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「マンガ」×「哲学」第五回 『アルテ』からみるリーダー論

こんにちは、こんばんは。
「マンガ」×「哲学」
〜マンガから人生を考える〜

第五回は『アルテ』をご紹介します。

※作品のネタバレを含む可能性があります。
ご注意の上お読みください

企画概要

「マンガ」×「哲学」ではマンガに書かれているセリフや言葉から、人生の教訓を得ようと試みる記事連載です。
これまでのシリーズはこちら↓

作品概要

『アルテ』は、コミックゼノンから発売されている中世ヨーロッパを舞台とした女性画家の成長物語です。
主人公はアルテ
貴族階級の女の子で、当時男性の職業とされていた画家を夢みて奔走します。
最近では濡れ衣を着せられるような形で追われるようにーを出て
舞台をカステリャに移そうというところです

「アルテ」×「哲学」

今回は最新刊の15巻から、リーダー論について参考になる記載があったのでご紹介しようと思います。
アルテのお母様、ジルダの発言です

15巻で、主人公アルテは、職人として働いていたフィレンツェからカステリャへ向かう途中
母親の生まれ故郷に偶然立ち寄ることとなり
そこで職人になるために家を出てから久方ぶりに母親と再会します…


屋敷でアルテに母親として影ながら支えていた部分を見せたジルダ
そんな母親を見てアルテは困惑します。
なぜならアルテの見てきた母親はいつも凛々しく気高い女性だったから
そんなアルテに対して話しかけるなかでジルダはこんな発言をします

女は結婚したら
その家の切り盛りが1番大事な仕事…
たくさんの使用人たちを雇い…
指示を出し統率していくのは そう簡単なことではない
〜〜〜中略〜〜〜
屋敷の中にはやらなければならない様々な仕事があるわ
それらの知識がなければ指示も出せない
使用人含めた大きな共同体をまとめるのは難しい
私たちは"家"を運営するための
それなりの教養と技術が必要なのよ

この発言から見えるリーダー像とは?
発言の次の部分に注目してほしいのですが
"それらの知識がなければ指示も出せない"
"それなりの教養と技術が必要なのよ"

つまり、リーダー(先導する人)には、共同体全体の知識を最低限持ち合わせている必要があると
ジルダは言っているのです。

同時に彼女は"技術"も必要であると言っています
これは、集団の動かし方のことでしょう

個々に指示を出すやり方が良いのか
全体に目的を明示するやり方が良いのか

情に訴えるやり方か
理論的なやり方か

色々なやり方がありますが、その共同体や自分自身の特性にあったやり方が必要だと思います

現代のリーダー像

このジルダの考え方は、現代の会社のリーダー像にも当てはまるのではないでしょうか?
例えば、課長という役職なら
自身のまとめる課についての知識はもちろん必要でしょうし
全体を動かせなければ課として成立しませんよね?

そして、この発言から、リーダーとして相応しくない人の特徴もみえてくるかと思います
・"技術"つまり集団の動かし方が分からない(技術が存在していることすら知らない)
・全体の知識を持ち合わせない
この2点です

全体の知識についてですが
統率する共同体の規模が大きくなればなるほど、全体の知識の取り入れることは難しくなるでしょうから、一概に知識がないといけないとも言い切れない部分はありますが
全体についてリーダーが把握していないというのは従う側はどうかと思ってしまっても仕方がないことかもしれません

そして、全体の知識がないリーダーよりも
全体の動かし方が分からない(知らない)リーダーは、組織を分断させたり壊してしまう存在となりやすく、組織が組織として成り立たなくなってしまう危険性が高いため
リーダーとなる際には注意が必要かと思います


マンガ『アルテ』から学んだリーダー論としてまとめると
リーダーは全体の知識を有する
集団を動かす方法、"技術"がリーダーには必要だ

リーダー論とまではいきませんが
他人の理解についてとてもざっくりと書いた記事があるので、よければお読みください


ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回は『ブルーピリオド』を予定しております。

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