お客様との開かれたコミュニケーションを目指すには?「窓口一元化」の重要性
はじめに
お客様にとって「問い合せ窓口」は重要です。
ふと思いついた時に気軽に相談できることで「このお店で買ってよかった」と満足度を高め、リピート購入につながることもあります。
しかし、インターネットショッピングサイトの「中の人」の事情はどうでしょうか?問い合わせフォームがバラバラになることで、思わぬ手間やトラブルが増えることも……。
今回は、学用品ショッピングサイトを運営しているB社の例をとり、お客様との窓口を一元化することの重要性についてお話していきます。
事例:学用品販売B社の場合
ここからは、実際にあったB社の例から窓口一元化の重要性を見ていきましょう。
■ 「お問い合わせはこちら」の罠
学用品を販売するB社では、自社ショッピングサイトにいくつかのお問い合わせフォームがありました。
このうちサイト管理画面から確認できるものは①と④で、
②と③のメール問合せはスタッフがメールを確認しながら行っている状況でした。
つまりB社には実質①②③の3つの問い合わせ窓口があり、それぞれが独立していたため、スタッフが不便に感じていたのです。
この中でB社のスタッフが特に悩んでいたのは次の4点でした。
お客様は購入履歴をスタッフが「わかっている」前提で問い合わせをしてくるので、お客様の購入履歴と問い合わせ内容を紐づけるのに手間がかかり、その結果お客様をお待たせしていました。
また、メーラーで見られるメールは対応状況がわかりにくく、最初に対応したスタッフで止まってしまい、スタッフ間での情報共有がしにくいという課題もありました。
特に、ショッピングサイトの場合、「返品対応」「クレーム対応」はどのサイトにもつきものです。今後の返品基準をスタッフ内で明確にし、クレーム客とクレーム対応を共有しておくことが企業・スタッフともに必要でした。
解決策
そこでB社が取り入れたのは「問い合わせ窓口の一元化」です。
独自システムによって、②の問い合わせ専用メールと③の自動配信メールの返信を管理画面に取り込み、一元管理の実現に成功。
今まで独立していた①②③の3つの問い合わせ窓口を①に集約することで、スタッフ・お客様それぞれの利便性が向上しました。
■ スタッフから見た「窓口一元化」のメリット
ショップサイトスタッフのメリットは次の4点です。
問い合わせを受けた顧客情報・購入履歴・商品情報がすぐわかる:作業効率アップ
問い合わせに対応中・未対応がすぐわかる:問題の可視化
問い合わせ内容をスタッフ間で共有できる:他スタッフへの引継ぎが簡単
メーカーへの問い合わせがしやすい
商品情報・顧客情報・問い合わせ内容が紐づいたことで、これまでの煩雑な手間がなくなり、業務の効率化に成功しました。
また、問い合わせをスタッフ別で対処せず、オープンに管理できるので問題の早期解決を図れることもメリットです。
■ お客様から見た「窓口一元化」のメリット
お客様からもこの取り組みは高評価となりました。具体的な理由は次の3点です。
問い合わせの待ち時間が少ない:顧客満足度の向上
ショップサイトのスタッフ全員が問い合わせ内容を把握している:ショップへの信頼度の向上
スタッフによる対応のばらつきが少ない:ショップへの安心感の向上
何かトラブルがあった際、待たされたりたらい回しにされることで、問題が大きくなることがあります。
顧客情報や購入履歴をスタッフがすぐ照会できることで、お客様の不安・イライラを取り除けるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、「いつ・誰に」問い合わせても大丈夫という安心感は「次もこのサイトで買おう」というファンを作るきっかけにもなります。
【事例から読み解く】 窓口の一元化のポイント
B社ではスタッフの希望からメールを管理画面から取り込み、対応窓口を一元化させました。しかし、ショッピングサイトによってはメールアドレスでのやり取りが「担当スタッフ⇔お客様」になっているところもあるでしょう。
問題をスタッフごとに属人化するのではなく、共有するという意識を持つことが大切になるでしょう。
まとめ
今回は、B社の例から窓口の一元化とそのメリットについてお話しました。
問題は早期に解決することで、深刻化を防げます。
また、顧客窓口はお客様の声を拾うことができる場所。企業の利益源泉であり顧客離れにいち早く気づくことができる大切な存在です。
顧客コミュニケーションの改善に取り組むことは企業価値を高めることにもつながります。今回の事例が少しでもビジネスの参考になれば幸いです。
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