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文学と古書

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#小説

この世の果てまで後をつけるといふと、その人を殺してしまふしかないんだからね。川端…

川端康成の小説に、『みづうみ』という小説があって、これは所謂川端康成の「魔界」を描いた小…

雪雪
10か月前
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谷崎潤一郎の映画『お遊さま』と甲斐庄楠音

Amazon primeで『お遊さま』を観る。 溝口健二監督の映画で、タニジュン、即ち谷崎潤一郎原作…

雪雪
10か月前
19

塚本邦雄の暗黒小説 『父さん鵞鳥嬉遊曲集』

塚本邦雄といえば、絢爛たる短歌の大家であるが、そんなツカモンは小説もいっぱい書いていて、…

雪雪
10か月前
19

映画『狂った一頁』と小説『たんぽぽ』

川端康成脚本の映画に『狂った一頁』というものがある。 これは1926年の映画なので、大体1世…

雪雪
1年前
24

村上春樹を読みたいが、読めない

村上春樹の新刊が今年の4月に発売されるのだという。 タイトルも、内容も、まだ未発表。 私は…

雪雪
1年前
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私の夢  文章について思うこと

兎角言葉に世知辛い時代である。 言葉、というのは刃物であって、上手く扱わないと自分も怪我…

雪雪
1年前
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小説における魔術、或いは奇術

戦争から、きらめきと魔術的な美がついに奪い盗られてしまった。 とは、映像の世紀のナレーションで語られたチャーチルの言葉であるが、 これは、牧歌的な戦争から近代兵器の登場により、死者の桁が二桁増えた、大殺戮の時代の突入したことによる。 軍人の戦争から国民総動員の世界へと突入し、第一次大戦の4年間で1000万人が死んだ。 そして、第二次世界大戦では6000万人〜8000万人が死んだ。この頃は世界人口が25億人なので、とんでもない死者数だ。 魔術的な美、とはいえ、戦争は恐ろしい

私は私でしかないのだから

世の中には優れた傑物がたくさんいる。 文章でもそうだ。なので、人は文章の巧い人を崇めて、…

雪雪
1年前
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小説家の誕生と死亡 久坂葉子

小説家志望の方は巷に溢れている。 恐らくは、日々したくない仕事で糊口をしのぎ、空いた時間…

雪雪
1年前
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貧乏で書くか、金持ちで書くか。

川崎長太郎は私小説家であり、住んでいる家に激烈なインパクトを齎す作家である。実家の物置、…

雪雪
1年前
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虐待文学『にんじん』 を食べて強くなるということ 

虐待文学、という類の小説群が存在する。 或いは、絵画、漫画、映画、アニメーション、汎ゆる…

雪雪
1年前
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神西清の『垂水』と谷崎潤一郎の『細雪』/大正昭和の貴族精神

神西清はロシア文学の翻訳者として識られている。 チェーホフの作品の戯曲の訳などで、三島由…

雪雪
1年前
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読者と作者

小説の書き方に関して、様々な人の意見があり、その中には、読者を想定して書くこと、読者に伝…

雪雪
1年前
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丁寧に捻くれている/又吉直樹『月と散文』

新刊で購った『月と散文』を読む。 月、といえば、6月22日に発売される『FF16』の主題歌は米津玄師で、『月をみていた』と言うらしい。なんでも、米津玄師がFF用に書き下ろした楽曲とのこと。 どうでもいいが、私は『FF16』は発売日に購入する予定はない。まず、PS5はないし、PS4もほぼ起動していないため、『FF16』に投じるにはリターンがあまりにも少ない。かつ、『FFⅦリバース』は無論気になるが、この2本のためにPS5は、うーん、なんじゃらほい……という感じである。 で