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小説家にとっての読書メーター

読書メーター」は、日本最大級の読書コミュニティサイトです。読書メーターで気になっている本の感想を確かめたり、読み終わった後で他の人の感想を読む人も多いんじゃないでしょうか。
読書メーターは、自分の読書履歴を管理することができます。読んだ本や、読みたい本、積読している本を登録して、備忘録がわりにも使えます。この機能が読書メーターのメインなんですかね。

この読書メーター、本を読む人に大きな影響を与えていると思います。
本を買う人は、読書メーターの感想や登録数を参考にするので、感想の量と質、そして登録数には、本の売り上げを左右する影響力があります。

出版社も「読書メーター」の影響を活用しているようです。
本の帯にたまに書かれている「読みたい本ナンバー1」というのは、読書メーターの「読みたい本」の数字を使用している場合があります。
「読みたい本」の数字を見て、今後の出版計画の参考にしていることもあるそうです。

もうひとつ「読書メーター」の大きな特徴が、リコメンド機能です。過去に読んだ履歴から、同じ本を読んだユーザーをマッチングして、その人が読んだ本を紹介する機能です。
登録された本が多ければ多いほど、マッチングする可能性が高まるので、やはり本の売り上げに影響を及ぼします。

口コミが売り上げに影響することは以前からありましたが、コミュニティサイトのユーザー情報をビジネスに活用する事例が最近は増えてきています。
ユーザーが書き込んだ情報をマーケティングに用いる例は、アメリカで発展してきましたが、最近では日本でも一般化してきています。読書メーターはその中でも成功している事例じゃないですかね。

小説家にとって、読書メーターのようなコミュニティサイトはどのような意味があるのでしょう。
僕は自著の感想をもらえたら嬉しいし、次回作の参考になります。忙しくて感想を読まない作家さんもいるみたいですが、僕は本当に全部読みます。
自分と異なる感想でも、「こういうふうに読む人もいるんだ」とわかり、勉強になります。めちゃくちゃ誹謗中傷されたらちょっと落ち込みますが、読書メーターは治安が良いのか、そこまでの感想をいただいたことはありません。
自著の「登録数」もチェックします。登録数は本が多くの人に届いた結果ですので、登録数が伸びていないと、どこが悪かったのか気になります。
特に刊行前の登録数は、今後の購買傾向にも影響するので、数字が増えないとちょっと心配になります。

登録してくれて、感想をもらったら、嬉しい作者さんが多いと思いますので、僕も本を読んだら、できる限り登録して感想を残すようにしています(匿名ですけど)。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より7月18日に刊行されます。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら予約してください。善い物語です!




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