シューマンのバッハ、楽譜のこと
シューマンがバッハの無伴奏チェロ組曲のピアノ伴奏の作曲に取り組んだのは、1853年の3月から4月にかけてのことだった。
すでにヴァイオリンの為の無伴奏ソナタとパルティータ全曲のピアノ伴奏版がブライトコプフ社から出版されることが決まっていたが、チェロ組曲の方はそもそも原曲が一般に知られていないせいか、なかなか出版先が決まらなかった。
その年は9月に新星ブラームスの突然の訪問に見舞われたりなどして、自分が大変だったこともあったかもしれない。しかし、ブラームスが帰った後、シューマン