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海外から日本のネットワークにつなぐ(9)

前回、VPNクライアントのフリーウェア(SoftEther VPN Client)の設定とそれをインストールした Windowsパソコンでの VPN回線の共有設定について解説しました。

今回は、VPNクライアント側の海外拠点で足回りとなる機器について、紹介したいと思います。

まず、快適なVPN環境を手助けするのは、「イーサネットコンバータ」です。

イーサネットコンバータとは、Wi-Fiなどの無線 LANを有線 LANに変換するための機器です。主に、有線 LANしか持たないネットワークデバイスを Wi-Fiに接続するために使われます。

似たものとして、「Wi-Fiルーター」、「アクセスポイント」、「中継機」がありますが、イーサネットコンバータとは別の機能を持った機器です。

しかし、これら別々の機能をあわせ持ち、設定によって切り替えられる機器も多くあります。

イーサネットコンバータの歴史は、2000年代前半まで遡りますが、2024年現在のおいて、イーサネットコンバータ単体で商品化されているものはないように思います。

現在では、ルータ / アクセスポイント / コンバータ(イーサネットコンバータのこと)機能を切り替えて使う Wi-Fiルータタイプか、既存のWi-Fiの電波を中継して拡げる中継機タイプの2種類が主なラインナップとなっています。

下記、構成例をご覧ください。

構成例

無線ルータの WAN側に有線で接続された「イーサネットコンバータ」と、VPNクライアント SoftEhterのパソコンの LAN側に有線で接続された「アクセスポイント」が確認できると思います。

この構成例の環境では、イーサネットコンバータとアクセスポイントは、Wi-Fiルータタイプの機器を利用しています。

しかし、それぞれの機器がルータ / アクセスポイント / コンバータ機能を有しているため、設定によって、イーサネットコンバータとしても、アクセスポイントとしても使えます。もちろん、Wi-Fiルータとしても使えます。

ちなみに私が実際に使用している機器は、以下の2機種です。

プラネックスコミュニケーションズ株式会社のリアルポータブルWi-Fiポケットルータ『MZK-RP150N』(通称「ちびファイ」)

株式会社バッファローの無線LAN親機(ホテル用 Wi-Fiルーター)『WMR-433W』

上記は、2011年と2015年にリリースされ、現在は、販売されていません。

現在、購入するなら、後継モデルの『WMR-433W2』がお勧めです。

WMR-433W2は、前述のWMR-433Wに USB給電ケーブルや LANケーブルなどの付属品が付いたモデルであり、本体の機能に違いはありません。

価格も安く、設定も簡単、軽くて小さく、モバイルバッテリからでも給電できるなどの特徴があり、ロングセーラーの商品です。

次回、WMR-433Wの設定画面をご覧いただきながら、「イーサネットコンバータ」として使う方法を説明したいと思いますが、その前に、ルータ / アクセスポイント / コンバータ / 中継機の違いについて、触れたいと思います。

ルータは、ネットワーク層で動作するネットワーク機器です。
それに対し、アクセスポイント、コンバータは、データリンク層で動作するネットワーク機器です。そして、中継機は、物理層で動作するネットワーク機器です。

参考までに有線 LANと無線 LANで対比するなら、以下のような関係性です。

【ネットワーク層】(第3層)  ルータ:Wi-Fiルータ
【データリンク層】(第2層)  ブリッジ:アクセスポイント・コンバータ
【物理層】(第1層)      リピータ:中継機

OSI基本参照モデル(第1層~第3層)

つまり、アクセスポイント・コンバータおよび中継機は、データリンク層/物理層で動作する機器のため、ルータとは異なり、ネットワークを分割する機能はありません。

逆に言えば、WMR-433Wにてルータ機能を使うと、ネットワークを分割することとなり、構成例で挙げたような同一ネットワークを構築することができなくなります。

同じネットワーク内にいるということは、同じIPアドレス空間(同一ネットワークセグメント)にいるということです。同一サブネットにいるとも言います。

日本向けのVPN回線を海外拠点で共有し、あたかも日本にいるかのように振る舞うためには、ブリッジ機能を使ったネットワーク構成にする必要があります。そして、ブリッジの機能を有する代表的な無線機器がアクセスポイントとコンバータです。

ちなみにブリッジ機能を有する代表的な有線機器は、スイッチ(スイッチングハブ)になります。

アクセスポイントとコンバータの関係は、無線の親機と子機の関係です。

アクセスポイントは、有線 LANを 無線LANに変え、コンバータは、無線 LANを有線 LANに変えます。

ちなみに中継機は、無線LANの電波を増幅することで、Wi-Fiエリアを広げるためのものです。

以上がルータ・アクセスポイント・コンバータ・中継機の違いです。

次回は、WMR-433W2によるコンバータの設定について説明します。

【おまけ】

ポケット型WiFi(モバイルルーター)でライフハックしてみよう

ホテルの Wi-Fiは、電波の強さや電波使用率によって通信速度が落ちますが、バッファロー AirStation『WMR-433W2』をお部屋の有線LANに接続すれば、ホテルの無線LAN環境に影響を受けることなく、5GHzの快適な自分用の無線LANを手に入れられます。

出張が多い方、外出先で Zoomや Skypeを使ったウェブ会議、リモートワーク(テレワーク)される方は、この機会に、本製品(5種類)の中からお好きなカラーを選んでみてはいかがでしょうか。

ブラック WMR-433W2-BK

ターコイズブルー WMR-433W2-TB

アッシュシルバー WMR-433W2-AS(販売終了)

パッションレッド WMR-433W2-PR(販売終了)

ホワイト WMR-433W2-WH

(続く)

著者butakotobutaoは、Amazonアソシエイト・プログラム運営規約に基づき、Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得る者です。


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