恋人と核

ついに彼女とひとつになれる。
このために生きてきたといってもいい。人生で最高の体験になるはずだ。
からめた指と指、口づけした唇と唇、境界がなくなりひとつに溶け合っていく。
体の奥にある核が動きはじめるのを感じる。溶けてひとつになった体の中で僕の核と彼女の核が混ざり合い、ふたたび分裂する。
快感が大きくなっていき頭の中で光が爆発した。
二人でベッドの上で目覚めた。鏡はないが、横に寝ている彼女の顔と、僕の顔は双子のようにそっくりなんだろう。
自分のなかに「彼」と「彼女」を感じる。僕たち二人は自分自身の親であり同時に彼らの子どもでもある。


ろきせの今日のお題は「恋人」「核」
https://shindanmaker.com/981568

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?