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医療従事者はコロナワクチンの「努力義務」から外れることをなぜ周知しないのか?

4月11日に、東京都医師会が定例記者会見を開きました。そこで語られた新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策は、厚生科学審議会でまとまった話と矛盾があります。医療従事者のワクチン接種に関するパブコメは、4月14日20時までの募集です!

東京都医師会定例会見(2023年4月11日)

4月11日に開かれた、東京都医師会定例会見の動画が公開されています。新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策については、冒頭で語られました。

動画の冒頭から、気になった部分をいくつか取り上げます。

若い方でワクチンを打っていない方は後遺症が出やすいということもありますし、逆に打っている方は出にくいとも言われていますので、まだ3回目の追加接種を打たれていない方はこの機会にぜひ打っていただきたいと思います。

4月11日 東京都医師会定例会見 より

コロナワクチンを接種して後遺症がでにくいとは、承認審査では認められていません。医師会の会長が、審査で認められていないのに効果があるかのような発言をしてもよいのでしょうか?

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日薬生監麻発0929第5号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効果効能等の範囲をこえてはならない

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

効果効能については、下記の記事で取り上げました。

会見では、医療従事者の接種について、下記のように語っています。

5月8日からは高齢者、重症化しやすい方、医療・介護従事者の6回目接種が始まりますので、きちっとと受けていただくことが大事だと思います。

4月11日 東京都医師会定例会見 より

厚生科学審議会では、医療従事者の努力義務が外れることになったと説明されています。医師会が、これを知らないはずがありません。それなのに、なぜ努力義務が外れることに言及せず、このような発言をしたのでしょうか。

03【資料1-1】新型コロナワクチンの接種について


https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001068141.pdf

2023年度、医療従事者は「公的関与」が×になっており、努力義務が課されなくなります。

これについては、下記で詳しく取り上げました。

会見では、治療薬についても下記のように語られました。

高齢者や重症化しやすい方で、もしかしてコロナかな?と疑いを持たれた場合は、早めに医療機関を受診していただきたい。そして、飲まれている薬との併用禁忌などがなければ、パキロビットやラゲブリオなど重症化予防の薬を早期に服用して、重症化しないようにしていただきたいと思います。

また、若い人は慢性疾患の薬を飲んでいる方は少ないと思うので、例えばゾコーバのような薬は、臨床試験では感染期間が1日短くなり、熱などの辛い症状が短縮されると言われています。後遺症についても、45%軽減するという報告もあるので、そういった薬を使うのも1つの方法です。

9月まではコロナの経口薬は公費負担が続くので、早めに治療を受けることが大事ではないかと思います。

4月11日 東京都医師会定例会見 より

パキロビットとラゲブリオは、コロナワクチン同様、特例承認です。ソコーバは、緊急承認(下記参照)。いずれも、緊急時に健康被害の拡大を防止するために承認されました。

ラゲブリオは、逆に死亡や健康被害が出ている薬です。今は、緊急時ではありません。5類に「下げる」と言っているのに、まだこれらを推奨しているのはなぜなのでしょうか。

ゾコーバには、「後遺症についても、45%軽減するという報告もある」などと言っていますが、添付文書にはそのような効果は書かれていません。これも、承認審査で認められていない効果なのに、医師会の会長がそのような発言をしてよいのでしょうか。


https://www.youtube.com/live/WyLvAljmOdw?feature=share

添付文書や審査報告書などは、下記のページで公開されています。

ラゲブリオ

パキロビット

ゾコーバ

しかも、これらはかなり高額です。

以下、ゾコーバの薬価に関する部分の引用です。

コロナ治療薬ゾコーバ錠の薬価、ラゲブリオとゾフルーザの中間に設定し、1治療当たり5万1851円80銭—中医協総会(2)
2023.3.9.(木)GemMed
(略)
3月8日の中医協総会には、この方針に則った次のような「薬価設定」案が提示され、了承されました。
▽当初の薬価は、1錠当たり7407円40銭、1治療(7日間)当たり5万1851円80銭に設定する
→効能効果が同一のコロナ治療薬「ラゲブリオカプセル200mg」(一般名:モルヌピラビル)(1治療当たり9万4312円、1カプセル当たり2357円80銭)と、対象患者が類似する季節性インフルエンザ治療薬の「ゾフルーザ錠20mg」(一般名:バロキサビル マルボキシル)(1治療当たり4453円50銭、1錠当たり2438円80銭)の平均とし、そこに有用性加算5%をのせる

