文化時報社
「文化時報 福祉仏教入門講座」の講師陣が、福祉仏教の現場で感じたこと、考えたことをつづる人気コラムです。宗教専門紙「文化時報」の紙面に掲載されたものを転載します。
「お坊さんのいる病院」として知られる独立型緩和ケア病棟「あそかビハーラ病院」(京都府城陽市)の運営から、浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)が撤退することを決めました。この問題を巡り、宗教専門紙「文化時報」に掲載された記事をまとめ、終末期医療に宗教者がどう関わっていけばいいのかを考えます。(写真は『お坊さんのいる病院―あそかビハーラ病院の緩和ケア』自照社出版)
宗教専門紙では異色の経済面で連載中のインタビュー記事「コロナを越えて」を、マガジンにまとめました。
宗教専門紙「文化時報」に掲載された記事の中から、反響のあったものを厳選してお届けするマガジンです。記事は全て有料です。
宗教専門紙「文化時報」を発行する文化時報社(本社・京都市下京区)の意外すぎるウラ側に独占密着!? 就任2年余りの代表取締役・小野木康雄が「なんじゃこりゃ」と思ったギョーカイとカイシャの常識・非常識に切り込むマガジンです。昭和に一世を風靡したあの人気テレビ番組とは何の関係もありません。
―あいさつに代えて 社長兼主筆 小野木康雄 おかげさまで、文化時報は2023(令和5)年2月2日、創刊100周年を迎えました。各教団・総大本山をはじめ宗教界の諸大徳各位と関係業者の方々、そして購読者やファンとして文化時報を支えてくださっている皆さまに、深く感謝しますとともに、厚く御礼申し上げます。 1923(大正12)年に京都で産声を上げた文化時報は、報道と言論を通じて、宗教界の発展に貢献してきました。関東大震災などの自然災害や戦争前夜の息苦しい時代、戦後の混乱期にあ
※文化時報2023年3月31日号掲載の社説です。 国家による究極の人権侵害である冤罪と、裁判をやり直す再審に対し、宗教界は今こそ目を向けるべきだ。 1966(昭和41)年に静岡県で起きた一家4人殺害事件で、東京高裁は13日、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さんの裁判をやり直す再審開始決定を出した。検察側は20日、最高裁への不服申し立てに当たる特別抗告を断念すると発表。袴田さんは無罪となる公算が大きくなった。 再審開始の決め手となったのは「犯行時の着衣」とされた
※文化時報2022年12月6日号の掲載記事です。 世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会気候危機タスクフォースが埼玉県所沢市の山間部で進めている森づくりの活動が、着実に進んでいる。11月19日には「苗木を植えて自然との共生を感じよう!」のスローガンの下、第3回植樹会を行った。豊かな森を取り戻すことで気候変動の危機を救い、平和構築につなげることを目指している。活動開始から5年を迎え、地道な取り組みが多くの人々から共感されつつある。(山根陽一) トトロの森に隣接 「WCR
※文化時報2023年3月10日号掲載の社説です。 感染拡大前の日常が戻るのか。それとも新しい生活様式が続くのか。マスク姿の人がどれだけいるかが見えることによって、その度合いが測れるようになる半面、同調圧力が強まり、分断が深まる可能性には注意しなければならない。 政府は今月13日から、新型コロナ対策のマスク着用を個人の判断に委ねる。推奨されるのは、医療機関を受診・訪問する際や、通勤ラッシュ時など混雑した電車・バスに乗る場合に限られ、それ以外は屋内でも個人の主体的な判断が
東日本大震災の十三回忌を前に、浄土宗大本山増上寺(小澤憲珠法主、東京都港区)で2月20日と26日、浄土宗教師を対象にした研修会「お寺でもできる災害支援」が行われた。阿弥陀寺(福島県いわき市)の馬目一浩副住職と、訪問傾聴サロン「浜〇かふぇ」が主催。災害発生時に寺院は何をすべきか、平時に地域や寺院同士のネットワークをどう作るか―。災害福祉支援アドバイザーの園崎秀治氏と、宗教施設の防災拠点化に詳しい大阪大学大学院の稲場圭信教授(宗教社会学)を講師に招き、両日で40人が参加した。(
※文化時報2023年2月21日号の掲載記事です。 浄土宗西方寺(滋賀県草津市)の牧哲玄副住職が、ストリートピアノを使った縁づくりに挑戦している。動画投稿サイト「ユーチューブ」で「坊さんブギウギピアノ」を展開し、全国各地に遠征して演奏する動画をアップ。西方寺でも、境内の3カ所に誰もが自由に弾けるピアノを設置した。牧副住職は「平日のお寺は活用されていないことが多く、もったいないと考えた」と話す。(大橋学修) 牧副住職の演奏は、クラシックや童謡などあらゆる音楽を、ブルース音
※文化時報2023年3月14日号の掲載記事です。 真宗大谷派の宗門関係校、学校法人札幌大谷学園(札幌市東区)が北海道教区(錦秀見教務所長)の所管する「北海道大谷学園連合会」から脱会した問題で、教区は7日、一般寺院を対象に、問題の経緯や対応などの情報共有を図る初の説明会を開いた。教区選出の宗議会議員や教区会・教区門徒会、札幌市内の住職ら50人超が集まり、関心の高さがうかがえた。 説明会は3時間超に及んだ。教区側は、学園連合会に加盟する他の宗門関係校4校などが2月27日に
