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No.17/スキのコラボから始まる読書/【モーツァルトのムクドリ 天才を支えたさえずり】(著 ライアンダ・リン・ハウプト)

こんにちは。最近、散歩がてら野鳥観察をすることにハマっておりまして、私が見ていなかっただけでこんなにたくさんの種がいるのだと驚く日々です。

ドバトやカラス、スズメのほかにも、メジロやコガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、カササギ、キジバト、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、カワウ、カンムリカイツブリ、ウミアイサ、オオバン、カワセミ、モズ、ムクドリ…など

ここいらは見るだけで判断できるようになってきました。もう色も動きもさえずりにも魅了されてやみません。街中でも多くの鳥と出会えますし、川辺・海辺でもいろいろな種と出会えます。ぜひ、イヤホンを外して街の音とともに鳥の鳴き声に耳を傾けたり、視線を上げて綺麗でかわいらしい鳥を探してみてください。きっと癒され、驚きや発見があると思います。

本日はその中でもアメリカでも日本でも害鳥認識されているムクドリ素晴らしい音楽を残したモーツァルトの関係を実際にムクドリを飼いながら研究した方の話を読みました。

手に取った理由

もともとクラシックはそれほど好きではなくて、眠たくなる音楽という認識でしたが、去年の暮頃に出会ったテレビ番組『クラシックTV』という清塚信也さんと鈴木愛理さんの二人でクラシックを裏話とともに面白おかしく教えてくれる番組をみてから興味を持ち始めました。そこからモーツァルトの曲を聴くことも増えてきたわけですが、それとともに最近よく目にする野鳥ムクドリが絡んでくるとなると、自分の中でシンクロニシティ(共時性)を感じてしまいました。好きとは言っても詳しい知識があるわけでもなかったので知りたいなという思いもありまして読み始めました。

『1ヶ月 毎日 本を読む』ルール


【ルール】
・手に取ったら、まずなんで取りたいと思ったのか、読みたいと思ったのか自分の心を深掘りして記す
・丁寧というよりはザッと読む
・要約と感想を書く
(ダラダラ書かない為に20分制限を設ける)


です。

要約してみる

北米で害鳥としての認識が強いホシムクドリ。いかに彼らが作物や畜産において迷惑か一般的な認識を冒頭で語る。それを置いて、なぜムクドリを飼うことになったのかー。

モーツァルトはムクドリをペットとして飼っており、そのムクドリはあるピアノ協奏曲をさえずった、という逸話がある。ナチュラリストでもある著者が実際にムクドリを飼った体験をもとに、モーツァルトのムクドリを基点としてムクドリのおしゃべりや社交性、音楽、言語学などと結びつけながら考察する。

ムクドリを研究材料ではなく、ペットとして愛情深く育て、観察することで他には描かれたことのないムクドリの姿を描く。

読んでみての感想

モーツァルトが結構、早死だったのは知っていましたが、その曲調や風貌からとても紳士然とした方なのかなと思っていました。それが、結構冗談が好きな方だったというのは驚きでした。

思わず笑ったのは、『何か匂いがするし、変な音がする』と言ったモーツァルトに対して、モーツァルト母は『臭いの原因はそこにあるのでは?』と言い本人を指します。モーツァルトは自分の尻の穴に指を突っ込んで臭いを確認し、『これは証明された!』と。いやいやいやと思わず思っちゃいましたし、それが記述に残っているのはなんでだよと思いながらも、そういうことを言い合える家族の関係性は少し素敵だなと思いました。

そして、お喋りの鳥というとインコなどのイメージが強いですが、なんとムクドリさんもお上手で、簡単な掛け声から音楽まで結構覚えて真似できるとのこと。これも驚きでした。

駆除され忌避される鳥について、現実問題を避けずしっかりと論じながらも、ムクドリとの愛ある生活で分かったことを教えてくれます。そしてモーツァルトが一羽のムクドリに対して、(モーツァルトの冗談と捉えられていますが)盛大な葬儀をしたことや、ムクドリに向けたピアノ協奏曲を作ったことが冗談ではなく本当だったのだろうということを体験談を読みながらとても感じました。

私ももうすぐ8歳になる猫ちゃんと暮らしていますが、ペットを失ったときのことを想像すると、悲しみは想像したくもないですね。どうしようものないその気持ちを使命である音楽として綴らざるを得ないモーツァルトの気持ちも想像できて、なかなか深い話でした。

『私達の人生は死が最終目的』という様な言葉がありましたが、私がその意味を真に理解できるのは、35歳までには難しいだろうなと思いながらの読書でした。

本日もお付き合い頂きありがとうございました。
また明日。

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