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新しい場所と、仲良くなりたい

新しい環境での仕事スタート、
一週間が経過しました。

十年前、今住んでいる場所に引っ越してきたときも、
最初はなじめず、
音が気になり眠れず、
あちこち居心地の良い眠れる場所を探して、
軽い不眠症になったことがあります。

病院の先生に「適応障害に似た感じ」と言われ、
住居でも適応障害になるのか!?と苦笑いした記憶が。


この頃はセラピーの先生にも知り合ってなく、
ワークも知らず、
感情の波にもまれて、
なすすべもなくもがいていました。


今回の大きな会社の引っ越しも、大なり小なり、
慣れるまではダメージあるだろうと覚悟はしていました。


何回か書きましたが、
わたしの仕事のひとつに「色の確認」があります。

この仕事は暗室の中、白色灯の強いひかりの下で、
色が正しく染色されているかどうか確認する業務です。

旧本社では、広い部屋の中に、暗室をつくってもらっていました。
今回新しい場所では、完全個室(エアコン付)が設けられている。

わたしは内心、「やった~!」と小躍りしたい気分でした。

なぜなら、
引っ越した先での働き方は、
自分の席を持たない、
場所を選ばない、自由な働き方です。

何かのCMのよう。

とはいうものの、
ある程度仕事道具を持つ身としては、
あっちこっち身軽に闊歩するのもやや難しい。

理想通りにかっこよくもしてられない。

色確認室という、自分のホーム(巣)があることは、
なんと特別感のあることか。

荷物置き放題です。
「やほー!」です。

やほー!と言いながらも、
気持ちは張りつめた状態で、
月曜、火曜、が過ぎ、
水曜日、いよいよ事件が起こりました。
きたよ、これ。

二時頃、色確の仕事をしていたとき、
いきなりドアを開け、同じ課のおじさんが入ってきました。

いきなり入って来られたことに驚き、
むっとしながら、

「ノックしてくださいよ」

と言うと、しました、とこちらも不機嫌に返してくる。

お?とわたしにスイッチが入りました。

おじさんはいつもは柔和なのに、そのとき何かあったのでしょう、
彼らしくなく、怒り口調でわたしにオーダーをしてきました。

わたしの短所のひとつでもあるのですが、
いきなりケンカを売られると、
昔から考える間もなく、
100%正規値段で即買いしてしまう傾向があります。
誰であっても(怖い思いをしたこともあります笑)。

このときも、「はじめまして、よろしくね」
の関係性を築く大切なタイミングで、
おじさんと小競り合いをしてしまったのです。


おじさんが出て行って、「ち!」と思いながら、
引き続き色確認の仕事に戻りました。


十分後くらいでしょうか、

両耳の感覚がおかしくなり、気持ち悪くなって、
得体のしれない何かに持っていかれそうな、
すくむような緊張が走りました。

「閉所恐怖症」の発作です。

(パニックの発作に近い)



ここに居続けたらマズイ!とっさにわたしはドアを開け、
表に出て、名称ではカフェ席といわれるカウンターに避難しました。


窓から外が見える、居心地の良い席で、
指定席にしてはいけないというルールをやぶり、
色確以外はこの席にずっと座っています。

途方に暮れたような気持ちでパソコンを眺めていると、
肩をぽんとたたかれ、
見上げたら、デリバリー課のエースがいました。

「背中、しんどいって言うてるで」

とエースが笑いながら言いました。

しんどいよ、だってMAXのところだったもの。

こぼれ落ちそうな涙を必死でこらえながら、
さきほどの一連をエースに話し、
一緒に色確認室を見に行きました。

殺風景な個室を見て、「独房みたい」とにやけたエースは、

「なんかさ、窓がふわーっと開くようなのとか、空のポスター貼ったらえんちゃう!?」

と、アドバイスをくれました。
なるほど。



「ホームステイでホームシックになっている人みたい」

と笑って去っていったエースに、わたしは心から感謝しました。

まったく部も違うのに、
わたしの「しんどい」をキャッチしてくれたんだ、
といううれしさと、
ほんとにエースが言ったようにホームシックだったのです。

もとあった、
旧本社の色確室は、
入った途端深い森の中に入ったような静けさと、
ひんやりとした空気、
居心地の良さがありました。

その部屋に入るたび、わたしはすーっと深呼吸して、
落ち着きを取り戻したのでした。
癒しの部屋でした。

その部屋が恋しい。
その部屋が良かった。

まさにエースの言うホームシックです。

しかし、もう戻ることはできません。
わたしはカウンター席に戻り、
しばらく自分の中に入って考察をしました。

あのもとの場所がよかったといっても戻れない、
新しい、今から仲良くしてもらう場所で、
小競り合いをした。

その直後、体調がおかしくなった。

そりゃそうだ、新しい部屋も、拒否反応を示すだろうし、
リトルも腹が立ったことだろう。

あとで謝りに行こう、これから仲良くしてね、と言いに行こう。

そして、
エースの言うとおり、ポスターをはろう。


もうひとつ。
わたしはこのカフェ席を陣取るのをやめました。

リトルが怒っていることに気づけたからです。
彼女のいらだちを言葉に置き換えたら、多分こうです。

「ねえ!?いつまで背中を向けてるの!?」
「今までは大目に見てたけどさ」
「しみったれるな!」
「ガンガン行こうよ!攻めていこうよ!」


翌日から、わたしは何かのCMのように、
あっちこっちの机で、
違う部署の人や管理職の前に積極的に向かい合い、
たまに談笑し、攻めていてます笑。

でも、また、どうにもいかなくって、
カフェ席で背中を向ける日があっても、
いいと思っています。

攻めることができる日であっても、
逃げたい日であっても、
全部OK!

空も飛べるはず
壊れた木馬を、念で飛ばしているあーちゃん
(色確室にはる予定)


よぼよぼの休日、突然思い立って淡路に行ってきました。
あーちゃん、らーちゃん、今回はほぼ顔出ししてました笑

淡路島バーガー食べながら(トンビにびびりながら)、一時間ほどぼうっと海を見ていたら、
すっと抜けました。
やはり自然て偉大ですね。

最後までご覧いただきありがとうございました

追伸:翌日おじさんに、きつい口調でごめんね、と謝れました^^




















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