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放射能をもつ物質を使って絵を描いている。 写真のフィルムは、目に見える光だけじゃなく、放…
「美しいでしょう」 宝石商の男が取り出したのは、たしかに美しい宝石だった。研磨のみでカッ…
「お父さん、これ何?」 娘が持っているのは古びた和傘だ。傘を見て、昔の記憶がよみがえった…
丘の上、灰色の空を背景にして石造りの塔が建っている。 身長より大きな扉の前に立って頂上を…
ついに彼女とひとつになれる。 このために生きてきたといってもいい。人生で最高の体験になる…
夕暮れなのか、夜明け前なのか。 空気はひんやりと冷たくて、インクが溶けたような青色だ。 路…
「お父さんって何座生まれ?」 雑誌の十二星座占いを読んでいた私は訊ねた。 「へびつかい座だよ」 「そんな星座載ってない。また適当なこと言って」 「ほんとだよ。へびつかい座β星の第1惑星で生まれたんだ。15年前、地球にやってきたときに偶然出会ったお母さんと結婚することになって……」 「あーそう。お父さん、宇宙人だったの?」 銀色の円盤が空から降りてくるのを見つめながら、中学生のときの父との会話がフラッシュバックした。完全に冗談だと思って聞き流していたが、まさか本当だったとは。
放課後。このまま帰っても塾に行くだけだから、ぐずぐずと校庭で遊んでいる子たちを校舎の窓か…
これ以上は耐えられない。全身を襲う激痛のせいで、自宅のベッドから動くこともできない。有効…
このまえ食べたチョコレート、とんでもなく大きかった。どれくらい大きいか? 両腕を広げたく…
スポットライトのような明かりがブランコに座っている初老の男を照らし出している。それ以外は…
「今日の授業はガラスについて。窓を見てください。なぜガラスは透明なのでしょうか。まずガラ…
寄宿舎からの校舎までの道は森の中を通っている。 「森に生えているラズベリーは決して食べて…
そろそろ寝ようかなと思いながらベッドで本を読んでいた。 部屋に猫が入ってきた。うちは猫は飼っていない。くわえてきた何かを目の前で落とした。 折りたたまれた紙だ。広げてみるとなにか書いてある。死んだはずの兄からの名前が書いてあった。 "おれは死んだんだよな? こんな手紙の書きだしはおかしいけど、なにをどう書いていいのか……いきなりでわけがわからないと思うけど、自分でもわかっていないことだらけなんだ。ここは、地獄や天国というかんじじゃないけど、死後の世界なんだろう。猫というのはこ