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【土佐北川・新改】往復サンライズ、お気楽高知旅【後編】

ども!ゆさっちです。

四国高知を巡る旅の2日目、宿のベッドで心地よく朝の目覚めを迎えました。
窓を開けると朝の山里の冷気が寝起きの状態から一気に感覚を鋭敏にしてくれます。
遠くで聞こえるうぐいすの鳴き声、路傍の花壇の手入れをする人、農作業に向かう軽トラ。
この山里にとってはいつもどおりの平和な朝の光景。
そんな光景をいっとき共有させてもらうことも旅の醍醐味です。

今日、一番に乗る列車は9:00発、まだまだ時間があります。
それまで、部屋の窓を開け放ったまま、山鳥のさえずりや、のどかな生活の音をBGMに旅の準備をするとしましょう。

朝ご飯は充実のひとことでした。
お刺身もついていて、これを卵かけごはんとミックスして食べるんです。
ぜいたくぜいたく。(*´ω`*)
午前中のエネルギー補給はばっちりです。

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宿の方に最寄りの荷稲駅まで送っていただきました。
心づくしの暖かいおもてなしに感謝です。
ゆさっちのnoteをご覧になりたいとおっしゃってましたが、見ていただけたでしょうか。
ところで荷稲駅、ぱっと読めませんよね。
これで「かいな」と読みます。

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土佐くろしお鉄道中村線に属するこの駅が今日の鉄旅のスタート。
まずは昨日のゴール地点の窪川駅に向かいます。

この駅も片側には深い森を擁した山肌が迫り、反対側はのどかな田園風景が広がり、列車を待つ時間を楽しむことができました。

さあ、列車がやってきました。
この列車で土讃線との接続駅、窪川(くぼかわ)までまいります。

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さて、この荷稲駅と次の若井駅との間には面白いポイントがあります。
この駅間でこの中村線とJRの予土線が合流するのですが・・・。
普通、合流といえば、漢字の「人」、アルファベットの「Y」の様な形を想像しますよね。
しかし、中村線と予土線の合流点付近で、標高の差がありすぎて、普通の形での合流ができないのです。
どうするのかというと、こうです。

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左から来る予土線に右下からくる中村線が、ぐるーっと左回りに旋回しながら降下する距離を稼いで合流するのです。
このループの部分は、ほとんどトンネルなので地図でお伝えしました。
2日目訪れるところは、地図で見ると面白いところばかり、逐一ご紹介していきますね。(´∀`)

窪川駅に到着です。

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駅の中にはくつろげるスペースが、休憩しながら列車をまちます。

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そうそう、こんな噂を聞きました。
このあたりに幻の新幹線が出没すると。
そんなわけないじゃないですか、線路の幅も違うし、そもそも非電化だし・・・ねぇ・・・∑(°口°๑)
こ・・これは。

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ど・・どこから見ても0系新幹線じゃないですかぁ!(棒読み)


この列車の正体は新幹線の着ぐるみ?を着たキハ32なのです。
この新幹線ができた経緯はわかりませんが、JR四国はJRで唯一新幹線を持っていないのと愛媛県の新居浜市が「新幹線の父」と言われた十河信二第4代国鉄総裁の出身地であることが関係しているようです。
中の座席には本物の0系のものが使われていたり、鉄道模型が飾ってあったりと楽しそうです。(*´∀`*)
次の機会には童心に返ってこの列車で宇和島方面に足を伸ばしたいです。

さて、小一時間待って乗り継ぎの列車がやってきました。
「あしずり6号」高知行、使われている車輌は2000系気動車です。

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2000系のデビューは1989年、元号でいうと平成元年です。
今年(2021年)3月に「南風」や「しまんと」の運用を1日目に乗った2700系に譲りましたが、この区間ではバリバリの現役です。

新鋭車輌ではありませんが、振り子式制御装置搭載。
それまで90km/hの速度制限のあった半径600mのカーブを120km/hのフルスピードで駆け抜け、速達化に貢献しました。

車内の様子はこんな感じです。
年季を感じさせる、シックな内装です。
でも、振り子特急の意地、2700系に劣らぬハングオンでハイスピードでカーブに突っ込んでいきます。

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快足を飛ばして、あっという間に高知到着。
四国に来たとき、いつもお世話になってる2000系。
これからもよろしくね。

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さて乗り継ぎの列車までかなり時間があります。
高知駅で家内にお土産を買って、駅の近くで腹ごしらえをしていきましょう。
そういえば、昨日乗換で降りた須崎(すさき)の名物に鍋焼きラーメンなるものがあったのですが、時間の関係でスルーしてしまいました。
高知駅の近くにもおいしいお店があるというので行ってみましょう。

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ラーメン(大)とご飯(小)をオーダーしました。
待つことしばし・・・・来ました。

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ぱかっ!
具は卵、ニラ、竹輪、そぼろ状の鶏肉も入っていますね。

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スープは鶏ベースの甘く濃厚な味わい、麺は細くバリ固のストレート麺、卵以外の具と麺を先にいただきます。

