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留学中のメンタルを救ったもの

日本を離れ、海外で暮らし始めるという事には結構なストレスが伴うのだけれど、私も御多分に漏れずなかなかのストレスを感じたものだ。このストレスはメンタルが強いとか弱いとかの問題ではなく、新しい環境に慣れるまでの心の準備運動のようなものかも知れないけれど。最初の語学留学の時は、日本から友達と二人でアメリカに向かったので、様々な環境の変化にも互いに協力し合える仲間がいたことで相当助かったことを憶えている。逆に半年間の語学留学を終え一旦帰国した後、一人きりでアメリカのコミュニティーカレッジへ入学するため再度渡米した時の方がかなりのストレスを感じたものだ。英語はそれなりに話せるようにもなっていたし、アメリカでの暮らし方もわかるようになっていたけれど、たった一人で新しい土地に降り立ち、様々な人の協力を得ながら住む場所を探し学校生活をスタートさせるまで、本当にきつかった・・・・。当時はインターネットもスマホもなく、気軽に友達とコミュニケーションなど取れない時代だったのだ。住む場所が決まってからも、学校が始まるまでは一人の時間が多く、あまりの孤独に私が手を出したもの。それは「チョコレートチップクッキー」だ。

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何かを食べていれば心の隙間が埋まると思っていたのだろう。一番食べていたのはチョコレートチップクッキー。一袋を毎日開けていた。あー、美味しかった☆体は信じられないほど大きく太ってしまったけれど、あれはあれで良い経験だったように思う。留学初期の孤独というメンタルを救ったのは、チョコレートチップクッキーという名の「過食」だった。そんな時期もあるよね・・・。

カレッジに入って生活にもすっかり慣れたものの、ルームメイトとの関係や、当時の恋愛云々でメンタルをやられる時も多々あった。若者が集えば、そりゃ色々あるさ。若くなくても色々あるけれど。もう太るのはただただ体に負担だったので、次に私のメンタルを救ったものは車だった。車というか、「車を運転すること」だったかもしれない。アメリカで初めて運転免許を取得し、車を運転することを始めたのだけれど、これは本当にメンタルが落ちた時に効果的だった。特に人間関係で悩んでも、車の中に入ればそこはたった一人の世界に早変わりだ。好きな音楽をかけて自由に動き回れる。食べたり飲んだり歌ったり、そして泣いたり。最高だ☆車を買ってくれた親に感謝してもしきれない。

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そして帰国を前に、私は日本に戻れる嬉しさと共にもうアメリカを離れなければならないという思いで心にぽっかり穴が開いた時期があった。またいつアメリカに戻ってこられるのかも分からず、日本でこれからどうやって生きていけばいいのかも想像ができずにいた。そんな私のメンタルを救ったもの。それは「Nature=自然」だ。なんだかいつの間にかアメリカですっかり年を取ってしまったように感じたけれど、カリフォルニアの太陽、海、植物、山、風。一人でドライブしながらのんびりと眺め、触れ、味わった自然こそが私の落ち込んだメンタルを救ってくれたのだと思う。

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結局、一人で自分と向き合う事が一番メンタルに良いのではないか?と思う。自分との時間を作る。どこにいても煩わしいことや思い通りにならないことがたくさんあるけれど、たまにやって来るメンタルの落ち込みも人生のスパイスだろう。「一人の時間」。これは今の時代とても贅沢な時間になってしまったけれど、健康的なメンタルを保つためにもできるだけこの時間を持ちたいと改めて思うのだ。

今の留学生は何をして時間を過ごしているのだろう?SNSもメールも電話もチャットも、WiFiがあれば何だって気軽にできるなんて、とても恵まれているような、そうでもないような。でも、例えすぐに誰かと繋がれる時代でも、海外に出ればそれなりの苦労はどうしても付いてくる。それを楽しめるのも「海外留学」の一つの醍醐味だと私は知っている。

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