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特別企画⑥:秋の夜長に見たい スティーブ・マックイーン出演映画3選『ハンター』『ゲッタウェイ』『ブリット』
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スティーブ・マックイーン(1930年3月24日ー1980年11月7日)
『荒野の七人』『大脱走』『シンシナティ・キッド』『砲艦サンパブロ』『華麗なる賭け』『栄光のル・マン』『パピヨン』『タワーリング・インフェルノ』…どれもこれも捨てがたい。
その時々で上位に来る作品が変わるので、迷いに迷って今の気分に従っての選出となった。
①『ハンター』1980年公開
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監督:バズ・キューリック
共演:キャスリン・ハロルド
本国公開3か月後に癌のため亡くなった。齢50、早逝であろう。遺作である。
当時では珍しい設定、実在のバウンティハンター(賞金稼ぎ)ラルフ・ソーソンの半生を描く。
ハンターの中では高齢だ。アクションをこなすが当然キレがない。それがいい。等身大でリアルだ。コミカルさもみせて、老眼鏡も掛けたりする。
新しいマックイーンをみせてくれた。ラストがこの作品で良かった。
願わくば新作が観たいと思わせてくれた。やはりマックイーンはカッコよかった。
この映画のスピリットはロバート・デ・ニーロ主演『ミッドナイト・ラン』(1988)に継承された。(こちらもめちゃめちゃ面白い!)
②『ゲッタウェイ』1973年公開
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監督:サム・ペキンパー
脚本:ウォルター・ヒル
共演:アリ・マッグロー
巨匠サム・ペキンパー監督、脚本はウォルター・ヒル!
マックイーンとマッグローふたりの逃亡と夫婦の再生の物語。
(撮影後、実際に夫婦になった)
迫力の銃撃戦、スローモーション、登場人物クズ多し、流石のペキンパー節は健在。なによりマックイーンがカッコいい。脂がのっている。
ラストまで一気に観れる何度でも観れる。
淀川長治氏のこの時の解説はよく覚えている。映画のラストについて、そんな風に読み取るんだと映画作品の見方を教わった。
③『ブリット』1968年公開
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「ブリット」を「ワイルド・スピード」風に仕上げてくれた(Sleepy Skunk作)カッコいい!
監督:ピーター・イェーツ
共演:ジャクリーン・ビセット
ジャズの調べで始まるオープニングからカッコいい。骨太な刑事もの。まだ観ていない方はふたつのシーンだけでも観てほしい。
ひとつは伝説のカーチェイス。マックイーンが駆るマスタングが犯人のダッチ・チャージャーをサンフランシスコの急こう配な坂道を爆走追跡する。
CGの無い時代、生の迫力全開だ。カーチェイスにCGはいらないんじゃなかろうか。
そしてラストの空港での緊迫の犯人追走劇。哀愁が漂う。
ハードボイルドなマックイーン、アクションのみならず、ちょっとした仕草や表情のどれもが全部カッコいい。
のちに「他の刑事映画に出演したくない」という理由で『フレンチ・コネクション』『ダーティハリー』の出演依頼を断ったらしい。
マックイーン版も観たい気もするが、
ポパイ=ジーン・ハックマン、ハリー=イーストウッドは揺るぎ無いな。
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淀川氏も萩氏も スチーブ・マッキーン っていうW
スタントマンに頼らずアクションをこなしアンチヒーローを見事に体現した、まさに“The King of Cool”。
さらに素晴らしい俳優であると同時に有能なレーサーでもあった。
バイクを駆る姿は特徴があり(少し肘を立てて運転)、『大脱走』(1963)では顔を隠してドイツ軍としてバイクに乗るというエキストラもこなしているが乗り方でマックイーンだとわかってしまう(笑)
ただ有名なジャンプのシーンは、映画会社のNGでスタントマンが演じており、非常に悔しがっていたらしい。
監督やプロデューサーとの衝突も多く様々な逸話が残っている。
また私生活も破天荒であった。
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今の時代だと完全にアウトだな。
その反面
「マックイーンは映画の出演に同意した際、スタジオに大量の無料アイテム(例えば電気カミソリ、ジーンズやその他のアイテム)を要求するという変わった評判を持っていた。マックイーンはこれらのアイテムを、自身が10代に過ごしたボーイズ・リパブリックの矯正施設に寄付していたことが後に明らかになった。マックイーンはしばしば施設を訪れ、生徒達と時を過ごし、ビリヤードをしたり自身の経験を話したりしていた。」(Wikipediaより)
清濁入り混じった、それも全部ひっくるめてマックイーンの魅力なのだ。
「HONDAエルシノア CR250M」 CM
マックイーンはかつてホンダのオートバイのコマーシャルに出たことが あった。ホンダと契約した特別な理由があるのか、という質問に対しては、こう答えている。
---もちろん、特別な理由がある。私は、私自身ホンダのオートバイを使っているし、レースもした。 しかも、本田氏自身をエンジニアとして尊敬している。アメリカで、彼と食事をしたこともある。彼を 信頼もしている。だからこそ、ホンダのコマーシャルに契約したのだ。そういう信念がなければやらな かっただろう。というのは、私は、責任がある。私を見に来る人、見に来てくれる人、観客の人に対して 責任がある。だから、私自身が製品を信じなければならない---
マックイーンはこのときホンダとの契約で、25万ドルを得ている。 しかし、じつはこれより以前に、おなじホンダから百万ドルでコマーシャルを申し込まれたのを断って いるのである。なぜ25万ドルの契約は引き受けて、百万ドルのほうは断ったのか、この質問に、彼は こんなふうに答えた。---オートバイの安全運動のためのコマーシャルで、全世界に私がホンダを代表 するというようなことだった。しかし、やらなかった。その理由は、内容をみてみると、安全運動と いうよりも、むしろオートバイを売る方に重点がおかれている感じだったからだ。だから私は百万ドル でもやらなかった。しかし、あとからのもの、つまり25万ドルのコマーシャルは、これはホンダの バイクに乗り、安全を強調して、ある種の服を着て乗るということ、そして安全のためにどういうこと をしなければいけないのか、とくに舗装もしてないようなところを運転するときには、どうしなけば いけないのか、そういこうとを宣伝するものだった。だから、私は25万ドルでもやったのだ。
余談だが
30数年前、バイクのツーリングチームを作る際に
チーム名は何にするか、
真っ先に出た名前は“McQUEEN”
揃いのジャケットで北海道の大地を走ったのはいい思い出だ。
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今年も命日(11月7日)が近づいてきた。
今年はどの作品を観ようか、迷うなー。
(text by電気羊は夢を見た)
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