試し斬りばっかやってると動きが消えないのは何故か?

とある弟子が己の師匠に質問した。

最近は試し斬りが横行しております。しかし、「そういった」事ばかりやっている者達を見ると「斬っている物」を見ずに「動きのみ」を観察していると「動きがよく見える」のは何故でしょうか?

それはいい事に気が付いた。
確かに、今ある「試し斬り」モドキは全て「ただ好き勝手に物を斬っているだけ」なので、「動きが見え見え」で武術で最も大事な「消える動き」にはならないのである。

どうして試し斬りばかりの者達は「動きが見えて」しまうのでしょうか?

それは動きが「一致」していないからである。
物を斬るために「己の斬りやすい」動きをするため「動きが見えてしまう」のである。そんなものは「武術」「消える動き」とは言えん。「まがいもの」である。

どうすれば「消える動き」つまり、「武術の動き」のまま物を斬る事ができるのでしょうか?

武術とは物を斬る事ではない。
「消える動き」そのものが「武術」である。

しかし、それは「ただ斬れない」言い訳だと言う者達もおります。

その者達は「武術」「消える動き」ができるのであるか?

いいえ、その者達は「斬る事」はできても「消す事」はできません。

ならばそのような試し斬りモドキなどどうでもよい。
「消える動き」つまり「武術」の動きのまま「試し斬り」を行えばよい。
それが真の「試し斬りである」

分りました。
それでは「型」通りに「消える動き」のまま「試し斬り」を稽古いたします。

その弟子は「動きが一つ」に収まりきる「消える動き」のまま青竹を横に斬った。


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