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教員として見つめた学校の現実、CPFでつくっていく学校の未来

家族で大阪から島根・松江にUターンし、2022年4月に地域・教育魅力化プラットフォーム(以下CPF)に入職した鈴木雅子さん(以下まこさん)。バックオフィス業務を担うまこさんは元小学校教諭という経歴を持ち「生まれる場所は選べないし救い方は分からない。それでもせめて学校という場所では楽しい時間を過ごさせてあげたい」と話してくれました。そんなまこさんにこれまでの経歴や教育に対する想いについてインタビューさせて頂きました。(インタビュアー 樋野奈々彩)


▼「松江で子育てをするため家族でUターン」

─まこさんはもともと松江のご出身と伺っています。いつ松江にUターンされましたか?

今から11年前にUターンしてきました。もともと高校3年生までを松江で過ごし、大学進学と同時に大阪で暮らし始めました。そこで出会った旦那さんと大学卒業後に結婚、子育てをしながら約8年間大阪で暮らしていました。それから毎年、年末年始と夏の花火大会「水郷際」の時期には家族で松江に里帰りをするのが習慣になっていたある時、旦那さんが「松江で子育てをしながら自営業をしたい」と言い出しました。向こうですでに家も買っていたので私は驚きましたが、都会のサラリーマンとして忙しく働いていた旦那さんがとにかく松江を気に入っていたので、今から11年前に家族で松江へUターンすることを決めました。

─子育てをしながら暮らす約8年ぶりの松江の街はどうでしたか?

祖母が暮らしていた空き家に暮らしながら、30分車を走らせれば海にも山にも行ける生活の中、人の量もちょうと良くて心地よく、やっぱり松江が好きだなと改めて思いました。さらに感じたのは、時間の流れ方の違いです。都会とは違ってとにかく時間が穏やかにゆっくりと流れていくような感覚がありました。

▼「子供たちに伝えたかった“できないことは悪いことじゃない”」

─キャリアに関しては、子育てをしながらこれまでどんなお仕事をしてこられましたか?

もともと大学では小学校の教員免許を取っていたのですが、大学卒業後にすぐに教員になることはなく、ずっと興味のあったインテリアショップで働いていました。そこから大阪では結婚して子育ても始まったので、専業主婦をしたりケーキ屋さんで働いたり社長秘書のお仕事をしたりと様々で、基本的に仕事は子供中心の生活に合わせたものになりました。そこから松江にUターンした後、松江市には「スクールサポーター」という制度があり、小学校低学年児童の副担任的な役割があることを知りました。これだ!と思い、大学時代に取得した教員免許を活かしてスクールサポーターになりました。「できないことは悪いことじゃない」そう伝えるため児童と丁寧に向き合うことを意識していました。しかし学校の教員不足から教科授業も担当するようになり、最後の方は授業が中心になってしまっていました。実際に教科担当になると、授業の進捗や成績を求められるのが現実で、以前のように一人一人と向き合うのが難しくなっていきました。

─どんなきっかけでCPFに入職することになりましたか?

小学校教諭として思い悩んでいた頃、もともと知り合いだったCPF職員のミスター(長島あゆみさん)から声がかかりました。CPFの取り組みを聞いても、正直すぐには事業のイメージがつかなかったですが、話を聞けば聞くほどわくわくして、自分の世界が広がりそうだと感じ、とにかく飛び込んでみることにしました。

▼「生まれる場所は選べない。せめて学校では楽しい時間を過ごさせてあげたい」

─現在、まこさんはCPFではどんな取り組みをされていますか?また、入職した1年半で感じた変化も教えてください。

現在は、「地域みらい留学事業」「コーディネーター採用・配置事業」「見える化評価事業」のバックオフィスを担当しています。コーディネーター採用・配置事業の立ち上がりと同時に入職して約1年半一緒に事業をつくってきましたが、コーディネーターという職業が全国に広がっていっている様子を目の前で見てきました。今では全国で約250人の高校魅力化コーディネーターが活躍しており、その人たちが高校生の学びの支援や地域活動参加の伴走をしてくれていることは本当に頼もしく感じています。最近では、地域みらい留学の卒業生が社会人になり地域みらい留学校のコーディネーターになるという実績も生まれて、本当にうれしかったです。少しずつではありますが、自分自身が教員時代に伝えたかった「できないことは悪いことじゃない」というメッセージが伝えられる教育現場に変化してきていると感じています。

─まこさんがこれから叶えたい夢はありますか?

叶えたい夢はたくさんあります。まずCPFの事業の中では、本当の意味での生きる力を身に着けられる「地域みらい留学」をもっと全国に知ってほしい、広がってほしい、そして当たり前になっていってほしいです。そして個人では、サードプレイスや子ども食堂、実家の母がやっている松江市内の高校生の寮のハウスマスターにもチャレンジしてみたいです。さらにもう一方では、今のこの感覚を身に着けて再び教員に戻るのも面白そうだなと思っています。これまで様々なバックグラウンドを持った子供たちと関わる中で感じた「生まれる場所は選べない。せめて学校では楽しい時間を過ごさせてあげたい」という気持ちを体現できるよう、これからもたくさんの人と関わりながらたくさんの経験がしたいです。

─最後に、これからCPFにどんな仲間が増えて欲しいですか?

私自身がこれまで常に、直感で生きてきました。CPFに入ったのもまた、わくわくという直感からです。本当にここにはいろんな人がいて、他では出会えないような人たちがたくさんです。だからこそ、直感でここに来たいと思った人はみんなウェルカムです!私自身もここでまだまだいろんな人と出会いたいので、CPFでお待ちしています!

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