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「わかりやすさ」はエンターテイメント


広告コピーを読むのが好きです。

読むというよりは出合うと表現するのかな?
本来はその商品の宣伝であるはずなのに、そう思わせないというか、もはや「宣伝」の域を超えて、目にする人の心に刺さるものってありますよね。

スパッと短い文章で、時にはドキッとさせられたり、なるほどなぁ・・・と考えさせられたり。そんなコピーに出合うのが好きなんです。それは、noteですてきな記事に出合うのと似ているかもしれません。(↓関連記事)



私の好きなコピーライターのひとり、岩崎俊一さんの言葉に、こういうものがあります。



“わかりやすさ“は、上質なエンターテイメントである

岩崎俊一さんの言葉


岩崎さんがこの言葉の例として出していたのが、池上彰さんのお話でした。

彼のニュース解説は、なぜあんなに人気があるのか。

それは「わかりやすいから」。

政治や経済、国際問題など、難しそうで一見とっつきにくいと思われるようなものも、池上さんが語ると、ふしぎと腑に落ちます。
優しい口調で、わかりやすい言葉を選び、それが心地良いリズムでスイスイと頭の中に入ってくる。恥ずかしながら私は国際問題のニュースに疎いのですが、池上さんの番組を見て「あ〜そう言うことだったのね!」といつもテレビの前で頷いています。


「なるほど」があり、「へえ」があり、「そうだったのか」がある。驚きや発見は、見るものにとって快感なのである。わかりやすさとは、実はエンターテイメントだったのですね。

岩崎俊一さんの言葉


これって、どの分野にも共通しているなと思います。


ブログやnoteも、スイスイ読めて「なるほど」があったり、「どきどき」があったり、「わくわく」がある記事は惹きつけられますよね。

広告コピーも(ボディコピーやビジュアルもふくめて一つのものとして)、多くの人の心に刺さるすばらしいものは、まず、"わかりやすさ"があるんだなぁと感じます。

そして、わかりやすさが前提としてないと、心を揺さぶられることはないのだなと思います。
岩崎俊一さんの言う「わかりやすさ」とは、言葉づかいや言葉選び、リズムやテンポの良さ。文章の場合は改行の仕方も影響する。

わかりやすさがあってはじめて、感動がある。
それこそがエンターテイメントなんだなと思いました。


ここで、岩崎俊一さんのコピーの中から、私の好きな作品をひとつ紹介します。



幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。

ほっともっとのポスター(ボディコピーは除く)


このコピーは、ほっともっとの広告ポスターのもので、たった1枚のポスターからいろんな情景が思い浮かぶ、まさにエンターテイメントだと思わされるものです。

これを読むと、ごはんがもう間もなく炊き上がるときのわくわく感とか、お米の香りが頭に浮かびます。

ごはんが炊き上がると、炊飯器の蓋をそっとあける。白い蒸気が天井にふわっとのぼっていく。蒸気が消えさると、ツヤツヤでふっくらしたお米がジャーの中にきれいにならんでいる。この瞬間って、なんでもないけれど日常の尊さを感じる気がします。子どもの頃を思い出すというか。心の温度がほんのちょっと上がるような。私にとって、なつかしくて、いとおしい気持ちになるコピーです。


あぁ。誰かの心を動かせる文章、コピーってほんとうにかっこいい。

そんなものにもっと出合いたいし、私も書けるようになりないな。
そうしみじみ思いながら眠りにつく金曜の夜です。

読んでくださりありがとうございました。


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