※文化時報2023年3月3日号掲載の社説です。 ロシアによるウクライナ侵攻から2月24日で1年がたった。力ずくで領土を奪い取ったことだけでなく、民間人への虐殺や性的暴行、原子力発電所をはじめとする重要インフラへの攻撃など、ロシアは明らかな戦争犯罪を繰り返している。一方的な理屈をつけて軍事侵略を正当化し、今なお攻撃を続けて国際社会を混乱に陥れていることは、断じて許されない。 ウクライナのゼレンスキー大統領が、国民に団結を訴えて自衛のために応戦し、米国を中心とした西側諸国
※文化時報2023年3月17日号の掲載記事です。 ウェブサイト「宗教法人売買.net」を運営する自称僧侶のグループが休眠宗教法人を節税目的で購入できると宣伝している問題で、実際に売却された滋賀県内の浄土真宗系の単立寺院では宗教活動が行われなくなったことが、関係者への取材で分かった。一時約80軒あった門徒はゼロになっていた。一方で購入者は、僧侶派遣などの葬儀ビジネスに乗り出す構えを見せている。
※文化時報2023年3月7日号の掲載記事です。 真宗大谷派の宗門関係校、学校法人札幌大谷学園(札幌市東区)が北海道教区(錦秀見教務所長)の所管する「北海道大谷学園連合会」から脱会した問題を巡って、学園連合会に加盟する他の宗門関係校4校などが2月27日、共同声明を発表した。札幌大谷が教区との関係を断絶したにも関わらず、「真宗大谷派学校連合会」に加盟していることや、質問書への回答がないことに遺憾の意を表明した。 北海道教区などは昨年11月、教師資格のない種市政己理事長が就
※文化時報2023年3月3日号の掲載記事です。 真宗大谷派は2月22日、真宗本廟(東本願寺、京都市下京区)の御影堂と阿弥陀堂で同時に行う法要のリハーサルを行った。史上初めて行う形式で、3月25日から30日間にわたって行う宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要で営む。リハーサル前日には、法要と併せて行う関連行事の全容も発表した。 「如是我聞、一時佛在舍衛國…」。リハーサルでは、阿弥陀堂で始まった『仏説阿弥陀経』の発声に合わせて、御影堂内の僧侶たちが声を同調
※速報・独自ダネです。文化時報2023年3月14日号の掲載記事です。 ウェブサイト「宗教法人売買.net」を運営する自称僧侶のグループが、休眠宗教法人を節税目的で購入できると宣伝している問題で、行政手続きを担うグループの行政書士が、自身も宗教法人を買収した上で葬儀ビジネスに参入し、経営破綻させていたことが関係者への取材で分かった。この行政書士も僧侶を名乗っているが、宗教活動の実態は分かっていない。
※文化時報2023年2月14日号の掲載記事です。 和歌山県有田川町の西山浄土宗浄教寺(若宮秀朋住職)は、町指定文化財の絵像「十二天像」12幅の修復費用を募る「いもlabo浄教寺」を始めた。お手製の焼き芋を授与し、受け取った浄財500円を修復費用に充てる。お寺の存続を図るための一風変わった取り組みで、若宮住職は「自分らしくチャレンジしていきたい」と笑顔を見せる。(大橋学修) サツマイモをケーキ用のオーブンで焼き上げること4時間。軽く触れるだけで崩れそうになるほど、軟らか
※新聞掲載前の速報・独自ダネです。文化時報2023年3月10日号に掲載されます。 寺院の売買に携わった自称僧侶のグループが、休眠宗教法人を節税目的で購入できるとうたい、ホームページや会員制交流サイト(SNS)を通じて宣伝していることが、関係者への取材で分かった。宗教法人の収入を「税務署には把握できない」などとアピールし、一般企業などに買収を持ち掛けている。文化庁宗務課は「税金対策との宣伝は不適切。目的外の法人譲渡は、法の趣旨に反する」と指摘している。
※文化時報2023年2月24日号掲載の社説です。 性的少数者=用語解説=や同性婚を巡る差別発言を行った荒井勝喜首相秘書官が4日に更迭された。同性婚カップルに関し、記者団を前に「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」などと述べたという。言語道断であり、岸田文雄首相が更迭に踏み切ったのは当然だ。 一方で、この発言が録音や録画をせず、内容を報じないオフレコ(オフ・ザ・レコード)を前提とした取材の場でなされたことが物議を醸している。最初に報道した毎日新聞による「オフレコ破り」だ
※文化時報2022年9月6日号の掲載記事です。 「刑務所が福祉施設化しているし、福祉施設は刑務所化している」。8月24日、元国会議員で服役経験のある山本譲司さんの講演会が開かれた。山本さんの発した問題提起に、ハッとせざるを得なかった。 筆者は講演会の前に、関西圏にある刑務所へ面接に行った。そこには、頼るべき身寄りのない高齢女性がいた。出所の日が近い。 「出所しても行く所がないでしょう。住む所を用意しておきますから迎えに来ますね」と促しても「自分で何とかするから