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【OYW】2日目、涙を堪えても荷物は来ない

10月3日:サミットがスタートするも上の空


オープニングセレモニーを終え、今日から待ちに待ったOne Young World 2023 Belfast Summitスタート。

混乱の2日間が過ぎ、社内でキャリーバックの情報に偏りが発生してくる。
情報に踊らされるのだけは阻止したい。

英語への無力感は隅に置き、気持ちを切り替えた。

まずは情報の整理。
ここは私の出番。
各所から得ている情報を一か所に集め、関係者によりオープンな環境で伝える。

本業で2年ちょいやらせてもらってる仕事だ。
まずCCに含まれていないメールでのやり取り内容、個別の電話でもらったという情報を集める。
そしてTeamsのスレッドを立てる。

混乱の状況下では二次災害として、メールの誤送信も起こりうる。
これ以上のトラブルは避けたい。
私だけ、PCからじゃないとTeamsにアクセスできないが、
出かける気分でもないのでホテルのロビーでPCを立ち上げた。

自分への無力感と憤りをなだめ、火の粉を散らしながらキーボードを叩いた。
顔を上げると、朝食会場にいるOYW関係者の方と目が合う。


現在の状況を伝え、何もできない状況に二人で沈黙。
彼が会場に行くためUberを呼んだと言うのでご一緒させてもらう事にした。

この時、服を買いに行こうと思っていたが、一人で出かけられる精神状態ではなかったので、考えるよりも先に車に乗っていた。

車に乗っていた時間は5分ほどだったが、キャリーバックの話から、会社の話、日本企業の話をした。

詳細は割愛するが、
『日本の企業は競争に負けまいと数字ばかり追うようになっている。
メンタル面でのクオリティがケアできていない。
パーパス経営に関わる課題が生じている。』
この筋の話をした。

私はこの会話から、私が会社代表としてメンタルヘルをテーマにここに派遣してもらった意味を見出した。

会場についても部屋着の私は、気持ちが落ち着かず忙しなくさまよう。
日本人らしき人を見つけ、声をかけてみると某コンサル会社から派遣されてきた日本人だった。

安堵する気持ちと恥ずかしい気持ちが交差する中で、会社代表としての誇りを胸になんとかいつもの私を取り戻した。

相変わらずキャリーバックの事で頭がいっぱいの私は、ロストバゲージの話から、これまでの悔しい思いを吐露した。

それは、自分の英語力への悔しさと、
自分が熱量をもって取り組んでいる事が周りに伝わっていない悔しさ、
周りをうまく巻き込めていない自分への悔しさだ。

彼女と対話をしていたら、変革人材vs異質を嫌う集団の構図が見えた。
そしてダイバーシティ&インクルージョンに対する課題も見えてきた。

誰かを追いかけるだけでいいんですか?
本気でイノベーションを起こす気がありますか?
変革人材として私たちを選んだあなたの名前に傷をつけることになりますよ?
そんな熱い話しをした。

彼女との会話で、大企業が変われば日本が変わる、日本が変われば世界が変わる、そんな思いを持ってこの地へ赴いた初心を思い出した。
(この思い、初心も、のちに出会う人物によってアップデートされるのだった。)

彼女と過ごした時間に満足した私は、会場を去り服を買いに行くことにした。

何日着るか分からない、
色んな思いを込めて選んだ自分の服を早く着たい。
それでも、服装は自分を表現するもの、ましてや今回は会社の顔でもある。
部屋着は早いところ片付けよう。

適当には選びたくない、けど予算も限られている。
幸いにも上はそれなりの恰好だったので靴だけ良いものをと、私の好きなeccoでショートブーツを購入した。
あとは、PRIMARKで高見えする服を見繕った。

自分の服ではない違和感はありながらも装いは整えられ、
心の平静さを取り戻し会場に向かった。
実はこの日の午前中に同じ会社の四人メンバーの内、二人は荷物が戻ってきていた。

自分ともう一人だけ返ってこないという謎な状況となったが、
この謎に向き合うのもばからしく、期待感ゼロでトラッキングサイトをチェックしながら、仲間のいる会場へ向かった。


当然会場は熱気であふれていたが、キャリーが戻ってない自分はその勢いに120%乗る事が出来なかった。
仲間のはずなのに、会場の皆んながどこか遠くに感じた。

トラブルに遭ったことで、改めて自分の小ささを知り、周りへの感謝が募るばかりだった。
こんな自分が何ができるのだろうか、
本当に彼らの仲間として胸を張っていいのだろうかと、自分への虚しさも感じた。

夜ご飯会場に行く足が進まなかったが、陽気なアイルランド人と友達になり、彼女のハッピーオーラに身を任せて会場に向かった。

大学時代にアイルランドに留学をした私は、
遠い親戚に会った気持ちで安堵し、会話が弾んだ。
彼女のお陰で、二日目の思い出に明るい色が加わった。

その後ホテルに帰ってぐっしゃぐしゃに泣きじゃくった話はまた今度。

キャリーバックは二日目も返ってこなかったが、そんなことはもうどうでもいいほどに、学びの多い二日目を過ごした。

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