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タイトル回収!初めての三瓶の涙/ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』第6話

「ちくっとしますよ」

「ちくっとしますよ」

「ちくっとします……」

ちょっと、ちょっと。このシーン、2人のかわいいアドリブ合戦!と思っていたら、台本通りだったのか(本人のストーリーズによって判明)。

「あたってないです」
「あたってます」
「あたってないです」
「あたってます」

こっちも台本通りなのかな? それとも、アドリブなのかな?

観ていない方には「はて?」状態だと思うが、視聴した方はこのシーン、悶絶したでしょ? しましたよね?(笑)

というわけで第6話の感想を、いざ。
今回も長めです……。

(以下、ドラマの内容をがっつり含みますので、ご視聴後にどうぞ)

西島会長がいきなり丘陵セントラル病院にやってきて、院長は大慌て。西島医療グループって、そんなに権力があるのか。会長は、ミヤビの件で大迫や綾野に対して迫る三瓶に、圧をかけるべくやって来たのだ。それでも三瓶はひるまなかった。婚約していた彼がミヤビを救いたい一心なのは当然だが、その前に一人の医者として、彼女の記憶障害に疑問を持ち、最善の道を探そうとしている。

ある男性がてんかんの発作を起こして救急搬送されたことから、ミヤビが関東医大で処方されている薬が抗てんかん薬だと知ったDr.三瓶は、彼女が過去にてんかん発作を起こしているのではないかという疑念を抱く。ところが、ミヤビを再び検査した彼は、今内服している薬の量では効果が薄いと判断。その裏に、何が隠されているのかをさらに探ることに。

ミヤビが関東医大で処方された薬を飲まない選択をしたのは、自分で確かめたかったからというのもあるだろうが、三瓶のことを信じたからじゃないだろうか。自分や母親を救ってくれた大迫教授を信頼している一方で、記憶にはないけれど自分を脳外科医として再生させ、常に寄り添ってくれる彼のことを。

そして運命の瞬間。

星前先生がいて良かった!

発作を起こしたミヤビを抱きしめながら、「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせる三瓶を観て、「愛しい人がこんな状態で、三瓶先生つらい、つらい」と、私はすでに心が崩れ落ちそうになっていたが、同時に「大迫教授、一体ミヤビちゃんをどうするつもりで!?」という怒りが込み上げてきた。いや、分かってるつもり、教授にはまだ何かあるんだよね。でも、自分との日々を忘れ、脳外科医としてのキャリアも失くし、恐怖と諦めの感情を行ったり来たりしながら記憶障害と向き合ってきたミヤビのことを考えると、医者としても人としても三瓶の怒りは当然である。

***

「こうすると、影はなくなります」

ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』第6話より

発作を起こした際に、ミヤビが発したことばだ。何度も言うけれど、若葉竜也さんの表情だけで分かる。台詞がなくても、分かる。ああ、これは2人にしか分からないことばで、しかもとてもとても三瓶には大切なことばなんだと。

そして綾野、綾野がついに動く。演じるのが怪しさ満点の岡山天音くんで、今回も「ミヤビの事故や記憶障害について、この男は何か知っているのか?」と匂わせていた。だが、彼には彼なりの事情があって。カテーテル手術の卓越した技術を身につけながら、実家の病院のために、経営者になるという西島会長との約束をのんだ綾野。それでも、ミヤビを救いたいのは彼も同じ。綾野が「医者」として三瓶と共闘する展開には、胸が熱くなる。彼は、ミヤビの事故や治療に何も関与していなかったってことだよね。西島麻衣の行動だって、ただ綾野のことが好きだからなんだよなあ。素直に生きていくって難しい。

大迫教授の見解に一部理解を示したものの、三瓶は教授がミヤビに嘘をついていたことに怒りを隠せない。涙をこらえて彼を問い詰める三瓶の姿に、もらい泣き。でも、もっとも涙を誘ったのは、三瓶が例の写真をひとり見つめながら、ミヤビとのできごとを回想するシーンだ。

発作を起こしたミヤビが発したことばは、かつて2人が交わした会話の一部だった。ゆらゆらと揺れる小さなろうそくの灯りに照らされながら、ちょこんと体育座りをした2人。彼らは、人形を買ったときと同じように「ですます調」で話している。まだ付き合う前なのか、それとも付き合って間もないのか。

「アンメット、直訳すると“満たされない”という意味です。できた影に光を当てても、また新しい影ができて、満たされない人が生まれてしまう。どうすればくまなく照らして、アンメットを無くせるのか。その答えを探しています」

ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』第6話より

ここでタイトル回収。三瓶が哀しげにそう語った後、ミヤビが彼に近づいて(寄り添ったようにも見える)発したのがあのことば。それを聞いたときの三瓶の表情が、完全にロックオンされた顔だったので、これがきっかけで関係が深まったのではないかと私は推察したのだが……。発作が起きたとき、ミヤビは「財布がない」「私が残ります」とも言っていた。もしかして旅先でのできごとなの? まだまだ、私たちには知らされていないことがあるように思う。 

ミヤビは、三瓶との思い出を覚えていた。覚えていたのだ。まさに、「記憶を失っても、そのとき感じた強い気持ちは残る」という事例じゃないか。三瓶が、涙をぬぐうように腕で顔を覆う姿に、私もたまらず泣いた。愛しい人の記憶は、このままよみがえるのか? 次回予告では、早くもそこに暗雲が立ち込めている……。

最近、2人が共演した映画『市子』をようやく鑑賞したので感想を書くつもりでいたが、6話について綴りたくなり、こちらを先に書くことにした。共演する映画やドラマではなかなか結ばれない2人なので(苦笑)、今度こそ幸せになってほしいと切に願っている。


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