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卵子凍結をした理由

私が卵子凍結を実際に行おうと思った理由をまとめてみました。

①考える時間をちょっと延ばしたい

 私が卵子凍結をした一つ目の理由は、タイトル通りなのですが、子供を産むことについて、もう少し悩む時間を延ばせたらいいな、という期待からでした。
 私は36歳を過ぎたあたりからようやく「子供を産みたいか」「産むべきか」といったことを真剣に自問するようになりました。しかし、これまできちんと向き合ってこなかったツケなのか、適齢期はとうの昔に過ぎているにもかかわらず、いざ真面目に考えてみてもすぐに答えの出るものではありませんでした。
 「子なしの人生も楽しいから良いか」、なんて友達と楽しく話した翌日に、「やっぱり子供を産むべきなのかな」と思ったりする。そんな悶々とした日々を過ごしながら、一方で時間の流れは止められず、自分の生殖機能は順調に歳を重ねていき、焦りが募るようになりました。
 そんな中、卵子凍結についての記事や情報を目にし、卵子凍結を行えば、もう少しこの焦りを和らげることが出来るのではないか、もうちょっとゆったりした気持ちで構えられるんじゃないか、なんてことを考えるようになりました。卵子凍結は(とりわけ37歳での卵子凍結は)、将来の妊娠に対する完全なソリューションにはならず、「子供を産みたいか」という根本的な問いの解決にはならないけれど、ほんの少しでも考える猶予が与えられるんじゃないかな、と。

②恋愛に対するアプローチを変えたい

 私が卵子凍結をした二つ目の理由は、卵子凍結をすれば、恋愛の仕方がもう少し自由になるのではないか、と思ったからです。
 「子供を産みたいかどうか」を意識し始めてからの私は、恋愛に向かう際に自然と、「自分が子供を産むかもしれない相手」という要素を盛り込むようになった気がします。相手のことが好きかどうか、ということと同等か、それ以上に、「この人と将来子どもを作ることがあるのだろうか」という問いに対する答えを、潜在的にその恋愛関係の中に求めていました。
 とはいえ恥ずかしいのですが、私はそもそもお互いの将来を見据えて、ライフプランや価値観を擦り合わせながらする理知的な恋愛が、全くもって得意ではありません。たとえ短期間で別れてしまっても、その場その場でドキドキするような恋愛を楽しみたい性格です。なので、「子供を産みたいか」という大きな問いを頭の端に抱えながらする恋愛に苦しい気持ちになり、次第に恋愛自体に前向きになれなくなっていました。
 そして、この恋愛のジレンマをなんとか解消できないかな、という思いが、卵子凍結に繋がっています。「①考える時間をちょっと延ばしたい」と重なる部分でもあるのですが、卵子凍結をすることで(少なくとも向こう1年くらいは?)、恋愛においても「子供を産みたいか」という問いを一旦先延ばしにして楽しめるのではないか、という仮説です。「子供を産むか産まないかのステップとしての恋愛」から解放された、自由でマイペースな恋愛を、卵子凍結は実現してくれるかもしれない、という淡い期待がありました。

③卵子凍結という技術に興味があった

 私が卵子凍結をした三つ目の理由は、「卵子凍結」という技術自体に、とても強い興味を持ったからです。
 「卵子を凍結保存できる」という技術の存在は、私にはかなり画期的に映り、誤解を恐れず書きますが、20代前半に全身脱毛をしたときのような感覚で、シンプルに「やってみたい」「試してみたい」と思いました。経験者も周りにおらず、不安はゼロではありませんでしたが、調べていくうちに、体外受精のプロセスと同じなのであれば、必要以上に心配する話ではないのかな、と楽観的に捉えるようになりました。
 実際に体験してみることで、卵子凍結がどういうプロセスであり、またそれをやることによって自分の考えや生き方にどんな変化があるのか、或いは変化がないのかを実感したい、理解したい、と思ったのが正直な気持ちです。

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