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端的な客観的表現(ex.情動脱力発作)

まえからのおもひ
自分で言語化が難しい症状に似た名前や説明文を見つけて、表現の幅が広がってうれしかった


いつもの、おもひの提示↑↑だけでも長いのに、本文はさらに、つらつらだらだら、脱線だらけで長いです. よく分からないたとえもあったりします.

【わたしの症例】
過呼吸持ち.(過呼吸というか呼吸困難…?)
事前に、自分で「あ、起こしそう」という予感を持つことがある.
適切に対処できるときと、できないときがある.

押さえつけたパニック・混乱・息苦しさなどを過呼吸という形で放出できず、積もっていくストレスを支える糸が何かの拍子で切れ、大放出されたときに、気管を絞められたような呼吸困難におちいる.

立て直しを焦ると呼吸困難は長引く.
息が整うのを待つ間、意識ははっきりしているので、「苦しい」と同時に「ごめんなさいごめんなさい」と呼吸を落ち着かせながらずっと思っている.

ときどき、呼吸困難ののちに、筋肉が弛緩して立っていられなくなることがある.
30分ほど身体にちからが入らない.
過換気による体内の酸素・二酸化炭素濃度のアンバランスでのしびれとは異なる.
過呼吸とはべつなのか、過呼吸に関連するのか、断言していいものか曖昧.


りん、倒れる、の8コマ

1コマ目で対処できればいいかなぁ.
2コマ目で、人に迷惑をかけないため&人前で過呼吸にならないために我慢するとこも、あとあと考えるとよくないよなぁ.
8コマ目はいつも後悔と諦観と自嘲. 予兆あったのに防げなかった……、これで数十分は床の上なのか、と.



◆意味不明な現象を、自分でうまく表現できない

過呼吸持ちだと開示する必要がある場合、「どんなときに、どんな状態になるの?」と聞かれる.
語彙力がないことにほろりと胸が揺れる.

「えっと、緊張が続いたあと、ふっと緊張が切れたときです.」
「首を絞められたみたいに息ができなくなるんです」

その場では、ふんわりと伝わる.
しかし、実際に起こった現場では、相手がものすごく戸惑い、そうとう驚かれる.(いや、逆の立場なら、わたしとて、事前に知っていても慌てる)

わたし自身が驚き、困り、戸惑ったのは、初めて、「過呼吸でうずくまる経験」を超えたとき.
いつもの呼吸困難と同時に全身の力が抜けて地面に倒れ込んだ.
身体は弛緩してまったく動けない、どういった状況なのか分からなかった.
一方で、意識も視覚や聴覚も変わらず、物事を妙に冷静に考えていた.

「えーっと、なんでこうなったんだっけ. あれ? 手足動かないわ.なんで? まあじっとしとくしかないよなぁ、時間が必要なのでしょう」

運良く周囲に人がいなかった.
身体に力が戻るのを焦らず冷静に待ち続け、徐徐に元に戻した.

自分でも、体に起きている事象がはっきり分からないため、分かりやすく簡潔に言語化するというのは、本当に難しい.
はっきり分からないけど「救急車を呼ぶような緊急事態ではないと確信できる」.
緊急性はないと確信できるけど「見られれば周囲に不安と心配を感じさせてしまう」.
周囲に迷惑をかけたくない. いったいどうしたものだろう.


◆自分に似た病態を知ったきっかけは、小説

書籍名:夢探偵フロイト―てるてる坊主殺人事件―
著者名:内藤 了 氏
出版:小学館

P167~(かぎかっこ内は引用です)
場面:ある実験の被験者の中に様子がおかしい人がいると聞いた主人公たちが洗面所に駆けつけると、被験者のひとり・翠が鏡の前で棒立ちになっており、声を掛けても微動だにしない.
「両目を開いているが、焦点が曖昧で表情もない。」
「魔法を掛けられて石になったか、それとも、翠の時間だけが止まってしまったみたいだ。」 
何をしても反応しない彼女の背中をフロイト(心理学教授)が強く叩くと、かなしばり状態が解け、「彼女は突然腰から砕けた。」
ベッドに運ばれた翠は、しばらくするとけろりとし、「『聞こえてはいたのよ、みんなが呼ぶ声。』」と話した. 
のちにフロイトは、主人公たちに、彼女が睡眠障害を持っており、先程のは情動脱力発作かもしれないと説明する.
「『白昼夢を見ている最中に、ぼくに呼ばれたことがショックとなって、筋肉が脱力して』」しまった状態だと続けた.


