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双子の君に、君がすきって言われた。

この世の中には、自分に似た顔の人間が3人

いるらしい。

子供の頃、家族で山荘に出かけた。

新潟県の赤倉あたり。

しなの鉄道に乗っていたら同じ場所に行くらしい

双子の男の子と知り合った。

男の子たちのお母さんがほら、ここに座ったらって

わたしを彼らの前に座らせてくれた。

キャンディが好き? とかトマト好き? とか、

言うので、好きって言うと必ずぼくもってはもる。

好きなものを言い尽くした後、車窓を見ながら

雨が好きってひとりの子が言った

山荘に行くと、白樺の木立が林立していた。

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何日もその家族たちと遊んでそこを後にする日。

双子のひとりの子が、白樺に片手を預けながら

わたしにすきって言った。

うれしかったけど。

ただ、彼ら双子のどっちにすきって言われたのか

わからなかった。

その後、双子のお母さんと話していたら、

似てませんよ全然違いますよ

親だからわかるんですって言われた。

双子は、已己巳己いこみきではない。

母としての歳月がそう語っていた。





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