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物を捨てることが苦手な両親

物を持たない生活に憧れる。
でもやっぱり難しいなぁと感じる。

若い頃「ゆるりまい」さんという方の本を読んだ。

断捨離しすぎてモデルルームみたいな部屋にご家族で住んでいる。
写真を見た感じ、本当に部屋の中は「がらーん」としている。
無駄が全くない。なさすぎる。
ここまで突き詰めたらミニマリストも凄いなと衝撃を受けた記憶がある。

ゆるりさんは幼少期、物にあふれた実家で育った。
それがある日、断捨離に目覚めて、「がらーん」な物がない部屋に行き着いた。
私自身も子どもの頃は物に溢れている家で育った。
汚部屋ではないが、とにかく物が多かった。
父も捨てられない人だったが、母がそれ以上に酷かった。
高級品には興味がない人たちだったが、とにかく安いもので形やデザインが気に入ったら買ってくる。
「似たようなものを持ってるやん!」と余計なひとことを言えば、拗ねる。
私は母親のそういう所が、あまり好きではなかった。
父も母も世代的に欲しい物を買ってもらえない子ども時代を過ごしていたとは聞いていたので、その反動もあったかもしれない。
友達の家に遊びに行ったときなど、家がガチャガチャと物に溢れてなくて驚いたことを覚えている。

大人になってひとり暮しを始めてからは物を持たない暮らしを意識した。
周りからは実家を出る意味ある?とは言われたが、とにかくあのガチャガチャ物に溢れた家から脱出したかった。
完全なミニマリストとは名乗れないが、家に置くものは厳選している。
ゆるりさんの本を読んだ時、あのモデルルームみたいな部屋は、とてもじゃないけど真似できないと思った。
真似はできないが、お気に入りの物に囲まれて生活すれば毎日楽しいという考え方には強く惹かれた。
本にはゆるりさんこだわりの厳選された物が紹介されている。
ひとつひとつの物に愛着を持って丁寧にお手入れしているゆるりさんに憧れた。
私も買い物をするときは本当に欲しいものかを確認して買うようになった。
「これは!」と思った物だけを厳選して家には置いている。
物欲自体も年齢を重ねていくと共に、なくなっていることに気付く。
この傾向が良いことなのか、悪いことなのかは分からない。

実家はまだ物に溢れている。
一度引越しをしたときに、相当の量を処分したが、それでも驚くぐらい溢れている。
広めの物置部屋がパンパンなのだ。
自分の管理能力以上の物が家にありすぎるのだと思う。
親が自分たちで働いて稼いだお金で買ったものだから、処分してくれとは言いにくい。
将来亡くなったあとに、業者に依頼して処分コースだとは考えている。
その為のお金は残しておいて欲しい…。
私自身も持たない暮らしを意識するようになったが、弟も同じ様にできるだけ持たない暮らしをしている。
親が物を捨てられないタイプだったからこそ、子どもはそれを見て学習して、逆のタイプになるのかもしれない。
この辺は育ってきた環境もあるだろう。
親の時代と私たちの時代の豊かさは違う。
ついでに稼げる給料も違うからこそ、ミニマリストな暮らし方が流行るのかもしれない。

ゆるりさんはその後、お子さんを産んだ。
お子さんを産んだあと、あのモデルルームみたいな部屋を維持しているのかは知らないが、続編もあるらしい。
ミニマリストはどこまで極めるのかを少し見てみたい。


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