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ワルシャワ滞在雑記1

先週からポーランドの首都、ワルシャワに来ている。夫の生まれ育った街だ。

トルコ航空でイスタンブール経由。
トランジットが6時間以上ある場合無料ツアーに参加できるというので朝8時半から15時まで、空港を出て初めてのイスタンブールも経験することになった。簡単な朝食昼食付き。祖母の代からトルコに移り住んだというカザフスタンルーツの女性ガイドに引率され、私たちが参加したものはハギア・ソフィアなど有名どころは残念ながら含まれていなかったものの他の中規模モスクや教会を4箇所ほど巡った。50名弱バス2台というそれなりの大所帯でボスポラス海峡に感嘆を漏らしつつ天候にも恵まれなかなかの満足度だ。噂に違わず猫もたくさんいて楽しめた。ガイドはかなりあっさりしたものだったが、だからこそというか、次はここをしっかり巡りたいと思わせる萌芽がある。リピーターを呼ぶ良い戦略だなぁと感心した。

これまではドバイ経由で関空から約20時間ほどかけてワルシャワに渡っていたのだが、今回はイスタンブールで半日過ごしたお陰で時差ボケがかなり抑えられ、比較的快適に初週を終えられた。予期せぬ僥倖で体力的にありがたい。

ワルシャワに到着、義母が空港まで車で迎えに来てくれた。2019年から数えて7回目の渡波、義実家訪問である。大体夏と冬、年に2回の夫の帰省に同行して実家とは全く違う種類の家族の時間を過ごす。家についたら義父お手製の夫の好物が並び、庭からの木漏れ日に彩られた食卓を4人で囲む。肉のおこぼれをもらいに飼い猫たちも足元へ集まってくる。眩しすぎて目の潰れる光景である。

自分の人生にこんなにも穏やかな時間が与えられるとは、うつ病のころは考えもしなかった。毎回一通りここの空気を満喫した後、何に対してのか判然としないが強い罪悪感に苛まれる。幸せになってはいけない、と刷り込まれた身に、ここの夏の心地よさ美しさはなかなか厳しい。
なんだかとても身分不相応な贅沢を、良くないことをしている気分になる、と夫に吐露すると、なんだこの救いようのないアホは、みたいな顔をされる。幸せを享受することに後ろめたさを感じるという症状はまだまだ完全には消えないが、夫の冷たい目線も背中を押し、人間性を取り戻すリハビリ期間のような時間を過ごすようになった。

さて、今回のワルシャワ初日、夕飯後、21時を回ってもまだ薄明るいなか何をして過ごしたかというと庭の紫陽花を荒らす大量のナメクジ捕獲作業であった。こちらのナメクジは茶色くてデカくて肉厚である。義家族は可能であれば殺生を避けるふんわりポリシーがあるため、気力があればこうした害虫はトングで捕獲しミニバケツに放り込み、あらかた捕り終わったら近所の水場の茂みにリリースしている。年老いた義両親の代わりにこうした雑務を滞在中は我々が担うわけだ。日本を発って1日半、一気に時間の流れ方が違う環境に、肩の力が抜けていった。

この先1ヶ月半ほど滞在予定のため、思い立ったら雑感を記して行きたい。

でかい木がぼかすか生えてて気持ちいいという雑な感想を毎回抱く

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