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今のうちに確認! 避難所の備蓄倉庫はどこにあるのか?

今、被災地で起きていることは、自分たちにも起きる可能性があることです。被災地のためにできることを考えながら、自分たちの備えにつなげることが大切だと思います。今回は、備蓄倉庫について考えてみました。

石川県七尾市の場合

市区町村等の自治体は、災害発生時に避難所となる公立小中学校や自治体所有の施設などに備蓄倉庫を設け、水や食糧、生活必需品、医薬・医療品、防災資機材を配置・管理することになっています。けれども、備蓄倉庫がない避難所もあるようです。

以下、中日新聞で報じられた石川県七尾市にある避難所の様子です。



★指定避難所・中島小学校(2024年1月2日時点で約200人)
「朝に災害用のご飯が配られたが、2人に1個だった。足りない分は自分で買わないと行けないが、高齢者にはなかなか難しい」

https://www.chunichi.co.jp/article/831380

●七尾市中島町山戸田・山戸田集会所(2024年1月2日時点で約40人)
支援物資は届いておらず、住民らが食料を持ち寄ってしのいでいる。集落には高齢者が多く、住民らは「七尾の市街地まで取りに来いというのは、道路状況も悪い中難しい」

https://www.chunichi.co.jp/article/831380

★指定避難所・七尾総合市民体育館(2024年1月3日時点)
物資不足も深刻だ。避難者によると、1日から2日にかけて配給されたのは水で戻して食べるおかゆのようなご飯1食だけだったという。毛布も配られず、ダウンジャケットを着込んでブランケットを足元にかけ座ったまま眠る人もいた。灯油の備蓄が少なく、近辺のガソリンスタンドも営業休止しているため、ストーブはほとんど使えない状態となっている。

https://www.chunichi.co.jp/article/831507?rct=k_news

前回の記事で取り上げた、「被災地NGO協働センター」の方によるレポート(No.3)でも、「指定避難所(中島地区コミュニティセンター西岸分館)にも関わらず、何も物資が来ない」という声がありました。

なぜこのようなことになっているのか、七尾市の避難所と備蓄倉庫について調べてみました。

避難所・資機材P89-108(PDF:5,095KB)

七尾市 備蓄物資一覧&保管場所

https://www.city.nanao.lg.jp/bosai/documents/89-108_s.pdf

各コミュニティセンターにおける非常食等については、本庁防災倉庫で管理  毛布については、各コミュニティセンターで管理

本庁というのは七尾市役所のことで、例えば前述の「中島地区コミュニティセンター西岸分館」からは車で40分ぐらいかかるようです。

避難所・資機材のPDF(P90~P91)に、指定避難所及び指定緊急避難場所一覧がありますが、現在、七尾市で開設されている避難所は下記のようです。


自分の地域について考える

私は都市部に住んでいるので、備蓄倉庫は各避難所にあると思っていたのですが、このような形で保管されている自治体もあることを初めて知りました。理由があって本庁で保管することになったのだと思いますが、この保管方法では道路が寸断されたら避難所に届けることができません。自分の家で備蓄しておくことも大切ですが、家が全壊したらそれを持ち出すこともできないでしょう。

テレビの情報番組では、七尾市役所にたくさんの水や生活用品などが届いている映像が流れていますが、それらを仕分けして各避難所に届けるのはたいへんな作業です。役所の方々は最善を尽くされていると思いますが、すべての避難所に行き渡るのか心配になります。

地域によって様々な事情があるとは思いますが、備蓄倉庫をどのように管理するかはとても重要なことです。市民も日頃から関心を持っておかなければ、有事のときにうまく機能することはできないでしょう。

各自治体のホームページ内にある検索窓で、「備蓄倉庫」や「防災計画」などと入れて検索すると、備蓄倉庫の場所や保管している物のリストなどを知ることができます。

例えば、仙台市の場合は下記のように保管されているようです。備蓄物資のリスト(例)も書かれています。
SBL(仙台市地域防災リーダー)通信
第9号 知っていますか?避難所における備蓄物資の保管とルール

指定避難所(市立小中高等学校等)や補助避難所(市民センター、コミュニティ・センター等)となる市の施設には、災害発生から 48 時間分の食料、飲料水等の備蓄物資及びマスクや消毒液、パーティション等の感染症対策物資を公的備蓄しています。

https://www.city.sendai.jp/gensaisuishin/documents/sbltuusindai9gou.pdf


被災地以外の人は、被災地のために何かしたいという気持ちが先走りがちですが、今は別の視点でできることもあるはずです。大きな地震はいつ、どこで起きるかわかりません。自分が備えておくことも、結果的には誰かのためになると思います。自分が住む地域の避難所や備蓄倉庫がどこにあるのかを知り、一人ひとりが自分ごととして考えて、問題点があれば災害が起きる前に声をあげることも、今できることの1つではないでしょうか。

「被災地NGO協働センター」の記事に書かれている”市民自治”の実践も、避難所での生活についてとても参考になります。


被災地の被害状況等は、石川県のサイトで随時更新されています。


いつもより短くまとめましたが、まだ長いかな・・・。試行錯誤中ですが、中高生にも一緒に考えてもらえるような記事になるように頑張ります!


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