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男同士のうすきみ悪い約束 〜嗚呼、職人の絶望日記〜

昔、京都で新卒入社した時の同期が大阪に戻っていて、久しぶりに遊びに来てくれるという。有無を言わさず、「キャンプな」とメールを送った。

しかし、当時一緒に働いていた会社の先輩方と、軽くお酒を伴うであろう食事に行く予定もあった。

そこでナイスアイデアが浮かんだ。

お酒を飲むと車に乗れないなら、お酒を飲んでから歩いて行けるどこかの山でキャンプをすればいいではないか。

我ながら柔軟な発想には脱帽した。

当日の夕方、京都のビジネス街である烏丸御池にテントや寝袋一式を詰め込んだ大きなザックを背負って集合したぼく。
同期と先輩を含めた4人で楽しく呑んだ。
そして10時ころに早めの解散をして、キャンプ地へと向かった。

まったく、京都は素晴らしい。
ビジネス街で食事をしてから歩いてキャンプが出来るだなんて。

あまりの素晴らしさに、「山頂で午前0時に京都タワーの消灯の瞬間を見届けよう。」などと言っていた。

まったく、素晴らしい夜だ。


いや、まったく、、、
やっぱり歩いて行くのは遠かった。

ヒーヒー言いながら京都の某山頂に到着したのは夜の1時を過ぎていた。

男同士の薄気味悪い約束はついに叶わなかった。

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。