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夫婦喧嘩が起こる構造に結婚40周年越の両親を見てやっと気付く

久しぶりに両親に会う

年老いた両親、なんて言うのも心臓に悪いから結婚40周年越えと言い換えてごまかす。

父とは実に5年ぶり、母とは4ヶ月ぶり(私だけ会ったので子どもたちは1年ぶり)に会って、やっと下の子はじぃじとの対面を果たした。

父も母も、父の母つまり私の祖母98歳の介護があるから普段気の抜けない忙しい日々を送っているが、祖母が褥瘡治療で入院中とのことでようやく孫との対面に至った。

孫もできて、両親としてはもう私は完全に「あがり」である。

喧嘩の多い両親

結婚が33歳の誕生日の私。
両親は昔の人なので、完全に私は行き遅れた人だった。20代最後の頃、結婚相手がいない中で両親からの圧力に耐えて耐えて、辛い日々を送っていた。

「結婚したいと思えるように育てて欲しかったよ」そう思っていた。

なぜなら、私の両親は、ずっと喧嘩ばかりしているから。結婚は、幸せをもたらさないとずっと思っていたのだ。

私は昔、母から父の愚痴を聞き、父から母の愚痴を聞き、2人の夫婦喧嘩を聞いて育った。

両親の喧嘩の内容はずっと同じ

主な訴えは。
母「父がケチで頑固、だらしない、古臭い考えを押し付けてくる家柄にうんざり」等
父「母が細かくてうるさい、怒りっぽい、お金がかかることを好む」等

両親が子育てが終わった(私の弟も、子どもはいないがマイペースに楽しそうに生きてる)ことでやっと2人の生活が落ち着いたのでは?

そして、父親が仕事を引退したことで夫婦が協力し合い、少しはお互い楽しく生活しているのでは?

更には、うちに子どもが2人できて孫の写真で和んでくれているのでは?

と、勝手に想像して、いや、勝手に両親が仲良く楽しく過ごしてくれていると願ってここまで来た。

でも、どうやら違うみたいだ。

久しぶりに会うと、父は母がいないところで「いつもお母さんに怒られながら、オレはおおらかに対立をさけながら、思い込みが激しくて怒りっぽいお母さんを受け入れつつなんとかやっている」と皮肉を言っていた。30年前や25年前と変わらないのである。

母も母で、以前2人で会った時、やはり「お父さんはがんこで、田舎の価値観で私が悪者扱いされる」と言っていた。やっぱり、30年前や25年前と変わらないのである。

年季の入った夫婦喧嘩、気づいたこと

夫婦喧嘩しながらも、まあ、2人でそうやって生きてるのかな、別れないってことはそれでもいいと思っているのかな、と見逃すこともできる。

けど、ここに来て気づいたことがある。
父と母の喧嘩は、構造上終わることがないだろう、と言うことだった。

夫婦喧嘩の構造を読み解く

父は、あまり後先を考えてなく、未来をデザインする意思もない。が、いまそこにある状態や自分がいる場所とか価値観には、不思議なくらいしがみつく。人付き合いは好きではなさそう、というか、言葉のコミュニケーションがうまくない。

母は、状況を見てどうしたい、どうしていきたい、といったことを意思を持って決めるタイプ。様々なことに興味を寄せ、人付き合いも好きで価値観もアップデートされている。

よって、母は父にイライラする。父は母に上手に歩み寄れないし、母はそんな父に諦めもありつつ割り切れるほどドライではない。

母は常に高度なレベルで我慢している。よって、父が散らかすとか、テキパキ動かないとか、些細なことで容易に臨界点を突破してしまう。

父は一方、なぜ母が怒るかの真相を理解していない。父の価値観に対する執着は強く「そうでない価値観」の人の意向や、その背景にある論理(社会の状況や、世間の動向など含めて)を頭にも入れず、噛み砕けないため。そこで、母が些細なことでキレる、と言う部分だけに振り回されながら人生の大半を過ごしている。

そんな怒りっぽい母を支え、共に生きていけるのは自分だけど思っているようにさえ見える。

父親もそりゃ、我慢の人生だ。得意ではない人間関係、うだつの上がらないサラリーマン人生、転勤族で長年の単身赴任でと土地的な足場が実家だけになって、長男に丸投げされた介護の負担もある。

母親は、夫に黙ってついて行くタイプでなく、自分で考えて弁も立つタイプ。

はぁ…
母が黙って男についていくタイプだったなら!
父が柔軟に母の意向を取り混ぜライフプランを練られる人だったなら!

少しは、角と角がぶつかりすぎることなく、もう少し平和になるだろうに。

なんとも、残念な夫婦喧嘩の継続的量産体制に、気づいてしまった私自身ががっかりである。

両親の喧嘩の構造に学ぶ

本人たちが困っていないならいいけども、結婚は合意で成立する前提なのでいつでも切れるのに…と言ってあげたい。

しかし、もうここまで来ると、縁が強すぎて切れることはないのだろう。

私は、夫婦喧嘩は構造上の欠陥ゆえに発生するとの発見をしたことで、自分の夫婦関係に活用する知恵を考え始めた。

うちも、夫婦喧嘩はするけど、私が一方的に非難されることが多い。私は争いが好きではないため。そして、非難される内容は、「私の無知」であることが多い。

同意するかは別として、「話さえ通じない」ことが夫を最もイライラさせるのである。

これを放置すると、私は自分の父親と同じになる。

そして、父と母と同じ構造に陥る可能性が高い(父と話が通じない母の絶望たるや)。

よって、私は夫の主張に耳を傾けて、ある程度理解をする努力が必要だ。できたら夫の願いが叶う方向で調整できたらとてもよい。されば喧嘩を助長する構造を強化せずにすむ。

夫婦の仲がぎくしゃくするときは、疲れてるとか余裕がない、とかの原因を取り除くのがまず大切だと思う。

そして、溝が生まれる「構造」がないかをよくチェックしよう!と思った。

アウトオブボックスで考えられないと、むしろ、構造の中に頑なに居続けることになり解決が遠のくので注意が必要だ。

まさに両親は人生の師である。
ありがとう、お父さんお母さん。

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