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中東情勢:ラニア・ヨルダン王妃の願い(CNNインタビュー)

(※こちらの記事は全てSNS上での情報に基づく、個人的な見解となります。)


SNS上で、中東情勢に関わる、ラニア・ヨルダン王妃(パレスチナ系のご家系とのこと)のCNNによるインタビューが流れていて、興味深かったので紹介したい(個人的にはCNNがこのような報道をするのは、珍しい印象を受けたが、、)。

(以下、インタビュー内容)

(母親として、またそちらの民族としての気持ちを聞かれ、)
ヨルダンで私たちが感じている悲しみの深さ、痛み、ショックは言葉では言い表せません。

出自に関係なく、私たち全員がこの悲しみの中で一つになっている。・・・


母親として、私たちはパレスチナ人の母親が自分の子供の名前を手に書かなければならないのを目のあたりにしてきた。なぜなら、砲弾を浴びて死んでしまう可能性が高いからだ。


私はただ、パレスチナの母親たちが、世界中の他の母親たちと同じにように、自分の子供たちを愛していることを世界に伝えたい。・・・


ここ数週間、私たちは世界の目に余るダブルスタンダードをも目撃してきた。


10月7日が起きた時、世界は即座にイスラエルの側に立ち、起きた攻撃を非難した。


しかしここ数週間世界は沈黙しています。イスラエルへの支持を表明しつつ、懸念を表明するだけです。


私たちは、銃を突きつけられて家族全員を殺すのは間違っているが、砲撃して殺しても良い、と言っているのだろうか?・・・


世界は停戦さえ求めさえしない。・・・


(CNN:イスラエル人はホロコースト以来のことでショックを受けていますが、どう思いますか?との問いに対し、)ヨルダンの立場は明瞭で、パレスチナ人であれ、イスラエル人であれ、いかなる民間人の殺害も非難する。


ヨルダンの道徳・倫理的立場であり、イスラムの立場であり、イスラムは、民間人の殺害を非難している。・・・


なぜ今起きていることに対して同等の非難がないのだろうか?


この紛争は10月7日に始まったようにメディアで報じているが、本当はそうではないことを強調したい。


分離壁の向こう側、有刺鉄線の向こう側にいる多くのパレスチナ人にとって、戦争が終わったことはない。75年前からの物語であり、パレスチナ
の人々の死と移住の物語である


アパルトヘイト政権下の占領、家屋の取り壊し、土地の没収、軍事攻撃、夜間襲撃、パレスチナ人を占領し、抑圧し、こうした犯罪を日常的に犯している核武装した地域の超大国という文脈が、この物語からは抜け落ちている。

(CNN:アパルトヘイトという言葉を使うと、イスラエルやその支持者から非難を受けるかもしれないのはご存知ですね?、という問いかけに対し、)強調させていただきますが、アパルトヘイトは、アラブ人ではなく、イスラエルや国際的な人権団体が付けた呼称です。・・・


(CNN:ヨルダンの女王として、イスラエルと平和条約を結んでいる国として、あなたな特別な発言力があると感じますか?との問いかけに対し、)私のことではなく、人類のために声をあげます。これは、親イスラエルとか親パレスチナとかいう問題ではありません。


パレスチナの人々はあまりにも長い間、抑圧と非人間化の下に生きてきたことを改めて説明したい。彼らは、投獄されたり、辱めを受けたり、嫌がらせを受けたり、毎日屈辱と人権侵害に苦しんでいる。


移動の自由もない。ヨルダン川西岸には、500以上の検問所がある。国際司法裁判所によって違法とされた分離壁が、領土を200の分断された飛び地に分けている。そして、入植地をパレスチナの土地に積極的に拡大している。・・・これらすべてがこの紛争の背景なのだ。


これはハマス以前の問題であり、それ以降も続くだろう。これは、自由と正義のための闘いだ。


(CNN:ハマスが行ったことが、パレスチナにそのような結果をもたらしたとの見方を支持しますか?との問いに対し、)私は民間人を殺すことは信じていない。これは長い間続いてきた暴力の物語であり、暴力は非難されるべき。


私たちは(イスラエルによる)自衛権を装った残虐な行為を目撃している。


どの国にも自衛権はあるが、戦争犯罪や集団的懲罰という手段は使ってはならない。


これまで6000人の民間人が殺害され、2400人の子供が殺害されている。これが正当防衛と言えるだろうか?我々は、精密兵器を使った大規模な虐殺を見ている。


この2週間、私たちはガザへの無差別爆撃を見てきた。家族全員が全滅した。住宅地が平らになった。病院、学校、教会、モスク、医療従事者、ジャーナリスト、国連援助要員を標的とした爆撃がなぜ正当防衛になるのか。


