なぜ美意識が必要なのか【世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?】
美意識とは
私はこの本を読む前までは美意識とは、
デザインの綺麗さなど外見のことを指していると考えていたが、
本書ではそれよりも、倫理や道徳など人間の内面における美意識が重要であると言及しており、それは今後益々必要になるという。
なぜ美意識が必要なのか
なぜ今、美意識が必要になのか?
その理由は本書では以下の3つであるとされている。
①論理的・理性的な情報処理スキルの限界
論理と理性に頼る意思決定では以下の問題点がある。
時間が限られている
差別化できない=正解のコモディティ化
ビジネスなど変化の激しい、論理的・理性的に白黒つかない問題について答えを出そうとすると、停滞してしまう。
また、誰もが論理的・理性的アプローチをとることができるようになった現在では、正解はだれでも導くことができるようになったということであり正解はコモディティ化する。
すなわち差別化できないということである。
②自己実現欲求の出現
今や、商品の性能に違いは見られず、どのブランドでも同じような性能を持つ商品を販売することができるようになった。
その中で、消費者が購買する際に考えるのは、どのブランドから買うかである。
スタバやMacなど、味や機能で商品を選ぶというよりも、
ブランドのイメージや雰囲気が商品選択の理由になっていることは、
自分自身や身の回りを見ていても明らかである。
③ルールの制定が追いつかない
DeNAのWELQ事件など、
ベンチャー企業などの法律の未整備なグレーゾーンを活かした稼ぎ方では、一時的に富をなすことができても、
法律が定まってからでは摘発され持続しない。
既にあるルールのみに依存して意思決定すると、倫理上の問題を起こす可能性がある。
そのため、リーダーは今あるルール関係なしに、それは倫理的・道徳的に正しいのか判断する美意識が重要である。
ストーリーと世界観はコピーできない
デザインとテクノロジーはサイエンスによって簡単にコピーすることができる。
言語化できるものはすべてコピーできるのである。
しかし、世界観とストーリーはコピーできない。
批判的に見ることが大事
本書では「偏差値の高いエリートこそ美意識を鍛えるべきである」と指摘している。
偏差値の高いエリートは勉強して点数を取れば、
成績が上がる
褒められる
志望校に合格できる
など、勉強で点数を取るというわかりやすいシステムに身を置いている。
しかし、実際の社会に出ると、そのようなわかりやすいシステムがあるとは限らない。
社会に出てからそのギャップに苦しむ人も少なくない。
そのため、すでにあるシステムに適応するだけでなく、
システムを批判的に見ることでダメなシステムをいいシステムに修正することが重要である。
これから必要なのは「上から目線」
マーケティング手法などで顧客インタービューなどをすることで、
顧客が求めているものを提供する方法が最近主流になってきていると思う。
しかし、デザインや美意識に関しては顧客に聞くことでかえって中途半端な商品ができてしまうことも少なくない。
それは顧客の中にも、センスのいい顧客とセンスの悪い顧客がいるからである。
センスの悪い顧客に聞いてしまうことで、中途半端になり感動させるデザインはできない。
そのため、良いデザインや美意識とは顧客など外部に求めるのではなく、
自分の中で良し悪しを決める「内部のモノサシ」が必要である。
これを著者は、「顧客に好まれるデザイン」ではなく、「顧客を魅了するデザイン」だと述べている。
「こういうデザインがかっこいいでしょ!」という「上から目線」が重要であるということである。
まとめ
今後は意思決定する際に、美意識が重要である。
特に以下の3つが重要であると紹介した。
ストーリーと世界観が大事
システムを批判的に見る
これから必要なのは上から目線
さらに詳しい説明や、どのようにして美意識を鍛えるかについては、
ぜひ本を読んでいただきたい。
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