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「社長、なぜ僕が会社を辞めたか、わかりますか?」

自分がトップである。そこに驕りはありませんか?


 僕は起業も経営もしたことがありません。
 しかしそんな僕の想像し得る範囲においても、企業経営というものは大変で、読んで字のごとく「死活問題」を日々潜り抜けておられるものと思っています。

 僕の価値観。
 そこに過去の腐った自分を投影してしまうため、ちょっとやそっとのことでハラスメントだブラックだとほざく多くの現代人には虫唾が走ります。 
 社員いびりを目的とした営利法人など存在するわけがない。おまえがツライ思いをするのは、オマエにも大きな原因があるはずだ。
 と、思っています。

 そんな僕ですが、2008年秋から2021年秋までの13年間、SES事業を営む中小企業に正社員として勤めていました。

 僕が入社して間もないころ、社長がとてもかわいがっていたベテラン社員が突如退職し、ショックを受けた社長は、その後何年もこぼしていました。

「鶴田の退職は正直つらかったよ……距離感を感じさせないように気をつかってたはずなんだけどな」

 これといった取り柄のない僕を拾ってくれた恩義がある。
 僕は社長を悲しませまいと、いろいろな壁にぶちあたっては、それを何とか乗り越えてきました。

 しかし、僕は13年で限界を迎えました。

 退職を決意した理由。それは何か決定打があったわけではなく、ジワジワ、ジワジワと13年ものあいだ蓄積されてきたボディブローによるものでした。


青天の霹靂
ヘッドハンティングの失敗

 
 社長、あなたには信頼している右腕はいますか?
 いるのだとしたら、なぜその者は、あなたの信頼に足るんですか?


 これは客先常駐SEからキャリアをスタートし、やがてSES営業として社長の腹心となったはずの男の13年間を赤裸々に綴った怒りの手記です。


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