見出し画像

評価が低い作品を考察する

僕が出版した小説の中で最も評価が低いのは「雪の愛した物語」です。Amazonのレビューで3.6、最も評価が高い「ふたりの余命」が4.3なので、0.7の差があります。

僕は結構好きですし、こういったコメントももらっているので、気に入ってくれた人もいると思います。

とは言え、レーティングを見ると、星3が多いですね。高評価の作品のレーティングは5と4がほとんどですので、可もなく不可もなくと感じた人が多かったのでしょう。

では、どうして評価が低いのか考えてみたいと思います。

「雪の愛した物語」は、コールセンターで勤務する女性が主人公です。本とパンを愛する主人公が、本屋の老店主と出会い交流を深めていく話です。随所に、主人公と老人が愛した江戸時代のお話が挟まります。

この作品は、僕が出版した小説の中で最も純文学風味が強い話です。学生の頃は、若気の至りで純文学っぽい小説を書いていましたが、社会人になってからいわゆるエンタメ小説を中心に書くように作風が変わりました。

「雪の愛した物語」は久々の純文学っぽい作品で、純文学系の新人賞に応募するために書きました。
評価が低い理由は、普段書かないスタイルの作品だからクオリティが低かったことは考えられます。しばらく書いていなかったので、「純文学とは?」みたいな視点が欠落していたのかもしれません。

僕の実力不足もあると思いますが、最近書いた他の作品はここまで低くないので、他の理由もありそうです。
それは、他の作品と作風が違うからじゃないかと思います。
他の僕の作品を読んでくれた人が、「雪の愛した物語」を読んで、「あれ? 今まで違うじゃん」とがっかりした可能性もあるのかなと。
お客様(読者)のニーズと合致していなかったのでしょう。二郎系のラーメンを期待して店に行ったら、煮干し系のラーメンしかなかったような、
まずいわけじゃないんだけど、期待外れだった。そう、期待外れです。

お店と同様に作家は自分の味を守らないといけないのかもしれません。もし違うなら、手に取ってもらう前に事前に「今までと違いまっせ」と伝えるべきなのでしょう。
評価が低いとはいえ、100人が評価してくれています。本当にありがたいことです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?