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印刷ミスでちまちまと訂正シールを貼っていた頃の話

新卒で一般企業の情報システム部に社内SEとして入社した。
最近、新卒時の仕事について書いた記事を修正した。
もし、お時間ある方で社内SEが気になる方は読んで欲しい。

勿論入社当時は社内SEの経験なんてない私は、少しずつ教えてもらいながら仕事を覚えていく必要があったので、即戦力にはならなかった。

そんな中、会社の商品のパンフレットを作ってみないかと言われた。
私が大学でデザインを学んでいたことを面接時に話していたので、お試しで作ってみないかという提案だった。
私はチャンスだ!と思い引き受けた。
社内SEの仕事が嫌ではなかったが、自分が心のどこかでやりたかった仕事のチャンスを貰えた事がとても嬉しかったのだと思う。

初めて作ったパンフレットの評判は良かった。
そこから社内からパンレットの作成やデザイン関連の仕事を任されるようになった。
今思えばインハウスデザイナーと言われる仕事だったかもしれない。
業務用の商品パッケージなども担当し、自分がデザインしたパッケージの商品ができあがった時の感動は今でも忘れない。
商品パッケージよりパンフレットの方が作る頻度は高かった。
取引先や展示会等のイベントで商品説明をする際や、得意先に商品の案内を送付する時にパンフレットは使用される。
社内から依頼があって、デザインを作成して、チェックに回して、修正して、印刷会社に入稿をする。
私はパンフレットのデザインを考える事よりも、商品の使用方法などのちょっとしたイラストを描くのが好きだった。

毎日システムやIT関連のOJTがあり、その合間にパンフレットを作成していた。
振り返るとよく両立して仕事を回していたなと自分では思う。
たくさんの商品パンフレットを作成して、会社の棚にたくさん並んだ。
とても忙しかったが、パンフレットはそれなりの効果はあったようで、会社や社員さんの役に立ててる事が純粋に嬉しかった。

この頃は単純に作る事が楽しかったと思う。
デザイン業務を担当する人間としてダメだと思うが、あまりターゲット層やデザインする目的を明確にして制作していなかった。
日々の業務に追われていた事もあるが「何のためにデザインをするのか」という向き合い方が甘かったと思う。
商品の魅力を伝えるため、買ってもらうためというよりは、あくまで「美術が好きな奴の作品作り」の延長みたいな感覚でデザインに取り組んでいた。

失敗もたくさんした。
会社が力を入れて売ろうとしている商品の価格表の価格を間違って記載してしまい、休憩時間にチマチマと訂正シールを貼り続けた事も良い思い出になっている。
会社から貰った価格表が既に間違っていたのだから対処のしようがない。
あの時の事を思い出すと、もう一度確認しとけば…とは思う。
この時ばかりは、もう紙媒体の仕事したくねぇ…と思った。
私がWEBに興味を持ったのも、WEB媒体だったら、間違ってもすぐに修正できるんじゃね??という浅はかな考えがきっかけだ。
デザインを担当する人が社内に私ひとりだった事もあってか、失敗をしてもあまり責められるような会社ではなかった。
失敗に寛大な環境は心の底から助かった。

結局デザイン業務は1年ぐらい続けた。
この辺で社内SE業務とデザイン業務の両立が出来なくなってきた。
社内SEの仕事が忙しくなってしまった事が原因だ。
私もデザイン業務でミスが続き、どちらかに専念しようという話になった。
ちょうど社内でデザインをやりたいという人が居たので、その人に任せる事になった。
別にそこに異論はなかったが、少しだけ後ろ髪を引かれるような寂しい気持ちになった。
やっぱり少しだけ未練があったのかもしれない。

ミスが多かったし、次から次へとバンバン作れるようなタイプではなかった私はデザインに向いてないんだろうなぁと思っていた。
その後はデザインの仕事をする事はなかったが、またチャンスを貰って仕事をする事になった。

人生何が起きるか分からないもんだと思った。
この記事でも書いた通り、サービスや商品の魅力などを伝える為などの目的があって、初めてデザインするんだという事を意識するようになった。
これは会社員時代にパンフレットを作成していた時には考えていなかった事だった。
でもあの経験があったから、当時は見えていなかった事が、今は少しだけ見えるようになったような気がする。
少しでもあの頃より自分の成長を感じられた事が嬉しかった。

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