見出し画像

賃貸派だった私が持ち家派に!? 「家を持っても自由でいたい」を目指した結果は?

賃貸VS持ち家論争ってよく聞くけれど、投資的・経済的な観点からドライに語られることが多い。

そこには大切な要素が抜けている。


1.場所に縛られない自由を求めていた


これまでの人生、戸建ての持ち家に住んだことがありませんでした。

小さい頃は社宅住まい(転勤族というやつ)。社会人になって実家を出てからもずっと賃貸暮らしで、海外に滞在していた時も賃貸シェア生活でした。

「夢のマイホーム」という言葉は、私の人生には入る余地がなかったので、考えたことすらありませんでした。たとえ金銭的なことがたとえクリアできたとしても、自分の家を持ちたいと思ったことがなかったのです。

根なし草のように移動が多く、思い立ったら海外で暮らしてみたり、東京から地方都市に突然移住したりするような人は、一つの場所に居を構えたいなんていう思考にはなりませんよね。

未来の自分の人生がイメージできなかった私は、場所に縛られたくない、と自由を優先してきました。


オーストラリアで住んでいたシェアハウス
愛媛に来てから住んでいた賃貸アパート
賃貸で十分と思っていました。


2.自分の家が心の底から欲しくなった理由


人生のフェイズによって人の気持ちというのは変化してくものです。生涯家は持たないくていいと思っていた私ですが、40代に入ってから心境が変化し始めました。自分の家を手に入れたいという気持ちが強くなったのです。

その理由は、求める暮らしが明確になってきたから。

「家が欲しい」が先ではなく、あくまででも「自分の求める暮らしや人生が先にあるということですね。この一番重要な部分をおさえた上で、「仕事」や「住む場所」や「家」が後からついてくる。

私自身の人生に求めるものが大きく変化し、やっと「家」という順番が回ってきたという流れでした。

自然素材の家づくりを仕事にしているのに、ビニールクロス貼りの空間に住んでいることに耐えがたくなりました。


格安賃貸仕様の空間にしか住んだことのない人が「自然素材の家いいですよ」なんて言ったって、まったく説得力がありません! 


設計事務所を立ち上げたタイミングでもありました。


3.賃貸VS持ち家論争に欠けている重要な要素


賃貸VS持ち家論争ってよく聞くけれど、投資的な観点からドライに語られることが多い。そこには大切な要素が抜けている。

日々の生活で感じられる小さな幸福。それは投資的視点では測ることはできません。暮らしの場というのは住む環境、人間関係も含めて幸福度を大きく左右します。

「家なんて持たなくていいよ」と親切にアドバイスをくれる人に対しては、「あなたの人生ではね」とニッコリ微笑んで答えることになる。

あなたにはあなた、私には私の人生がある。

4.家を買うと自由を失うのか?


自由を失うことを何よりも恐れていた私は、「自分の家が欲しい」という願望と「自由でいたい」という願望をどちらも叶えられないか、と考えるようになりました。

そこで、家を持っても自由でいられるようにしたらいいじゃないか、と考えるようにしてみました。具体的には、ローンに縛られるのではなく、手持ち資金現金一括で買える家にしよう、と決めたのです。

お金持ちではないので手持ち資金は限られている。だからといって欲しいものをあきらめるのではなく、すべてうまくいくようにできないかなあ、と夢想するようになりました。

まずやったことは欲しいものを明確にリストに書きだすことでした。

家と暮らしについて

  • 住居兼事務所

  • 敷地内に広い庭

  • 好きなように手を入れられる家

  • 土壁の家(現在の家づくりでは超高級品で貴重)

  • 仕事や料理をしながら庭が見える

  • シェアハウスもしてみたい

  • 猫を飼う

周辺環境について

  • 海の近く

  • 田舎過ぎない

  • 徒歩圏内にスーパーがある

  • 車で30分ほどで街中に出れる

  • 本州にも出やすい(ここは四国の愛媛県)

歩いて海まで行ってビーチでお酒が飲みたいな、と思ってました。


街中にも出やすく便利なところがいい、というのもリストにありました。


5.欲張ったら全部実現できました


海の側の広い敷地で、かつ便利。住居兼事務所は、設計事務所としての来客スペースにもなるので、素人DIYのような空間ではなく、自分の思い描くそれなりの空間をつくりたい。

限られた自己資金で現金一括ですべてを手に入れようなんて、これは何でも欲張りすぎなんじゃないか!と思いますよね。私もそう思っていました。

自分でも驚くことに、上記のリスト全部叶ってしまいました

今から3年前、海の側に築53年の土壁の家がある100坪の敷地を手に入れたのです。海まで徒歩10秒。特急が止まるJRの駅まで徒歩7分、スーパーまで徒歩8分。街の中心地までは車で約30分。

前年度に予想外にたくさん稼げたことと、イメージに合う不動産の話が友人を通じてやってきたこと、特殊な土地で格安だったことが実現につながりました。はっきりとリストに書き出してから一年足らずで起こりました。

旦那(パートナー)からは金銭的な援助をまったく受けていないので、純粋に私だけの資金でやりました。ここも自由でいるために(決定権の自由を得るために)私にとっては重要なポイントでした。

100坪の敷地の半分は庭をつくりました(家からの景色)。


土壁の家を自然素材でリノベしました。
電気配線や水道配管をすべて新しく替えて、新築のような快適さになりました。
仕事スペースつくりました。
猫飼いました。
家の裏からの景色。徒歩10秒で海へ。
歩いてすぐ行けるビーチ(瀬戸内海)


6.買った家が負債ではなく資産&投資になった


戸建て&持ち家に住んでから生活がぐっと豊かになりました。日々の幸せ度は何十倍もに上がりました

もちろん単に持ち家といってもそれぞれの暮らしは色とりどり。私の場合は家を持ったことで、自分を幸せにしてくれる日常のちょっとしたことや環境をつくりやすくなるんだなあと実感してます。

賃貸VS持ち家論で語られる投資的・経済的側面からも理に適うものとなりました。自分の事務所やシェアハウスとしても使っているため、負債ではなく資産そして投資となったからです。

経済的に縛られないだけでなく、土地にも縛られる必要はないと考えています。違う場所に住みたくなったら迷わずにその選択肢をとったらいい。きれいなビーチがすぐ側なのに便利な場所なので、賃貸や民泊にもしやすいし、売却もしやすいからです(実際にこの周辺の土地は人気が高くてすぐ売れる)。

もともとあったキッチンは残し、シェアメイト専用に。


人生の方向性や求める暮らしが明確になってきて、理想とする暮らしを思い描くことからすべてははじまりました。みなさんは理想とする暮らしを思い描いていますか?

賃貸でも持ち家でも、日々の生活が充実していて幸せを感じられるならどっちでもいいよね、というのが私の結論です。


新しくつくったキッチン。生活の質・豊かさが何十倍もアップしました。
人がよく来てくれるようになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?