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目に見えない世界を探る、異色対談 /竹田恒泰&三上丈晴『神と怨霊』試し読み

三上「竹田さんもムー民だったとは!」
竹田「以前、私の家に座敷童が棲んでいまして・・・」

“目に見えない世界”はある!
雑誌「ムー」編集長と、明治天皇の玄孫の異色対談。

この記事では2024年8月1日発売の竹田恒泰&三上丈晴・著『神と怨霊』より「はじめに」と「あとがき」を全文公開いたします。

はじめに / 竹田恒泰


私がパーソナリティを務めるラジオ番組「ニホンのナカミ」のゲストとして三上丈晴さんにご出演いただいたのは2023年の夏でした。何を隠そう私は幼少期に「ムー」の愛読者でした。そればかりかオカルティックな出来事と遭遇することの多い青年時代を過ごしました。とはいえ奇妙な体験談はやたらと口にするものではないと自重していたのですが、三上さんなら受け入れてもらえるに違いないと「座敷童と同棲していた過去」を明かしたところ、大いに盛り上がったのを覚えています。

旧皇族の家に生まれ、神道が日常に溶け込む環境に育ち、神社本庁で神主に神道の歴史を教えたこともあるという私と、世界の謎と不思議に精通する三上さんとの組み合わせが新鮮だったのでしょう。人智では解明できない数々の現象を掘り下げた対談を本にしませんか? というお話をいただき、実現したのが本書です。

ポルターガイスト現象、怨念といったおどろおどろしい話題で幕を駆けましたが、やがて「神って何者?」という究極の不思議現象へと突入していきました。「ムー」的には「古事記」も「天皇制」も不思議現象。日本の歴史のみならず、世界の歴史や神話に関する知識が半端ではない三上さんによる「ムー」的仮説は鋭く、思わず意表を突かれる場面もありました。かと思えば「それは少々無理があるのでは?」と、知られざる皇室の謎にも言及したりしながら仮説を覆す一幕もあり。このあたりのバトルを楽しみながら読み進めていただけたら嬉しいです。

結果、本書は怪奇現象の話を入口にして、しまいには日本のことがよくわかるという、これまでにない斬新な、そして意味のある一冊となりました。日本の歴史はGHQに端を発した戦後教育によって歪められています。教育勅語の何が悪いのでしょうか? 「古事記」の何が問題なのでしょうか? 読んだこともないのに否定していませんか? と常々考えている私が本書を通じてお伝えしたいのは「日本人は神の子孫であり、神である祖先が私たちを守ってくれている」という事実です。

私の書いた中学生歴史教科書「国史 教科書」が6年目にしてようやく文科省検定に合格したというタイミングでの出版となりましたが、この流れは必然。日本人はもっと日本のことを知らなければいけないという神からの啓示に違いありません。本書がみなさんの知識欲に火を点け、日本を見つめ直してみようというきっかけになることを願っています。

2024年6月   竹田恒泰


あとがき / 三上丈晴


日本は言霊の幸わう国である。今も昔も、これからも。あらゆる呪術の根底は「名」がある。名は「言葉」と「文字」と「数」から成る。これを「口」と「卩」と「一」という字で表現し、その上に「人」を掲げれば「命」という字になる。古代の日本人は「命」と書いて「みこと」と読んだ。「御言」である。「命」を名に持つ神道の神々は、みな言霊によって人々に祝福と呪いをもたらしてきた。

言霊は生きている。今上皇后と文仁親王妃は、皇室に入られる前は、それぞれ「小和田雅子:おわだまさこ」と「川嶋紀子:かわしまきこ」という御名で、音がひとつおきに同じ「わ・ま・こ」だった。偶然ではない。言霊がつむぐ祝福の縁である。

月刊「ムー」の読者にはお馴染みの古史古伝「竹内文書」の正統伝承者を名乗る「竹内睦泰」氏は、本書の対談相手である「竹田恒泰」氏と古くからの友人なのだが、その御名の最初「竹」と最後「泰」が一致している。お二方を襲った崇徳天皇の怪異は、まさに呪いの縁である。

この「三上丈晴(みかみたけはる)」もまた、竹田氏とは名前に「たけ」と「日」が被っているのだが、はたして、この縁は、どちらに出るか。第五章で紹介した竹田氏が作る日本史の教科書「国史 教科書」は、めでたく検定を通られた。ひとまずは祝福されたと期待したい。

本書も無事に出版された暁には、いの一番に京都の白峯神宮に参詣し、主祭神である崇徳天皇に御報告したい。もちろん怨霊としてではなく、偉大なる日本國體の守護神として崇敬し、改めて御礼を申し上げる次第だ。神々の言霊検定に合格することをひそかに祈念しながら。

2024年6月   三上丈晴

目次


第1章 人知を超えた現象はある!

