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学問の危機

困っている人のために尽力している人がいたら、多くの場合はその人たちの言葉に耳を傾け、自分にもできることはないか考えるでしょう。けれども、ある問題に関しては、困っている人がたくさんいるのにメディアは取り上げようとしません。そして、その問題と正面から向き合ってなんとか助けようとしている人たちが、まるで悪いことをしているかのように扱われています。人を助けようとしているのに、なぜそのような扱いを受けなければならないのでしょうか。


ある会見で語られたこと


事実を事実と認めて、何が起こったか徹底的に調査しなければならないのです。大学なんかでも、ちゃんとその問題を研究しようとすると、「お前、そんなことやったらもうクビだ」とか「大学から出て行け」とか言われるんですよ。こんなことがあっていいんですか? これは間違いなく、学問の危機、科学の危機です。この危機に対しては、事実を事実としてきちんと認め、共有し、それに正面から立ち向かうこと、これ以外にはないのです。


知らないことに対しては謙虚になって、何が起こっているのか、まずは起こった事実から物を考えないとダメなんです。「そんなことは起こり得ない」とか「安全だ」「そんな報告はない」などと言う人がいますが、それはその人が知らないだけなんですよ。今の科学は、まだ未熟なんです。分子生物学で全部説明するなんて、そんなものとんでもない話です。


症状が全身に起こるとか、複数の疾患が同時に起こるなんて、見たことがないというのが医者の率直な意見です。しかし、それを報告しようとすると色々な邪魔が入るんですよ。そういうこと自体が、学問の自由を障害する話です。ある教室では、学会発表と論文は検閲が行われるんですよ。これが全世界的に起こっています。ジャーナルによっては、事実上検閲が行われています。日本国憲法では、検閲はしてはならぬとちゃんと明記されてるんです。それなのに、そういうことが公然と起こっているのです。

※検閲とは、 公権力が書籍・新聞・雑誌・映画・放送や信書などの表現内容を強制的に調べること。日本国憲法では禁止されている。(デジタル大辞泉より)

泣き寝入りしている人がどれだけいるのでしょうか? マスコミは全然報道してくれません。報道しようとしたら、処分されるんですよ。そんなことがあっていいんですか? 


被害者というのは、厚労省に報告されているだけでも、もう何万人に達しているわけです。しかし、救済や補償が遅々として進んでいません。患者さんは医者にかかっても、「なんだか分からないね」などと言われるだけ。だから、国の政策が本当にこれで良かったのか、検証する時期に来ているんです。

被害者に対しては、適切な診断と治療に関する研究を推進していただかなければいけないということを、厚労大臣に要望してまいりました。

これらは、1月11日に行われた会見での福島雅典氏(京都大学名誉教授)の発言を、意図を変えない範囲で編集したものです。何について語っているかは、あえて伏せています。

これが今、日本で起きていることです。なぜ、メディアは取り上げないのでしょうか。なぜ、多くの人は耳を傾けないのでしょうか。

会見の動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm43262153

論文
http://cont.o.oo7.jp/51_3/w43.pdf