◆情動脱力発作
睡眠障害および覚醒障害における症状
narcolepsy ナルコレプシーのひとつ
‘‘一時的な筋力低下または麻痺が生じ,意識消失は伴わない;突然の感情反応(歓喜,怒り,恐怖,喜び,しばしば驚きなど)によって惹起される。
筋力低下は四肢に限局することがある(例,釣り餌に魚が食いつき当たりがあったときに釣り竿を落とす)ほか,思い切り笑ったり(「笑いすぎて力が抜ける」ように)突然怒ったりしたときに,筋力低下が原因で崩れるように転倒することがある。情動脱力発作はその他の筋にも起こりうる:顎の下垂,顔面筋のぴくぴくした痙攣,閉眼,うなずくような頭の動き,および言語不明瞭が起こりうる。こうした発作は,レム睡眠中に生じる筋緊張消失に類似する。‘‘

引用「MSDマニュアル プロフェッショナル版 / 07. 神経疾患 / 睡眠障害および覚醒障害 / ナルコレプシー」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
2022/09/29閲覧


◆意味不明な現象→小説→病態調べ→診断名
 ほしかった答えは「共通語」

上記以外のほかの文献でも、情動脱力発作の詳細は具体的に明文化されていた. どんなことが引き金になるのか、力の抜け方の程度も.
読みあさりながらふと、わたしの診断書に、睡眠障害の文字があったことを思い出す.
負の循環を作っているのが依存物質と生活習慣なのだからと、睡眠障害を自分に引き寄せて考えてこなかった.

後日、主治医に小説から得た「発見」を伝えたところ、「しっくりくる.字面からもね」と言われた.
わたしがほしかった答え、状態説明に焦点を当てたとき、ヒントは意外と近くにあったのだと、苦く笑った.
医学的に睡眠障害やナルコレプシーたちが、わたしの体験する状態と合致するかはわからない. 世の中にはこういう状態がある、それに似た体験を自分がしているというだけ.
共通語が見つかって、「こんなイメージです」と、日本語の表現が広がったのがうれしかった.

端的というところから言うと、かなり極端で奇妙な、へたっちょなたとえだが、見知らぬ人に、「あっちに、水に潜れるけど陸を走ることもできる、大きな身体の、口が大きくて牙がいっぱいある生き物がいるから逃げましょう!」というよか、「あっちに空腹の、わにがいます! 逃げましょう!」という利点をわたしは感じた.


◆現在、チェックリスト所持

情動脱力発作について調べると、チェックリストもヒットしました.
印刷して自分でチェックを入れ、持ち歩いています.
自作のヘルプマークですね.
人前で脱力発作が起きても、だいじょうぶだと他者に伝わるように.
少なくとも自覚と意識があるうちはできるだけ人に迷惑かけたくないのです…….

ちなみに、わたしがいいなと思って使用させていただいたのは、

渋谷長寿健康財団   睡眠サポートセンター
大田 浩右 氏  2013 年 3 月 9 日作成
情動脱力発作問診票       
参考)ナルコレプシーの診断治療ガイドライン 2010
です.

2022/06閲覧


◆おしまいに
しめにたどり着くまで難儀しました.
というのが頚肩腕症候群らしき状態になってしまいまして.
ちとやり過ぎました、パソコン打ち込み作業(;_;)
今後は慎重にしていきます.

ここまで読んでくださってありがとうございました.

これ、絶対書いて広めたい内容だったので、どなたかに読んでいただけたなら幸いです.
内容もですし、「言語化しにくいもやもやに付けられた名前がある」の一例を広めたい、というのもひとつでした.

今夜も無事に一夜を過ごせますように.

最後に、読者さんに、ひとつだけお願いしたいことがございます.
もし説明の部分にまちがいがありましたら、ご指摘とご教授をどうぞよろしくお願いいたします.

私的メモ
要読み返し、誤字脱字、伝えたいことOK?

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