そして食べ終わった後はご飯を鍋にin! and mix!
おじやの完成です。

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う、うまっ!甘いスープとご飯の相性が抜群です!
皆さん、鍋ラーメンの時はご飯も一緒にオーダーしましょうね!
お勧めです。v(´∀`*v)

お腹を満たしたあとは、駅前で幕末の志士たちにご挨拶です。

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さて時間がきました。
阿波池田行の普通列車に乗ります。

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土曜の昼下がり、車内は部活帰りの生徒で大混雑です。

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土佐山田で一気にほぼ全員がおりて、乗客は3人ほどに。

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ここから列車は四国山地の山深いところに入り、一気に秘境区間へ。

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そして、今日最初の訪問地土佐北川駅に到着です。
まずは地図で確認してみましょう。

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はい、川の真上に駅がありますね。
実際のホームの写真を見てみましょう。

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おわかりでしょうか。
この駅鉄橋のどまんなかにあるんです。
付近に集落らしきものはあるものの、両サイドをトンネルに挟まれ、ここしか駅を作る場所がなかったんですね。

階段を降りていくと突き当たり左手に待合室があります。

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駅ノートがあったのでちょこっと足跡を残しました。

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お昼の時間帯の列車はほぼ皆無。
なにげに到達困難度は高いです。

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外に出てみましょう。

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ちょっと離れた場所から、駅全景というか鉄橋をパチリ。

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さて、先ほどの地図に気になる表記がありました。
お気づきできしたか?
そう、駅前食堂があるのです。
この駅、1日の平均乗降客数は8人なのですが・・・。
目の前を国道が通っているのでドライバーの方を対象としているのでしょう。
ぜひ食事をしてみたかったのですが、ご多分に漏れず例の件で臨時休業でした。
残念。

さて高知行の普通列車でバック、次の駅に向かいますよ。

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次に降りるのは新改(しんがい)駅です。

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ここも地図を出しておきますね。

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本線から線路が枝分かれして、駅のところで途切れてますよね、終着駅なんでしょうか?
え?スイッチバックじゃないかって?
正解!v(´∀`*v)

では、写真で見てみましょう。
手前が阿波池田方向、正面が高知方面、本線です。
左奥にスイッチバックするための引き込み線、右手前が新改駅方面です。

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列車は引き込み線に入ると進行方向を変え、駅方向に入ります。
新改駅は左奥にあります。

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行ったきたを経て、到着です。

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四国のスイッチバックの秘境駅と言えば坪尻(つぼじり)とここでしょう。
坪尻は秘境駅としてメジャーになり、綺麗に整備されて、観光列車も停まりますが、ここはひっそりと潜むように山あいの景色に同化しています。

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最寄の集落までは1km以上あるようです。

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行き止まりの線路は森の中に消えていくようでした。

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木箱を開けてみると駅ノートが。

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もちろん、ちょこっと足跡を残しました。

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五感に入ってくるのは、木の葉のざわめき、山鳥の声、頬をなでる風。
それらを楽しみながら、コニャックの入ったスキットルを傾けます。
豊かな自然の中でのコニャックの華やかな酔い心地は格別のものがあります。

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そろそろ列車の時間、と思ったとき、少し離れたところで車の停まる音が。
1組のカップルがやってきました。
男性の方は、この駅に人がいたのが意外だったのか「列車で着たんですか?坪尻っていったことあります?」と矢継ぎ早に話しかけてきました。
女性の方は非鉄のようで、訳のわからないところに連れてこられてどうしたらよいか分からない様子。
まあ、そうでしょうね(´∀`; )
さて、列車がやってきました。

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さよなら新改駅、楽しかったよ。
ホームでカップルの彼氏が列車を見送っています。(´∀`; )

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大杉(おおすぎ)駅で特急に乗りつぎます。
40分ほど時間があります。外に出てみましょう。

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特急が停まるのが意外なほど、小さな無人駅です。

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時刻は17時を回っています。
今日、初めて訪れ通りすがるこの小さな街も静かな夕暮れを迎えています。
家路を急ぐ子供たち。釣り人たちは川から戻り、今日の釣果に話が弾んでいます。

異邦人のような自分とそんな光景が交錯するとき、旅をしている喜びを感じます。変わってますかね?(´∀`; )

さあ高松行の「しまんと6号」がやってきました。
往路の南風と同じ2700系、高松までの快適な旅は約束されています。
明日のこの時間には自宅で旅装を解き、いつもどおりの日曜日を過ごしていることでしょう。
実感がわかないのと同時に寂しくもあります。

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乗降口から入ると外を振り返り、四国山地の山々を目に焼き付けながら「また来るよ」と心の中でつぶやきました。
扉がしまり、景色が流れていきます。
「しまんと6号」はハイスピードで自分をいつもの世界に引き戻していきます。
座席から暮れなずむ光景をぼんやりと眺めながら今回の旅を思い返していました。
(了)

追記
四国の旅、前後編、ご覧いただきありがとうございました。
次回は帰りのサンライズを主題に「サンライズ編」的なものを書いてみたいと思います。
旅行記に加え、寝台列車への想いにも触れたいと思っています。
よろしければ、またご覧ください。ヾ(*´∀`*)ノ

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