岡山と桃太郎伝説  吉備の鬼神と吉備津彦 2024.2月無料版

節分が「鬼」を追う行事として我々の生活に馴染み、日本全国津々浦々まで浸透している。  この岡山でももちろん行われているが、この地と「鬼」とは非常に深い縁がある。  「鬼」を追う行事を、鬼退治とした時、岡山の人々であれば特に脳裏には昔話として桃太郎が浮かぶ事だろう。  この桃太郎の発祥の地と主張する岡山には、元になるとされる吉備津彦と温羅の伝説がある。  桃太郎が吉備津彦、「鬼」が温羅とし、昔は吉備の国と言っていたこの地で悪さをする温羅が吉備津彦に懲らしめられるという伝説である

    • 西洋における思想の変換〜美術史と哲学史から〜 2024.7月号無料版

      ハンマースホイというデンマークの画家をご存知だろうか。19世紀後半から20世紀を生きた時代の画家である。代表作「白い扉」は1905年の作品だ。扉や床など書いている物体ひとつひとつを見ると、写実的であり単純に「上手い」と思う。しかしどこか現実離れした雰囲気を感じさせる不思議な絵である。  絵画の世界は19世紀後半というとすでにモネやルノワールに代表される印象派が登場し、更に次の世代であるポスト印象主義のゴッホやゴーギャン、点描で知られるスーラなども登場している。それまでの絵画

      • 経済学的思考と平等〜選択的夫婦別姓と無痛分娩〜

        人には人の思考の癖やパターンがある。あの人はああ言ってるが私はこう思うとか。学問にも例えば社会学はこうで法学はこうで、科学はこうでと色々な思考やパターンがある。では、経済学はどうであろうか?私は経済学的なものの見方は結構好きだ。だから、経済学の思考の癖で物事を考えるのも結構楽しい 経済学と言えば、市場とか競争とかGDPとか物価とか円安とかその他云々と日々ニュースで垂れ流されてるので耳にする機会も多い。でも根本を見れば、個人の幸せについて語られている。経済学では幸せのことを効

        ¥300
        • 白い巨塔 2023年9月号無料版

          ビッグモーターの事件が世間を騒がしている。組織内での権力者との付き合い方や権力とはそもそも何なのか考える時なのかもしれない。抜群のテキストが日本にはある。山崎豊子作「白い巨塔」だ。  私が白い巨塔に初めて触れた作品は平成に放映された唐沢版白い巨塔だ。子供時代から再放送含め何度も見返した。人の正しい生き方とは何かを考えさせられる。大好きな作品だ。子供のころは、里見先生のまっすぐで正義感あふれる生き方が、ヒーローのようで正しいと思えた。しかし、この度また改めて見てみると、まった

        岡山と桃太郎伝説  吉備の鬼神と吉備津彦 2024.2月無料版

          世界遺産検定2級を受けてきました。

          先日世界遺産検定2級を受けてきました。結果は合格でした。81点でした。過去問の感じだともっととれても良いと思ったんですけど、中々難しいですね。CBT試験ってはじめて受けたんですが、結果が直ぐに分かっていいですね。 最近旅行に行けてないなあと思って、旅行気分も味わえて教養も深められる一石二鳥の検定だと思い受験を決意。受験資格のいらない中の1番上級である2級から受けることにしました。 勉強法としては、大体1日1時間、週に4〜5日、テキスト読んだり過去問解いたりしてました。期間

          世界遺産検定2級を受けてきました。

          言語という思考システム 2024年1月号無料版

          恐怖の対象が無いのに恐怖心がある。おかしな逆転現象が起こっている。人は言語の外で思考することが出来ない。言葉の呪縛から逃れられないんだ。だから説明できないことが、世の中にはたくさんあるんだと思う。  最近はchat GPTなんかが世間を騒がせたから、言葉についてよく考える機会が増えた。彼らAIと私たちが使ってる言葉は同じように見える。でもどこか人間らしさみたいなものが彼らには無くて僕らにはあるんだ。この人間らしさたらしめてるものって何か、少し考えてみた。  ある人はこう言

          言語という思考システム 2024年1月号無料版

          高畑勲の『かぐや姫の物語』を最近になってようやく見た感想

          ここ最近、自分の考えをまとめるために宮崎駿の『風立ちぬ』を見た。その時にそういえばまだ高畑勲の『かぐや姫の物語』を見ていないことに気づき、すぐさまレンタルビデオ店に駆け込んだ。もう10年以上前の作品を今更感で感想を書いてみる。あくまで一回見た後の軽い感想を書いてみる。 まずファーストインパクトはあの絵だ。日本画のような仏画のようなタッチで、人物の細かな動きや布などの動きをアニメで表現している。単純な美しさと、現代では見慣れた綺麗なグラフィックのアニメと違う、全く新しいアニメ

          高畑勲の『かぐや姫の物語』を最近になってようやく見た感想

          カントのコペルニクス的転回と抽象絵画~対象物の無い世界~

           「悟性は、その法則を自然から汲み取るのではなく、自然に対して法則を課すのである」  プロイセン、ケーニヒスベルクの哲学者カントの言葉である。カントの有名な言葉と言えば、「コペルニクス的転回」がある。簡単に説明すると、対象が認識をつくりだすのではなくて、人間の認識能力が対象を構成するということ。「対象→認識」という構図を「認識→対象」とひっくり返したことを「コペルニクス的転回」と名付けた。カントは主著である三批判書で、人間とは何かについて深く考察した哲学者であるが、その最後の

          カントのコペルニクス的転回と抽象絵画~対象物の無い世界~

          美について 猫と哲学者と『風立ちぬ』

          毎朝決まって朝5時に起こされる。激しい鳴き声だ。特に用事はない。強いて言うなら、私を起こすことが目的なんだろう。まだ寝ていたい。疲れているんだ。起こさないでくれと思いながら目を開けると、甘えたそうな顔をこちらに向けて、また鳴いてくる。かわいい。なんてかわいいんだ。 猫は美しいと私は思う。顔も一つ一つのしぐさも、とても美しい。私を起こすだけ起こして自分は寝てしまうこの猫に煩わしさを感じつつも、その美しさに魅了されてしまう。この気持ちはいったい何だろうか。美とはいったい何なのか

          美について 猫と哲学者と『風立ちぬ』

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          皆様初めまして。岡山にあるカフェadlercoffeeの店長ツバサです。ドイツ風カフェをコンセプトに営業させてもらってますカフェですが、喫茶のお供に何かコンテンツが欲しいなと思って数年前に店内用で好きな本やアニメや映画など様々なジャンルで記事を書いていたのですが、数年もしていると結構記事も溜まってきたので、過去の記事を再編集してこちらで投稿するのも良いなと思って初めて見ました。noteにのみ投稿しようと思ってる記事もあるので、是非覗いてみて頂けたら幸いです。

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