ファッションにおけるD2Cとは結局何だったのか?
こんにちは。ワタクシ、OEMアパレルの会社をやってるmasashi kugeといいます。
この記事がNOTEデビューです。不慣れなところがめっちゃありますが、お目汚し程度に読んでもらえたら幸いです(笑)
さて今日は、ファッションにおけるD2Cに関して考察してみようと思います。D2C( Direct to Consumer)は2007年頃に米国で始まり、2014年頃に急速に拡大してきたビジネスモデルです。定義は以下を参照ください。
新しい消費の価値観を持つ ミレニアル世代 以下のターゲットに対し、 ユニークな世界観を下敷きにしたプロダクトとカスタマーエクスペリエンス、SNSや店舗を通じた顧客とのダイレクトな対話、 垂直統合したサプライ チェーンを武器に、VC から 資金調達を行い、 短期間に急成長を目指す デジタル& データドリブンなライフスタイルブランド
出典:佐々木康裕氏著 . D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略
個人的には、ファッションに限らず、SNSやテックを活用したブランディングと小売事業モデルを指すと思っています。
D2Cという言葉って陳腐化してない?
このコロナ禍で、実店舗は休業を余儀なくされてるところも多いです。
正直、ファッションなんてものはまさに不要不急でして、「今ないと困るんですよ!」ってほど優先度が高いものではないですね。
そのせいもあって、ファッション業界全体で売り上げが落ち込んでいます。
そんな状況ですから店舗はもとより、その店に商品を生産して納める業者さん、問屋のような中間業者さんにいたるまで非常に厳しい状況のところが多いです。
そんなファッション業界の皆さんはWEBでの売上と収益の拡大に活路を見出し、オリジナルの直販に乗り出してきているのが、ここ最近の流れになっています。
勘の良い方はもうお気づきかもしれませんが、自社で企画した製品を、WEBを介して直接消費者に販売する...
一応、D2C( Direct to Consumer)という言葉の意味が通ることになります。
これは私の周りだけかもしれませんが、えてしてファッションの業界の人は流行りのワードを好む傾向があります。(とくに上のジェネレーションの方々に多いイメージかな笑)
もう、お分かりかと思います...。
「D2C はじめました。」となるわけです。
結果的にこれが「D2C」という言葉が巷にあふれてしまった一因になってるのではないのでしょうか。
何か大事なこと見落としてる?
中小企業の規模ではなく、皆さんが知っているような大手小売の企業でも、最近になってD2Cのブランドを立ち上げているところがあります。
そのブランドについての記事を読んでみたものの、
「デザイナーには⚫⚫氏を迎え...」
「働く女性を意識した...」
率直に感じたことは「…んん?今までのと何が違うの?」です。
さて、ここで先ほど引用しましたD2Cの概念の一部分を再確認すると
SNS や 店舗を通じた顧客とのダイレクトな対話
とあります。
ここで見落とされているのが、「対話」の部分です。
Web直販に参入される業者の多くは「ダイレクト・トゥ」の言葉をそのままにとらえ、消費者へのダイレクトアプローチの手っ取り早い手段という認識が強いように見受けられます。
もちろん全部が全部ということはないですよ笑
ただ、D2Cの一番の肝となる消費者・お客様との対話、良い関係作りが疎かになっているんじゃないかな、と感じられることは多いです。
「D2Cはじめました。」って言われて 「じゃあ買います」ってならないですよね笑
D2Cで一番大事な要素は「対話」
D2Cは既存のビジネスモデルと異なり、相互的に意思疎通ができるので共感を得やすかった部分が大きかったんですね。
事業の想いに共感してもらい、消費者・お客様と一緒になってより良い製品をつくりあげていく。その過程で拡散され、ブランディングにも良い影響がでます。
実際、ファッションの分野で言えば、FABRIC TOKYOさんや、noteでも継続的に記事を書かれているfoufouさんなど
成功されている事例もたくさんあるわけです。
私は ブランディング = 信用の構築 だと思っています。
継続的に想いを発信し、お客様と真摯に対話を続けることでようやく得られるものです。
もちろん、それには時間がかかります。
流行り言葉の上澄みだけをとらえて、美味しいとこどりだけしようとしても続かないもんです。
じゃあ、今後どうなるの?
D2Cという言葉自体はいつの間にか忘れられていくんじゃないかと思っています。
ブラックフライデーみたいに笑
D2Cという言葉は残らないですが、概念やノウハウは残っていくんじゃないでしょうか。
信用の構築というのはその規模に関わらず、すべての事業における普遍的な課題です。
一昔前のブティックと呼ばれていた個人営業の店だって、常連さんがいて成り立っていたわけです。
店主さんが常連さんと会話する中で、その好みを把握し、これなら買ってくれるんじゃないかなという商品を仕入れておススメする。 常連さんは自分のことを知ってくれるだけでも嬉しいでしょうし、おススメという有益な情報をもらうことで満足感も得やすくなります。
それが時代の流れとともにWEB上に移っただけのことです。
情報の発信は格段にしやすくなり、消費者にリーチする機会も増えていますので、以前より集客は容易になっています。
伝えたい想いを明確にし、対話をつづけること。
遠回りではあるけど、それが事業を継続する上での一番の近道ではないでしょうか。
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