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フィルモア通信 New York

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#英語

フィルモア通信 New York  No23 Charlie Chan

フィルモア通信 New York No23 Charlie Chan

チャーリー・チャン、シャーリーテンプル、ステットソン。

 ぼくは次の二ブロック先の角を曲がり自分が住むストアフロントへ車道を横切りながら、チャールスを思いだした。何か月か前にぼくはここで家から出る時、東四丁目をセカンドアヴェニューの方にゆっくり歩いてきた彼に会った。

 半年ぶりくらいに会った彼は痩せてはいたが赤いセーターも似合う相変わらずかっこいいダンディだった。「チャールス!」と声をかけると

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フィルモア通信 New York No22 on the corner

フィルモア通信 New York No22 on the corner

路上にて 

 毎夜ヒューバーツの仕事が終わると帰る方向が同じペイストリーシェフのジョン・デューダックとグラマシーパークから南へイーストヴィレッジのほうへ歩いた。

 サードアヴェニュー東14丁目で別れるとセントマークスプレイスを左に曲がりファーストアヴェニューまで突き抜けると東4丁目にある自分のアパートまではすぐだった。

 そのファーストアヴェニューと東4丁目の西南のコーナーにコリアングロサリ

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フィルモア通信 New York No8 レン アリソンとカレン ヒューパーツ

フィルモア通信 New York No8 レン アリソンとカレン ヒューパーツ

 カレン・ヒューバーツ女史とレン・アリソン教授

 ヒューバーツレストランはカレンとレンの二人がまだブルックリンの小さなアパートに住んでいた頃、自分たちの部屋にに友人たちを招きカレンの料理をレンがもてなして、アメリカ料理の変遷や歴史、地方料理の歴史やアメリカ文学史を語るという、英文法の大学教授らしい彼の料理に対するアプローチが文学や造形、絵画のアーティストに受け、だんだんと評判を呼びカレンの両親の

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フィルモア通信 New York NO7        ダグマール

フィルモア通信 New York NO7     ダグマール

 スカンジナヴィアの名前のとおりにダグマールは北欧女性のように肌が白くブロンドの髪が輝いていた。ブラジル人らしく陽気で、笑うと青い瞳が細くなった。

 ローウァーイーストサイドの英語学校で知り合ったころ、ぼくらは二人とも仕事が無かった。彼女はブルックリンに住んでいた。
 
 ぼくよりも数段英語が出来たが仕事は見つからなかった。お金を貯めてカレッジに行きジャーナリズムを勉強するのだと言っていた。サン

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