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 独り言です。

ビジネスパーソンの育成やスキルアップを目的にした研修やセミナーというものの内容は、そもそも実態に沿ったものになっていません。異論のある方もいるでしょうが、私はそのような前提に立って仕事をしています。

学者の作った理論。コンサルタントが作ったフレームワーク。素晴らしく尊いものです。しかし多くのビジネスパーソンの実態に合ったものにはなっていないのが現実です。

だから講師は理論やフレームワークを教示するだけでは「仕事」をしたことにはなりません。現実の世界で戦っているビジネスパーソンの苦しみに答えを示すことが仕事。そのためには彼らに言葉を発してもらい、それを材料にして料理をし、彼らが納得する最適解を示し、仕事で実践させることが仕事です。

しかし彼らに言葉を発してもらうためには素材が必要です。何も提示することなくただ「質問しなさい」「意見を述べなさい」と求めても困ってしまうのです。だからまずは素材を提示する必要がある。それがビジネス書に書いてあるようなことであったり、専門家が語る理論やフレームワークなのです。

そういう意味で、講師がセミナーで語る内容はあくまで「素材」であり、「答え」ではありません。セミナーの内容は(理論上は)すべて正しいものですが、しかし実態に沿わないものがほとんどです。そして沿わないとは具体的に何を指すのかを参加者に言語化してもらって、はじめて研修はスタートすると言えます。

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素材を示す

理論と実態の相違を感じてもらう

その相違を言語化して講師に投げかけてもらう

講師が答えを示す
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これがビジネスの世界で生きる人を指導するということであり、研修講師の仕事です。


・・・ということをたまに思い出すようにしています。そうでないとビジネス数学教育家ではなく、単なる数学の先生になってしまうから。

つい忘れてしまう大切なことほど、たまに独り言として発することが大事です。たぶん。


私のことについて 

「ビジネス数学教育」を提唱する教育者です。もっと世の中にいい授業、いい研修、いい教育コンテンツが増えるといいですね。教育に関して似た価値観のある方、あるいは既に教育者である方、気軽にフォローや「♡」をいただければ嬉しいです。お互い頑張りましょう!

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