向井理の新境地かもしれない/ドラマ『婚活探偵』

NHKのドラマ『ママさんバレーでつかまえて』がお気に入りだった自分にとって、コメディーの向井理さんが見られるとあって、テレ東さんのドラマ『婚活探偵』は今期楽しみにしていたドラマのひとつだ。

(以下、ドラマの内容を含みます)


向井さんが演じる主人公は、ハードボイルドな敏腕探偵・黒崎竜司41歳。元は刑事で、強面・愛煙家。普段は黒づくめの着こなしにサングラス、ガラケーを使っている。探偵事務所の後輩・八神(前田旺志郎くん)はそんな黒崎に憧れており、彼の発する言葉と仕草にいちいち感銘を受ける。

一見、恋愛や結婚に興味がなさそうな黒崎。実はただそういったことに不慣れなだけ。あるときこのまま独りは嫌だと思い立ち、周囲には内緒で結婚相談所に通い始める。相談所の婚活アドバイザー・城戸まどかを成海璃子さん、行きつけのバーのバーテンダーを橋本マナミさん、探偵事務所の所長をマキタスポーツさんが演じている。

(ここからは、第2話の内容を含みます)

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1話ごとに婚活相手とデートするのだが、慣れない黒崎が相手に好かれようと一生懸命努力する様子が、ユーモラスに描かれている。特に第2話では、かたくなにガラケー派だったのに、婚活相手の稲田明歩(佐津川愛美さん)が「LINEでやり取りしたい」と言うと、すぐにスマホを購入。しかし「LINEのアプリをインストールしてください」の意味がわからずに、画面を見つめてかたまる。アドバイザー・城戸さんの協力を得て、あたふたしながらも初LINEに成功。喜ぶシーンはハードボイルドからは程遠く「黒崎、ダサーッ!」と一瞬思わせるが、「でも憎めん!!」とすぐに心を掴まされる。微笑ましいのである。彼のキャラが確立されていて、応援したくなる。いや、これを向井理がやるからおもしろいのか。

黒崎はとても真面目な性格で、笑わせようとして笑わせるのではない。いつも真剣だから可笑しみが増す。そして受け取るこちら側は、次第に「黒崎、がんばって!」という気持ちになってくるのだ。

第2話で、婚活相手・明歩といい感じになり純粋に舞い上がるのだが、それが彼女のある思惑からだったことが終盤明かされ、パニックに。そんな黒崎に対応する城戸さんも、なかなかの強者だ。

深夜配信で観ていた私は、飲んでいた白湯を吹き出してしまい、こっちもパニック。とにかく、第2話の向井さんと佐津川さんの演じる婚活は最高におもしろい。佐津川さんはこういう役がハマるよなあと、再び2話を観てしまった。

新ドラマをいろいろ視聴しはじめたんだけど、まだ「視聴し続けるぞ!」というスイッチが入らない中、週末にクスクス笑いながら「来週も観なくちゃ」とスイッチオン。41歳の男が一生懸命なだけなのに。2度目を観ながら、以前向井さんが出演した回の『LIFE!』や『バイプレイヤーズ』を思い出し、彼のコメディーはそこはかとなく可笑しみが増すタイプだと改めて感じた。珍しいタイプの向井理に、ハマる人が増えるのではないかしら。

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