https://gemmed.ghc-j.com/?p=52977

読売新聞の記事には、パキロビッドパック1治療あたり約9万9000円とあります。ゾコーバが1治療当たり5万1851円80銭、ラゲブリオが1治療当たり9万4312円

季節性インフルエンザ治療薬の「ゾフルーザ錠20mg」が1治療当たり4453円50銭なのに対して、異常な高さです。

これらは、9月まで公費負担が続くので、その場での支払いはありませんが、違う形で私たちが負担しなければならないのです。

効果もたいして期待できずむしろ副作用の方が心配な薬、しかも高額な薬を、きちんと検証せずに、緊急事態でもないのに、なぜ使い続けるのでしょうか。

このような発言をする医師会を、信用できるでしょうか。

東京都医師会の矛盾

東京都医師会の言動には、他にも矛盾が多数あります。

特例承認されたワクチンや治療薬を使い続けることを勧めているなら、それほど怖い病気だと思っているかと思いきや、12月には大人数で宴会を開いていたことが報じられています。


コンパニオンも動員… 東京都医師会「300人忘年会」驚きの内容とは 5類に慎重な姿勢を崩さない理由
デイリー新潮 2023年02月15日
(略)
「12月21日の18時半から20時半で、会場は大宴会場の“葵”。広さ1160平方メートルです。来賓は小池百合子都知事のほか、日本医師会の松本吉郎会長、自民党の丸川珠代議員、公明党の山口那津男代表……ほかにも大勢の議員の名前がありました。19時15分から55分まではコンサートが開催され、会場にピアノとチェロ、バイオリンが運ばれていました。コンパニオンも呼ばれたようです」
(中略)
マスクはどうか。
「食事の席なのだから外していますよ。それに、年末懇親会は各地区医師会でもやっていました」
 なんと、東京都医師会では、そこらじゅうで忘年会が行われていたという。
(中略)
老年医学が専門の精神科医、和田秀樹氏は、「医師会もコロナがたいして怖くない病気だとわかっているのでしょう」 と言い、こう続ける。

「いま医師会の最大の問題は、5類に慎重なことです。医者には応召義務があって、患者が来たら断れず、断って医師法違反で訴える市民団体が現れたら、裁判所も対応しなければいけません。でも、2類ならいろんなルールが課され、設備がない、人員がないという理由で患者を断れます。多くの医者は患者を断れなくなるのが嫌で、5類にしたくないのだと、私は思っています」
(以下略)

https://www.dailyshincho.jp/article/2023/02150557/?all=1

和田秀樹氏とは、著書『80歳の壁』がベストセラーとなった精神科医のことでしょう。上記は和田氏の考えですが、定例会見での発言と自分たちの行動の矛盾を考えると、そう思われても仕方ないでしょう。他にも、空床補償など、お金が絡んだいろいろな事情が見えてきます。

新型コロナが怖い病気だと思わせておきたいのは、国民のためではなく、自分たちの都合なのではないでしょうか。

4月14日20時まで募集中のパブコメ

下記のパブコメ募集は、今日の20時までです。

医療従事者の方たちは、「努力義務から外されるならそれでいい」のでしょうか。努力義務から外されても、医師会の定例会見のような発言があれば、まだ努力義務が課せられていると思う人も多いでしょう。もっとしっかり周知しなくてよいのでしょうか。看護実習などでワクハラが起きないように、何かできることがあるのではないでしょうか。

私は医療従事者ではありませんが、今週前半に送ってまだ受付番号が1桁だったことに驚きました。まだ10人も送っていなかったということです。

締め切りは、2023年4月14日20時0分です!

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