・怪しすぎる世界に30年
・ある日、座敷童との同棲生活が始まって…
・霊は物質化して人間の姿で現れる
・日枝神社で幽霊と会話した
・「誰でも見える霊」と「自分だけにしか見えない霊」
・人は「死んだら終わり」ではない

第2章 目には見えない世界を探る

・東南アジアでは現代でも「呪詛」がある
・崇徳天皇の本を書き始めたら奇怪なことが…
・突如として頬から血が噴き出す
・崇徳天皇が乗り移ったという祇園の女将
・「古事記」には「呪いのかけ方」が記されている
・あらゆるオカルトの本質は呪文
・政治家も頼るカリスマ霊能力者
・「百人一首」はなぜ百人なのか?
・「民」とは片目を針で刺した奴隷のこと?

第3章 神様に護られた日本の成り立ち

・日本における最大のミステリー
・神様はすべてお見通し
・天皇が奇跡を起こすことは世界的に知られている

第4章 「神様」とは何か?

・本当は怖いパワースポット
・神様と縁のある人、縁のない人
・神が人の目に姿を現すことはない
・伊勢の神宮で個人的なことを祈ってはいけない
・なぜ天皇は国民の幸せを祈るのか?

第5章 「古事記」の謎に迫る

・「古事記」を知らない日本人
・神の子孫が人間なのであり、人間の祖先は神である
・日本は「古事記」の時代からデザインされている
・歴史は神話を繰り返す
・なぜ庶民は江戸時代まで「古事記」を知らなかったのか?

第6章 日本の神話と世界の神話

・日本の神道とエジプト宗教は似てる
・「古事記」とキリスト教には共通項がありすぎる
・「古事記」と「聖書」には決定的な違いがある
・日本から文明が広まった?

第7章 記紀以前の世界

・秦氏はユダヤ人だったのか?
・弥生時代の始まりが500年早まって考古学が大混乱!
・日本人の優れた特色とは?
・日本は本当に単一王朝なのか? 王朝交替はなかったのか?
・「竹内文書」は荒唐無稽ではあるけれど…
・日本人のルーツは朝鮮人というのは嘘

第8章 八百万の神の力で日本は再び浮上する

・悠紀殿と主基殿は東日本と西日本の象徴なのか?
・八百万の神々はバラバラのようでいて共同体
・グローバリズムの先にあるのはローカリズム
・「古事記」が事実を反映した所以とは
・邪馬台国は畿内なのか、九州なのか?
・神の力で戦後の日本は立ち直り、発展を遂げた
・神に委ねて生きる


お読みいただきありがとうございました。
続きはぜひ本書にてお楽しみください!

本書は全国の書店・ネット書店にて
お取り扱いをしております。

竹田恒泰&三上丈晴
『神と怨霊』



竹田恒泰(たけだ・つねやす)
作家。昭和50年(1975)、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞受賞。令和3年(2021)、第21回正論新風賞受賞。主な著書に『天皇の国史』(PHP研究所)、『現代語古事記』(学研プラス)、『決定版 日本書紀入門《久野潤氏との共著》』『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか《門田隆将氏との共著》』『日本のどこが好きですか《呉善花氏との共著》』(以上、ビジネス社)、『国史 教科書』(令和書籍)など多数。

三上丈晴(みかみたけはる)
1968年生まれ、青森県弘前市出身。 筑波大学自然学類卒業。1991年、学習研究社(学研)入社。『歴史群像』編集部に配属された後、入社半年目から「ムー」編集部。2005年に5代目編集長就任。2021年6月24日より、福島市の「国際未確認飛行物体研究所」所長に就任。CS放送エンタメ~テレ「超ムーの世界R」などメディア出演多数。趣味は翡翠採集と家庭菜園。著書に、『オカルト編集王 月刊「ムー」編集長のあやしい仕事術』(学研プラス)がある。

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