イスラエルがこのような残虐行為を行うときはいつでも、正当貿易の旗印の下に行われるのに、パレスチナ人による暴力があると、即座にテロと呼ばれるのか?・・一つは占領者であり、一つは被占領者。一方は、世界有数の軍隊を持ち、もう1方は全く軍隊を持たない。・・


イスラエルは30以上の国連安保理決議に違反している。1967年に占領した地域からの撤退、入植の停止、分離壁、人権侵害等。これが問題の核心であり、ハマスに固執すべきではない。・・・


何故すぐに停戦を求めないのか?私たちは今日、驚異的な人的被害を目のあたりにしている。何故物語はいつもイスラエル側に偏っているのか?


欧米のメディアはすぐにイスラエルの言い分を伝える。イスラエルの攻撃によりパレスチナ人が殺された場合には「パレスチナが殺された」となるのに、その逆は、「イスラエル人が冷酷に殺害された」との報道になる。大虐殺とも呼ばれる。


私は等価性とダブルスタンダードを論じている


アメリカ大統領が、子供たちが斬首された証拠を見たと言った後に、イスラエル軍はその証拠がないとして撤回する。CNNでも同様に、イスラエルの子供たちが虐殺されているのを発見したと報じたが、その記事を読んでも、検証された証拠は見つからない。


あなたへの質問ですが、パレスチナ人による、まだ検証されていない、このような衝撃的な主張をまだ掲載しますか?(CNN: 私たちのカメラマンが、斬首写真ではなく、現場で撮影された砲弾にまみれた赤ん坊の死体を撮った旨言及。)


(CNN: あなたの夫である国王が、パレスチナ人を安全のためにエジプトかヨルダンの移動させるという提案がありましたが?、同時に国王は、ヨルダンもエジプトも難民を受け入れないと言ってますが、)ガザの人は2つの選択を迫られている。立ち去るか、死か集団罰を受けるかだ。つまり、追放か絶滅か、民族浄化か大量虐殺か、の選択を迫られている。そのような選択を迫られる人々はいないはずだ。


私の夫が言っていたのは、パレスチナの人々は、ガザの人々は、再び移動させられてはならない、ということです。


ガザの住民は既に難民で、100万人が家を追われている。だから、私たちは1938年のナクバで起こったような、パレスチナ人の大量移住を再び望んではいない。これが夫が言っていたレッドラインだ。


パレスチナ人には、自分たちの土地にとどまる権利がある。


(CNN: ええ、彼らは、いわゆる強制移動を懸念し、二度と戻ることが許されないことを懸念していましたから。また多くの抗議も世界中で起こっていますが、1994年の平和条約に反対する、路上での抗議行動についてどう思いますか?より広範な戦争や地域の不安定化について懸念していますか?との問いに対して、)我々は分断しておらず、アラブ諸国の立場は皆一致している。


・・・強調したいのは、結局、この問題に軍事的な解決策はないということ。戦争には勝利はなく、全ての側に損失がある。夫は、長い間、政治的解決なくして中東の平和と安定はないと強調してきた。


よって、例えイスラエルの同盟国であっても、盲目的な支持を与えることは、イスラエルのためにもならない。イスラエルが殺傷能力のある武器の供与を早め、拡大することは、この紛争を拡大し、苦しみを長引させ深めるだけだ。交渉のテーブルを囲む以外に、解決はあり得ない。


そのための道はただ一つ、自由で主権を持ち独立したパレスチナ国家が、イスラエル国家と平和で安全に共存することだ。それが唯一の道なのです。



アラブの人々、またパレスチナ側寄りから見たこの問題が良く分かるインタビューである。(個人的には、CNNが、自身の立場と若干逆の意見を流すのは珍しいようにも思われたが、、)。



西側の大手メディアは、イスラエル寄りの声を流す傾向にあるかもしれないが、今この瞬間も現場では多くの無実の子供たち、市民の命が失われている。


米国はイスラエルに支援を行い、国連安保理でも、停戦決議を拒否したとのことだが、その金の流れが止まれば、すぐにでも停戦できるのではないか、といった声も聞かれる。


一刻も早く停戦が実現し、多くの命が救われることを願っている。


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