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HPVワクチン薬害東京訴訟 原告本人尋問

2024年1月22日に行われた福岡地裁での原告本人尋問に引き続き、東京地裁でも原告本人尋問が始まりました。

被害者への差別的な扱い

福岡地裁での本人尋問については、下記で取り上げました。

以下、下野新聞からの引用です。


「番号では伝わらない」覚悟の実名で法廷へ 子宮頸がんワクチン訴訟、足利の倉上さん本人尋問臨む
2/20 11:30 下野新聞

「原告56番」から実名で法廷へ-。国が接種を呼びかけた子宮頸(けい)がんワクチンが全身の痛みなどの副反応を引き起こしたとして、接種を受けた女性たちが国と製薬会社2社に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が21日、東京地裁で開かれる。
(中略)
同ワクチンを巡っては2016年7月、23都道府県の女性63人が東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁に一斉提訴。倉上さんは19年7月の追加提訴で原告に加わった。ただ、誹謗(ひぼう)中傷の恐怖から「原告56番」として裁判に臨んできた。倉上さんを含め、被害を訴える女性の多くは医師らから「心の問題」と指摘されたり、「反ワクチン」などと差別的な扱いを受けたりしてきたためだ。

 「番号では被害の実相が伝わらない」。そう考え始めたのは今年1月ごろ。ワクチン接種について国は22年4月、積極的な勧奨を再開した。訴訟で製薬会社側は「安全性は医学的、科学的に確立している」と請求棄却を求めた。そうした中、各地で副反応に苦しむ女性たちと出会ったことも気持ちを後押しした。

「隠れないで堂々と生きたい」。支えてくれる家族と相談を重ね、裁判を実名で闘うと決めた。「私も家族も幸せな時間を奪われた。今も苦しんでいることを多くの人に知ってほしい」と話す。法廷では自分の言葉で思いを伝えるつもりだ。

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/858773

被害を訴える方たちが、なぜこのような差別的な扱いを受けなければならないのでしょうか。

アメリカではメルク社のHPVワクチン(ガーダシル)に関して、2024年2月6日の時点で140件の広域係属訴訟が係争中です。

February 6, 2024: As of today, the Gardasil MDL has 140 cases pending, per the latest MDL Statistics report.

https://www.jpml.uscourts.gov/sites/jpml/files/Pending_MDL_Dockets_By_Actions_Pending-February-1-2024.pdf

アメリカの連邦地裁では、ガーダシルに関する個別の訴訟が提起されてきましたが、2022年にMDLといわれる広域係属訴訟に統合されました。

下記は2023年の記事ですが、「ノースカロライナ州地方裁判所はメルク社に対し、原告に同社のガーダシル有害事象データベースをすべて引き渡すよう命じた。しかし、同社はこれを拒否している」と書かれています。

安全性に自信を持っているのなら、引き渡せるはずです。なぜ拒否しているのでしょうか。

この記事には、2015年にデンマークなどで重篤な有害事象の報告が多数あったため、デンマーク保健医薬品局は欧州委員会に対し、ガーダシルと重篤な有害事象との関係を調査するよう要請したことについても書かれています。

欧州医薬品庁(EMA)は、HPVワクチンと重篤な神経学的有害事象との間に関連性はないと結論付ける報告書を発表しましたが、漏洩したEMAの文書からは、 専門家の間でもかなり意見に相違があったことがわかります。

EMA document

これについては下記にも詳しく書かれているので、余力があったら後日取り上げるかもしれません。

日本の厚労省と同じように、専門家と製薬会社に利害関係があったり、以前の記事でも取り上げたプラセボが生理食塩水ではないことなども問題となっています。

このように、日本以外でも訴訟は起きていますし、安全性に関する調査が公正に行われていないことなども各国で指摘されているのです。

それなのに、なぜ被害者が差別的な扱いを受けたり、SNSで誹謗中傷されなければならないのでしょうか。

救済制度の審議結果

HPVワクチン接種後の健康被害について、救済制度で認定された事例が厚労省のサイトで公開されています。

2024年2月19日 審議結果


https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001212315.pdf

15歳の女性は、「めまい、上下肢筋力低下、感覚障害、記憶力低
下、学習障害、視力障害、認知障害 」で障害年金が認定されました。
これらの症状は、訴訟で証言している被害者の方たちと重なります。

このような被害を増やさないためにと、実名で証言台に立とうとしている方たちがいるのです。

どうかその声に、耳を傾けてください。