天才の共通点
天才という言葉は才能だけで成功したみたいな意味のようで、あまり好きではないのですが、「ああ、この人は天才だ」と思える人が世の中にはいます。
最近では、野球の大谷翔平さんと将棋の藤井聡太さんですね。おふたりとも歴史を変えるほどの活躍をしています。もちろん、天性の才能だけではなく、才能を伸ばす努力をしたからですが、ふたりとも天才としか形容できないほどのものすごい結果を出し続けています。
おふたりに共通しているのは、本当に好きなものに集中していることです。大谷翔平さんは野球に常に集中していて、食事や睡眠も全て野球のことを考えて改善を繰り返しています。
藤井聡太さんも趣味が将棋で、息抜きが将棋鑑賞なほどに1日の時間を将棋に全振りしています。
ふたりとも、本当に好きで取り組んでいるのがテレビ越しに伝わってきます。昭和のスポ根ドラマと違い、楽しみながら努力している感じが素敵です。
他の共通点として挙げられるのは、ふたりとも普段は穏やかな雰囲気なのですが、勝負になると鋭い目に変わり、相手に向かう点です。
大谷選手は体格で目立ってしまうでしょうが、藤井聡太竜王名人は、街で見かけても顔を知らない人は勝負の世界で生きている人だとわからないでしょう。
あんなに強いのに驕るところが一切ありません。また金銭欲もないように見えます。藤井聡太さんは、「最近した贅沢は?」という質問に対して、長考した結果、「自動販売機でドリンクを買ったこと」と答えていました。それがポーズではなく、真剣なのがすごいです。
ひと昔の天才というと、鬼気迫る雰囲気を漂わせて、横柄な態度で敵に対するイメージがありますが、現代の天才は温和で礼節があるように思えます。
では、小説の天才というのはどういう人でしょう。小説の天才ですぐに思いつくのは、三島由紀夫と太宰治ですかね。三島の壮麗で緻密な文章は天才としか言いようがありません。太宰も口頭で語ったことが完璧な小説になっていたほどの天才です。
時代もあるのでしょうが、ふたりとも激烈な人生を歩みましたよね。最後も激烈。
現代の小説の天才はどういう人でしょうか。
藤井さんや大谷さんのように、普段は穏やかだけど、執筆のときは集中して楽しみながら小説を描く、そういう人なんでしょうね。
苦しみながら文章を搾り出すというより、小説が好きだから書いている人、好きだからどんな努力も怠らない人、そういう人が現代にマッチした優れた小説が書けそうです。
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